
半年前に立ち上げた自社メディアへ、月に4本の記事を投稿し続けています。担当は本業と兼任の社員1人で、検索順位もアクセスも立ち上げ当初から横ばいです。社内では「この記事は誰が読むのか」と聞かれ、次の打ち手も決まっていません。
成果が止まる原因は記事の本数ではなく、目的とキーワードの設計が決まっていない点にあります。外部に頼るときの選択肢は、コンサルと運用代行の2つです。この記事では、オウンドメディアコンサルに依頼できる業務、運用代行との違い、向いている企業、費用の目安、選び方を解説します。
記事を読めば、自社が依頼すべき支援の種類と、見積もりで確認する項目がわかります。オウンドメディアコンサルは作業を引き受ける支援ではなく、成果につながる設計と社内の運用体制をつくる支援です。
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オウンドメディアコンサルとは自社で運用できる状態をつくる支援
オウンドメディアコンサルとは、オウンドメディアのコンサルティングを短く呼んだ言葉です。メディアの方向性を設計し、依頼した企業が自社で運用できる状態をつくる支援を指します。オウンドメディアは、自社で保有して運営する情報発信の媒体のことです。企業サイトの中に置いたブログや読み物コーナーが、代表的な形にあたります。
支援の中心にあるのは、記事を書く作業ではなく、何をどの順番で進めるかの判断基準です。Googleは検索セントラルのSEOスターターガイドで、魅力的で役立つコンテンツを作成することが、他のどの取り組みよりも検索結果に影響を与える可能性が高いと説明しています。読者にとって何が役立つ内容なのかは、自社の商品と顧客を知っている社内の人間がいちばん正しく判断できます。コンサル会社は、その判断を形にするための手順と基準を用意する立場です。
オウンドメディアコンサルを依頼しても、記事を書く人と施策を実行する時間は社内に必要になります。手を動かす主体が自社側にある点が、作業をまとめて引き受ける運用代行との分かれ目です。
オウンドメディアコンサルに依頼できる業務
オウンドメディアの成果が止まる原因は、記事の書き方より前の設計にあります。コンサル会社が引き受けるのは、その設計と検証にあたる業務です。オウンドメディアコンサルに依頼できる業務は、以下の6つです。
- メディアの目的とKPIの設計
- 検索キーワードと記事テーマの設計
- サイト構成とCMSの選定
- コンテンツの品質基準づくり
- 公開後の効果測定と改善提案
- 社内の運用体制づくりと内製化支援
メディアの目的とKPIの設計
最初に決めるのは、メディアで何を達成するのかと、その進み具合を何の数字で測るのかです。KPIとは、最終的な目標に届いているかを途中で確かめるために選ぶ中間指標を指します。問い合わせ件数を最終目標に置くメディアと、採用応募を目標に置くメディアでは、書くべき記事も見るべき数字も別物になります。
目的が決まっていないメディアは、記事の本数やアクセス数だけが判断材料になりがちです。アクセスが増えても問い合わせが1件も生まれない状態は、目的とテーマ選定がつながっていない状態を示しています。コンサル会社は、事業側の目標から逆算してCVを定義し、そこへ到達する道筋を数字で分解します。CVとは、問い合わせや資料請求など、企業が成果として数える行動のことです。
設計の成果物は、目標・KPI・対象読者・扱うテーマの範囲をまとめた1枚の方針書になります。社内の担当者が交代しても判断がぶれない状態をつくるのが、この工程の目的です。
検索キーワードと記事テーマの設計
検索から人を集めるメディアでは、どのキーワードで記事を書くかが成果の大半を決めます。SEOについてGoogleは、検索エンジンにコンテンツを理解させることで、ユーザーが検索エンジンからサイトを見つけてアクセスすべきかどうかを判断できるようにする取り組みだと説明しています。自社の商品につながらないキーワードで上位に入っても、事業の数字は動きません。
キーワードの設計で見るのは、検索回数だけではありません。コンサル会社が整理する観点は、次の4つです。
- 検索している人が抱えている課題
