COLUMN

ROASとCPAの違いと使い分け。どちらで広告を判断するか

広告運用
ROASとCPAの使い分けの図解。1つの費用から件数で測るCPAと金額で測るROASに分岐する

ROASもCPAも、広告の費用対効果を測る指標です。違いは「何を成果として数えるか」にあります。CPAは獲得1件あたりの費用、ROASは広告費1に対して得られた売上の比率。結論から言うと、成果1件の価値がほぼ一定ならCPA、注文金額がばらつくならROASで判断します。

定義の違い

CPA(Cost Per Acquisition/獲得単価)は、広告費をコンバージョン数で割った値です。1件の問い合わせや購入を得るのにいくら掛かったかを表します。

ROAS(Return On Advertising Spend/広告費用対効果)は、広告経由の売上をコンバージョン値として捉え、広告費に対する比率で表します。Google広告の公式ヘルプでは、広告費1ドルに対して売上5ドルを目標にする場合、目標ROASは500%(売上÷広告費×100%)と説明されています(2026年8月時点)。

どちらを見るべきか

分かれ目は「コンバージョン1件の価値が揃っているか」です。

  • CPAが向くケース — 1件の価値がほぼ一定の場合。BtoBの問い合わせ・資料請求・単一商品の定期購入など。「1件いくらまで払えるか」が決めやすい
  • ROASが向くケース — 注文金額がばらつく場合。複数商品を扱うECのように、同じ1件でも3,000円の注文と30,000円の注文が混ざるなら、件数ベースのCPAでは成果の実態を取り違えます

実務では併用も多く、リード獲得はCPA・物販はROAS、という媒体やキャンペーン単位での使い分けが基本形になります。

取り違えると何が起きるか

注文金額がばらつく商材をCPAだけで判断すると、「安い注文ばかり増えるキャンペーン」が優秀に見えます。逆に、1件の価値が一定の商材でROASを使う意味はほとんどなく、目標設定が複雑になるだけです。

また、自動入札の目標として使う場合、この選択はそのまま機械の最適化方針になります。目標ROASはオークションごとにコンバージョン値を予測し、価値が高そうな検索に高く入札する仕組みのため、コンバージョン値を正しく計測できていることが前提です。値の計測が無いままROAS目標を置くことはできません。

どちらの場合も、先に決めるべき数字がある

CPAで見るにしてもROASで見るにしても、「いくらまでなら許容できるか」という基準値が要ります。この基準は広告の管理画面からは出てきません。粗利と回収期間から逆算するもので、考え方はCACとLTVから、許容できる獲得単価を決めるにまとめています。

また、どの指標を広告のKPIに置くかは事業のKPIから逆算して決めます。この順序は広告のKPIは、事業のKPIから逆算して決めるをご覧ください。

よくある質問

ROASは何%あれば良いのですか?

一律の正解はありません。粗利率と運営コストで損益分岐のROASが決まるためです。粗利率が高い商材ほど低いROASでも成立し、薄利の商材は高いROASが必要になります。自社の損益構造から逆算してください。

CPAとCACは同じものですか?

広告の文脈ではほぼ同義で使われますが、CAC(顧客獲得コスト)は広告費以外の販売コストも含めて1顧客の獲得費用を見る、より事業側の指標です。広告単体の判断はCPA、事業全体の採算はCACで見る、と分けると混乱しません。

両方を同時に目標にできますか?

1つのキャンペーンに置く目標は1つに絞るのが原則です。役割の異なるキャンペーンを分け、それぞれに合う指標を割り当てます。

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