
「アフィリエイト広告の運用代行」と一口に言っても、会社によって担当する範囲がまったく違います。ASPへの出稿だけを代行するところもあれば、媒体の開拓から報酬設計まで踏み込むところもある。依頼してから「そこはやらないのか」と気づくのが一番もったいないので、先に範囲を分けて書きます。
アフィリエイト広告は、運用の中身が他の広告と違う
リスティングやSNS広告なら、運用とは主に「入札・予算・クリエイティブ・ターゲティングの調整」です。数字を見て設定を変える作業が中心になります。
アフィリエイトは違います。広告を配信するのは自社ではなく、媒体(アフィリエイター)だからです。自社が直接できるのは、案件の条件を決めることと、媒体に選ばれる状態をつくることだけ。管理画面で入札を上げれば露出が増える、という構造ではありません。
そのため運用代行の仕事は、設定作業ではなく「媒体に選ばれ、成果が出て、継続される状態を設計して維持すること」になります。仕組みそのものは成果報酬型広告(アフィリエイト)の仕組みと、向き不向きで整理しています。
代行の範囲は、だいたい4つに分かれる
1. ASPの選定と出稿
どのASPに、どういう条件で案件を掲載するか。報酬額、成果地点(申込か購入か)、承認条件、初期費用と月額の負担を決めます。ここだけを代行するのが最も範囲の狭い形で、実質は出稿の代行です。
2. 媒体開拓とコミュニケーション
掲載してくれる媒体を探し、条件を伝え、掲載を依頼する。既に掲載している媒体には、成果が出ている理由・出ていない理由を共有して改善を促す。
アフィリエイトで成果が動くかどうかは、ほぼここで決まります。案件を登録しただけでは、誰も掲載しません。ASPには膨大な案件が並んでいて、媒体は「自分の読者が申し込みそうで、報酬が見合い、承認率が高い」案件を選びます。
3. 素材とLPの提供
媒体が使うバナー、テキスト、訴求の切り口を用意する。遷移先のLPを改善する。
媒体は自分の記事から送客するので、送った先で成約しなければ次から掲載してくれません。LP側の改善は広告主の仕事ですが、代行に含まれることもあります。含まれるかどうかは会社によって分かれる部分です。
4. 成果の承認と不正の判定
発生した成果を承認するか却下するか。重複、いたずら、自己申込、規約違反の掲載がないかを見る。
承認率は媒体が案件を選ぶときの判断材料になります。厳しくしすぎると媒体が離れ、緩くしすぎると無効な成果に報酬を払うことになる。ここのさじ加減は運用の重要な部分ですが、代行範囲に入っていないことも多く、社内に残るケースがあります。
依頼する前に決めておくこと
見積もりを取る前に、社内で答えを出しておくと話が早く進みます。ここが曖昧なまま進めると、後で条件を変えることになり、媒体からの信用を落とします。
- 成果地点をどこに置くか — 申込か、購入か、初回課金か。ここが決まらないと報酬額も決まりません
- 1件あたりいくら払えるか — 粗利と継続率から逆算します。考え方はCAC と LTV から、許容できる獲得単価を決めるにまとめています
- 承認の基準 — 何を却下するか。誰が判断するか
- 掲載してほしくない媒体の条件 — ブランド上、載せたくない文脈があるなら先に決めます
- 他の広告との関係 — 指名検索での競合をどう扱うか。ここを決めないと、自社の広告とアフィリエイト媒体で同じ枠を取り合います
費用の形
代行費用の形は主に3つです。
- 月額固定 — 成果の多寡にかかわらず一定。媒体開拓に工数がかかる立ち上げ期に多い形
- 成果報酬の一定割合 — 発生した報酬額に対して何%、という形
- 併用 — 月額を抑え、成果に応じて上乗せする
加えてASP側の費用(初期費用・月額・成果報酬に対する手数料)は別途かかります。代行費用だけを比べても総額は分かりません。見積もりを取るときは、ASP費用を含めた総額で並べてください。
成果が出ないときに、どこを疑うか
アフィリエイトが動かないとき、原因はだいたい次の順で疑います。
- 掲載媒体が少ない — そもそも露出していない。案件登録しただけになっていないか
- 報酬が見合っていない — 同カテゴリの他案件と比べて低いと、媒体は選びません
- 承認率が低い — 却下が多いと媒体は掲載を止めます。ここは自社の運用が原因です
- LPで落ちている — 送客はあるのに成約しない。媒体側ではなく自社側の問題です
- 成果地点が遠い — 購入完了を成果地点にすると媒体の負担が大きく、選ばれにくくなります
1と2は代行の担当範囲、3と4と5は広告主側で決める話です。ここを分けずに「成果が出ない」とだけ伝えても、話が進みません。
向いている場合、向いていない場合
向いています
- 粗利率が高く、1件あたりに数千円以上払える
- 既に運用型広告を回していて、獲得単価が頭打ちになっている
- 説明が必要な商材で、第三者の記事が効く
向いていません
- 粗利が薄い — 報酬とASP手数料を払うと残りません
- すぐに数字が欲しい — 媒体が掲載し、記事が検索で読まれるまでに時間がかかります
- 掲載内容を完全に管理したい — 書くのは媒体です。表現の統制には限界があります
自社で運用するか、任せるか
判断の分かれ目は媒体とのやり取りに手が回るかです。ASPへの出稿と承認作業だけなら社内でもできます。ただし媒体開拓は、誰がどんな記事を書いているかを把握し、個別に条件を提示する仕事で、片手間では続きません。
逆に言えば、「案件は登録してあるが掲載媒体が増えない」という状態なら、代行を検討する価値があります。そこが動かない限り、他を改善しても成果は増えないからです。
よくある質問
ASPに登録すれば媒体が勝手に掲載してくれませんか。
ほとんど掲載されません。ASPには多数の案件が並んでいて、媒体は報酬・承認率・成約しやすさで選びます。掲載を増やすには、条件を整えたうえで個別に依頼する工程が要ります。
どのくらいで成果が出ますか。
媒体が掲載し、その記事が読まれるまでの時間がかかるため、運用型広告のように即日では動きません。立ち上げ期は媒体開拓が中心になります。
費用はどう比べればよいですか。
代行費用だけでなく、ASPの初期費用・月額・手数料を含めた総額で比べてください。代行費用が安くてもASP費用が高いことがあります。
承認作業は誰がやりますか。
会社によって分かれます。代行範囲に入っていないことも多いので、見積もり時に確認してください。承認率は媒体の掲載判断に影響するため、放置できない部分です。
運用型広告とどちらを先に始めるべきですか。
獲得単価の許容ラインが分かっていない段階なら、先に運用型広告で自社の数字を掴むほうが確実です。報酬額を決める根拠がないままアフィリエイトを始めると、条件を後から変えることになります。
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当社は広告主・案件・媒体を自社で管理するクローズドな成果報酬ネットワークを運営しています。既存のASPに出しても掲載が増えない場合や、媒体との条件設計から相談したい場合は、自社運営クローズドASPをご覧ください。
報酬額の決め方はアフィリエイトの報酬額はどう決めるか、ASPそのものの選び方はASPの選び方、クローズド型との違いはクローズドASPとはにまとめています。
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