- 自社の商品やサービスとの距離
- 上位に並ぶ既存記事の内容と強さ
- 自社が書いたときに勝てる見込み
この4つを並べると、書く順番が決まります。検索回数の多いキーワードは競合も多く、立ち上げ直後のメディアでは順位が付きにくい傾向です。購入や問い合わせに近いキーワードから先に埋め、そこから範囲を広げる順番が、成果の出方を早めます。
サイト構成とCMSの選定
記事を置く場所の設計も、コンサルの守備範囲に入ります。CMSとは、専門知識がなくても記事の作成と公開ができる管理システムのことです。既存の企業サイトの中に作るのか、別のドメインで新しく立てるのかは、後から変更すると記事のURLがすべて変わる決定になります。
サイト構成で先に決めるのは、記事の分類と内部リンクの流れです。関連する記事同士をつないでおくと、読者が次の記事へ移動しやすく、検索エンジンにもページが見つかりやすくなります。Googleの説明によると、新しいページの発見はクロール済みのページからリンクをたどる方法が中心です。
CMSの選定では、社内の誰が更新するのかを基準に置きます。専任の担当者がいない企業では、記事の入稿に専門知識が必要なシステムを選ぶと更新が止まります。更新する人の技術レベルに合わせるのが、長く続けるための条件です。
コンテンツの品質基準づくり
記事の品質を人によってばらつかせないために、判断の基準を文書にします。Googleは有用で信頼性の高いコンテンツの解説で、検索エンジン向けに作られたコンテンツの特徴を挙げています。特徴として示されているのは、次の内容です。
- 検索エンジンからのアクセス増加を主な目的として作成されている
- 多くのトピックで大量のコンテンツを自動生成している
- 既存の読者のためではなく、話題になっているという理由で記事を書いている
- 読者が答えを得られず、別の検索をやり直す必要がある
- 特定の文字数になるように記事を書いている
- 実際の経験がないまま、ニッチなテーマを選んで書いている
挙げられた特徴の裏返しが、自社の守るべき基準です。コンサル会社は、書き手が迷わない形に基準を落とし込み、確認項目の一覧として渡します。情報源の明示や書き手の背景情報の掲載も、Googleは自己評価の観点として挙げています。
基準を作る作業には、社内の知見が欠かせません。自社の顧客がどこでつまずくのかを知っているのは営業や現場の社員で、コンサル会社はその情報を引き出して基準の形に整えます。
公開後の効果測定と改善提案
記事は公開した時点では成果が読めず、検証して初めて次の一手が決まります。GoogleはSEOの変更について、数時間で反映される変更もあれば数か月かかる変更もあると説明し、一般的には数週間待ってから確認するよう案内しています。公開の翌週に順位が動かないだけで記事を作り直すのは、判断が早すぎる進め方です。
効果測定では、順位・流入数・CV数の3層を分けて見ます。順位は上がったのに流入が増えない場合はタイトルや検索結果の見え方に、流入は増えたのにCVが増えない場合は記事の終わり方や導線に原因があります。層ごとに原因が違うため、まとめて「成果が出ない」と扱うと打ち手が決まりません。
コンサル会社が提出するのは、数字の報告ではなく次の行動の提案です。どの記事をいつ書き直すのか、どのキーワードを追加するのかまで示されて、社内は動けます。
社内の運用体制づくりと内製化支援
外部の支援を受けながら、社内だけで回せる状態へ近づける工程です。内製化とは、外注していた業務を自社の社員が担える状態に移すことを指します。記事の企画・執筆・編集・公開のうち、どこまでを社内で行うかを決め、担当と締め切りを定めた運用ルールに落とします。
体制づくりで決めるのは、人の役割だけではありません。決めておく項目は、以下の4つです。
- 記事の企画と承認を誰が行うか
- 執筆と編集の締め切りをいつに置くか
- 公開前の確認を誰が何の観点で行うか
- 数字の振り返りをどの頻度で行うか
支援の終わり方まで含めて設計する会社もあります。たとえば株式会社メリルは、SEOやLLMO対策をテーマにした企業研修を実施しています。社内で運用できる状態を、支援の成果に含める考え方です。
