COLUMN

アフィリエイトの報酬額はどう決めるか。上限と下限の出し方

成果報酬・ASP
上限と下限の帯にはさまれた成立範囲を示す図。報酬額が2つの制約で決まることを示す

アフィリエイト広告で最初に決めるのが報酬額です。ここを感覚で決めると、後から動かせなくなります。下げれば媒体が離れ、上げれば利益が消える。だから最初に上限と下限の両方を出しておきます。

上限は利益から、下限は相場から

報酬額には2つの制約がかかります。

  • 上限 — これ以上払うと赤字になる線。自社の数字から決まります
  • 下限 — これ以下だと媒体が掲載しない線。市場が決めます

この2つが交わらない商材は、アフィリエイトに向きません。払える上限より相場の下限が高いなら、無理に始めても媒体が付かないか、付いても赤字になります。判断はここで一度つきます。

上限の出し方

1回売って終わりの商品

粗利から、他にかかる費用を引いた残りが上限です。

粗利 - 決済手数料 - 配送費 - ASP手数料 - 残したい利益 = 報酬の上限

ASP手数料を忘れると、実際に払う額は報酬額より大きくなります。成果報酬に対して何%という形が多いので、報酬を上げると手数料も連動して増えます。

継続して買う商品・サブスク

1回目の粗利だけで見ると、上限がほとんど残りません。継続期間まで含めた合計で考えます。

1件あたりの生涯粗利 × 回収してよい割合 = 報酬の上限

「回収してよい割合」は、何ヶ月で投資を回収したいかで決まります。考え方はCAC と LTV から、許容できる獲得単価を決めるにまとめています。

ここで注意点があります。継続率の実績が無い段階で生涯粗利を大きく見積もると、上限が過大になります。実績が出るまでは、初回粗利に近い水準で始めて、継続率が見えてから上げるほうが安全です。

下限の調べ方

相場は、同じカテゴリの案件を見れば分かります。ASPに登録すれば一覧で確認できます。見るのは金額だけではありません。

  • 金額 — 定額か、売上に対する割合か
  • 成果地点 — 申込か購入か。ここが違うと同じ金額でも意味が変わります
  • 承認率 — 公開されている場合は必ず見ます

同じ1,000円でも、「無料申込で1,000円」と「購入で1,000円」では媒体にとっての価値が数倍違います。金額だけを並べて比べても、相場は分かりません。

媒体が見ているのは金額ではない

ここが最も誤解されやすい点です。媒体が実際に比べているのは「1クリックあたりいくらになるか」です。

報酬額 × 成約率 × 承認率 = 1クリックあたりの期待値

報酬が高くても、成約率が低ければ期待値は下がります。承認率が低い場合も同じです。報酬を上げるより、LPを直して成約率を上げるほうが、媒体にとっての魅力が増えることがあります。しかも自社の支出は増えません。

掲載が増えないとき、報酬額を上げる前にこの3つのどれが低いかを確認してください。

成果地点を手前にすると何が起きるか

成果地点を「購入」から「無料申込」に変えると、媒体にとっての成約率が上がるので掲載は増えます。ただし申込のうち何割が購入に至るかで、実質的な獲得単価が変わります。

報酬額 ÷ 申込から購入への転換率 = 実質の獲得単価

申込で1,000円、購入への転換が20%なら、実質は5,000円です。手前に置くほど掲載は増えますが、無効な申込の分も払うことになります。ここの線引きが、承認基準の話に繋がります。

後から変えるときの注意

下げるのは、上げるより高くつきます。媒体側は下がった瞬間に他案件と比べ直します。掲載を落とす媒体が出て、戻すのに時間がかかります。

だから最初は払える上限より低めに置いて、様子を見て上げるほうが安全です。上げる分には歓迎されます。

やむを得ず下げる場合は、事前に告知して理由を伝えてください。黙って下げると、条件を確認しない広告主と見なされます。

特別単価という選択

成果を出している媒体にだけ、通常より高い条件を出す形です。成果の大半を少数の媒体が作る構造では、全体を上げるより効率がよくなります。

ただし条件が違うことは、いずれ他の媒体にも伝わります。「なぜその媒体だけ高いのか」を説明できる基準(成果件数、承認率、掲載の質)を先に決めておいてください。恣意的に見えると、他の媒体との関係が悪くなります。

媒体ごとの条件設計をしやすくする仕組みについてはクローズドASPとはで扱っています。

よくある質問

相場より高くすれば掲載は増えますか。

増えることはありますが、媒体が見ているのは報酬額そのものではなく「報酬額×成約率×承認率」です。成約率が低ければ、高くしても選ばれません。

定額と料率、どちらがよいですか。

客単価がばらつく商材は料率、一定なら定額が分かりやすくなります。媒体からは定額のほうが計算しやすく、比較もされやすいです。

あとから下げてもよいですか。

可能ですが、掲載を落とす媒体が出ます。下げるより上げるほうが安全なので、最初は上限より低めに置いてください。

成果地点は手前にすべきですか。

掲載は増えますが、実質の獲得単価は「報酬額÷購入への転換率」になります。転換率を把握していない段階で手前に置くと、想定より高く付きます。

特別単価は出すべきですか。

成果が少数の媒体に集中しているなら効率的です。ただし基準を先に決めてください。説明できない差は、他の媒体との関係を損ないます。

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