オウンドメディアコンサルと運用代行の違い
外部への依頼で迷いやすいのが、コンサルと運用代行のどちらを選ぶかです。同じ会社が両方のメニューを持つ場合もあり、名前だけでは区別が付きません。オウンドメディアコンサルと運用代行の違いと選び分け方は、以下の4つです。
- 手を動かす主体の違い
- 社内に残るものの違い
- 費用のかかり方の違い
- 支援形態の選び分け方
手を動かす主体の違い
最大の違いは、記事を書いて公開する人が社内にいるか社外にいるかです。コンサルでは方針・基準・改善案が外部から届き、実行するのは自社の担当者になります。運用代行では企画から執筆、公開、分析までを外部が担い、自社は方針の承認と情報提供が中心です。
同じ「依頼」でも、社内で必要になる時間はまったく違います。コンサルを受けながら月4本の記事を出す場合、執筆と編集の工数は社内の負担です。記事を書く人が社内にいない状態でコンサルだけを契約すると、提案は届くのに何も進まない状態に陥ります。
支援を受ける前に確認するのは、実行できる人の有無です。専任でなくとも、週に数時間を確保できる担当者が決まっていれば、コンサルは機能します。
社内に残るものの違い
契約が終わったときに社内へ残るものも、両者で別物です。コンサルで残るのは、キーワードの選び方や記事の品質基準といった判断の型になります。運用代行で残るのは、公開された記事とその実績です。
判断の型が残ると、次に新しいテーマへ取り組むときに社内だけで進められます。反対に運用代行だけを続けた場合、契約が切れた時点で記事の供給が止まり、更新されないメディアが残ります。どちらが良いかの判断材料は、自社がメディアをどこまで続ける計画なのかです。
3年以上続ける前提のメディアであれば、途中で内製へ切り替える選択肢を残しておく価値があります。立ち上げの1年目だけ外部に任せ、2年目から社内へ移す進め方も可能です。
費用のかかり方の違い
費用の構造も、記事の本数との関係で分かれます。コンサルは助言と設計に対する月額が中心で、記事を何本作るかで金額が大きく変わりません。運用代行は制作する記事の本数に費用が連動しやすく、本数を増やすほど金額も上がります。
記事を社内で書ける企業では、コンサルのほうが総額を抑えられる場合があります。社内に書き手がいない企業がコンサルを契約すると、別途ライターへの外注費が発生し、合計額は代行と変わらない水準になる場合もあります。比べるべきは契約金額ではなく、社内の人件費まで含めた総額です。
見積もりを取るときは、記事の制作費が含まれるかどうかを最初に確認します。同じ「月額40万円」でも、記事4本込みの金額と助言のみの金額では中身が違います。
支援形態の選び分け方
支援の形態は、コンサル・運用代行・記事制作代行の3つに分けて考えると選びやすくなります。3つの違いは、以下の表のとおりです。
| 支援の形態 | 主な担当範囲 | 社内で必要な作業 | 社内に残るもの |
|---|---|---|---|
| コンサル | 戦略設計、キーワード設計、品質基準、効果測定の助言 | 記事の執筆と公開、施策の実行 | 設計の考え方と判断の基準 |
| 運用代行 | 企画から執筆、公開、分析までの実務 | 方針の承認と社内情報の提供 | 公開された記事 |
| 記事制作代行 | 指定されたテーマの記事執筆 | テーマの選定、公開、効果測定 | 公開された記事 |
実際には、この3つを組み合わせた契約も多く見られます。戦略の設計と内製化の支援を受けながら、手が足りない月だけ記事制作を外部へ回す形が代表例です。支援会社の側も、助言のみの支援、コンサルと内製化の支援、運用や施策の代行のように、支援の段階ごとにメニューを分けている場合があります。
自社の状況が途中で変わることも想定しておきます。担当者が増えれば代行から内製へ寄せられ、担当者が抜ければ逆に代行へ戻す判断も必要です。
オウンドメディアコンサルを使うメリット
コンサルの費用は安くありません。それでも依頼する企業が多いのは、社内だけでは埋まらない部分があるからです。オウンドメディアコンサルを使うメリットは、以下の4つです。
- 自社に合った戦略を最初に決められる
- 社内にノウハウと判断基準が残る
- 記事の本数に費用が比例しない
- 社内の合意形成が進みやすくなる
自社に合った戦略を最初に決められる
立ち上げの段階で方向性が決まると、無駄な記事を作らずに済みます。メディアがうまくいかない典型は、テーマが定まらないまま記事だけが増える状態です。検索されないキーワードで50本書いた後に方針を変えると、その50本はほぼ資産になりません。
外部の視点が効くのは、自社の常識を疑える点にあります。社内では当たり前とされている説明が、顧客にはまったく伝わっていない場合もあるからです。第三者が検索データと既存記事を見た上で組み立て直すと、社内の想定と検索されている言葉のずれが表に出ます。
設計を先に固めた後は、毎月何を書くかで迷う場面がありません。着手の順番が決まったメディアでは、担当者が企画に費やす時間を執筆へ回せます。
社内にノウハウと判断基準が残る
コンサルでは実行を社内が担うため、進めるほど社員に経験が蓄積されます。キーワードを選ぶ理由、構成を決める理由、記事を書き直す理由を毎回聞ける状態は、社内向けの実地研修に近い性質です。
蓄積したノウハウは、オウンドメディア以外にも使えます。検索されている言葉を把握すると、サービスページの文言や営業資料の説明順にも反映できます。顧客が何を知りたいのかの理解は、メディアの外でも働く資産です。
ノウハウを残すには、記録の習慣が必要になります。打ち合わせの内容と決定理由を社内の文書に残しておけば、担当が交代しても判断の基準が引き継がれます。
記事の本数に費用が比例しない
コンサルの費用は、助言と設計の対価として月額で決まる形が中心です。記事を月に4本出す月と8本出す月で、コンサル費が倍になるわけではありません。社内に書き手がいる企業ほど、本数を増やしたときの1本あたりの費用は下がります。
制作を外部に任せる場合、本数を増やす判断には常に追加の費用が必要です。社内で書ける体制があれば、成果の出そうなテーマが見つかったときにすぐ本数を増やせます。判断の速さは、競合との差につながる要素です。
費用の比較では、1年単位の総額で考えます。月額と契約期間を掛け合わせ、そこに社内の人件費を足した金額が、実際に必要な投資額です。
社内の合意形成が進みやすくなる
オウンドメディアは成果が出るまでに時間がかかり、社内で予算を守り続けるのが難しい施策です。外部の専門家が示す計画と数字は、経営層への説明材料として機能します。今が計画上のどの段階で、いつ何の数字が動く見込みなのかを示せると、途中でやめる判断を避けられます。
説明の材料になるのは、順位や流入数の推移だけではありません。検索されている言葉の量や競合の状況は、社内の意思決定に直接使えるデータです。市場に存在する需要の大きさを数字で示すと、投資の判断がしやすくなります。
進み具合の共有は、定例の場で行うと定着します。月に1度、同じ形式のレポートで振り返る運用にしておくと、社内の関心も途切れません。
オウンドメディアコンサルのデメリットと注意点
依頼すれば成果が保証されるわけではなく、想定と違う結果に終わる契約もあります。デメリットを先に把握しておくと、契約の範囲を決めやすくなります。オウンドメディアコンサルのデメリットと注意点は、次の4つです。
- 社内に実行する担当者と工数が必要になる
- 成果が出るまでに時間がかかる
- 担当者の力量で成果が変わる
- 成果が出ない原因の切り分けが難しい
社内に実行する担当者と工数が必要になる
コンサルの成果は、社内の実行量で決まります。提案書と改善案が毎月届いても、記事を書く人がいなければ順位もアクセスも変わりません。兼任の担当者1人に月8本の執筆を任せる計画は、本業の繁忙期に破綻します。
契約前に確保するのは、月あたりの作業時間です。記事1本の企画から公開までにかかる時間を実測し、無理のない本数から始めます。最初の3か月は少ない本数で進め、慣れてから増やす進め方が現実的です。
社内の体制が整っていない段階では、支援の形を変える選択も検討します。執筆だけを外部へ出し、企画と編集を社内に残す分担であれば、ノウハウを残しながら本数を確保できます。
成果が出るまでに時間がかかる
検索からの流入は、記事を公開した翌月に増えるとは限りません。GoogleはSEOの変更について、数時間で反映されるものもあれば数か月かかるものもあると説明しています。公開直後の順位だけを見て判断するのは、早すぎる打ち切りです。
時間がかかる前提は、契約期間にも表れています。最低契約期間を3か月と案内する会社もあれば、6か月以上を前提とする会社もあるのが実情です。短期で結果を求める前提の契約は、途中で評価ができないまま終わります。
短期の成果が必要な場合に有効なのは、別の手段との組み合わせです。広告のように出稿した当日から流入を作れる施策と並走させると、検索の成果が出るまでの期間を埋められます。広告の運用まで相談できる支援会社もあり、たとえばSINCEED株式会社では、広告・LP・動画・分析を一社で担う支援を行っています。
担当者の力量で成果が変わる
コンサルの品質は、会社の知名度ではなく担当者の経験に左右されます。契約は会社と結びますが、実際に提案を作るのは個人です。営業の担当者と実務の担当者が別で、契約後に初めて実務担当者と会うケースもあります。
商談の段階で確認するのは、実務を担当する人の経歴と関与の度合いです。Googleは検索エンジン最適化の専門業者について、自社の事業に関心を持っているかどうかを面接で見極めるよう案内しています。自社の商品や顧客について質問がほとんど出ない相手は、他社と同じ提案を出す可能性があります。
担当者の交代についても、契約前に条件の確認が必要です。交代の際に引き継ぎがどう行われるのかが決まっていれば、途中で品質が落ちる事態を防げます。
成果が出ない原因の切り分けが難しい
実行を社内が担うため、成果が出なかったときの原因が分かれにくい構造があります。設計が悪かったのか、実行が足りなかったのかは、外からは判別しにくい部分です。責任の所在があいまいなまま契約を更新すると、同じ状態が続きます。
切り分けを可能にする方法は、記録を残すことです。公開本数と公開日、対象キーワードと公開後の順位推移を1つの表にまとめます。実行量と成果の関係が数字で見える状態です。本数が計画どおりでも成果が出ていないなら、原因は設計側にあります。
数字の振り返りは、コンサル会社と同じ資料で行います。互いに別の資料を見ている状態では、議論が進みません。
オウンドメディアコンサルが向いている企業の特徴
コンサルは、どの企業にも合う支援ではありません。社内の状況によっては、運用代行のほうが成果につながります。オウンドメディアコンサルが向いている企業の特徴は、以下の4つです。
- 記事を書ける人材が社内にいる
- 自社商品の専門性が強みになる
- 立ち上げ前で方向性が決まっていない
- 運用中のメディアで成果が止まっている
記事を書ける人材が社内にいる
文章を書ける社員が1人でもいる企業は、コンサルの効果が出やすい状態にあります。書ける人材は、専業のライターである必要はありません。営業資料や顧客向けのメールを日常的に書いている社員であれば、構成と基準を渡された後の立ち上がりは早くなります。
社内の書き手には、外部のライターにない強みがあります。顧客から実際に聞かれた質問、現場で起きた失敗、商品の細かい仕様は、社内にしか存在しない情報です。Googleも有用なコンテンツの条件として、実際の経験に基づく内容かどうかを挙げています。
書ける人材がいるかどうかは、試しに1本書いてもらうと判断できます。構成を渡した状態で2時間ほどで下書きが上がるなら、運用に乗せられる水準です。
自社商品の専門性が強みになる
専門性の高い商材を扱う企業では、外部のライターだけでは書けない領域が広く残ります。製造業の技術解説や士業の実務解説は、経験のない書き手が調べて書くと表面的な内容です。専門知識を持つ社員が書く体制のほうが、記事の説得力は高くなります。
Googleは自己評価の観点として、情報源や専門知識の証左、書き手の背景情報が示されているかを挙げています。実務を担当している社員の名前と経歴を記事に載せられる点は、社内で書く強みです。同じテーマの記事が並んだとき、誰が書いたのかが分かる記事は選ばれやすくなります。
コンサル会社が担うのは、その専門性を検索されている言葉に結び付ける作業です。社内では専門用語で呼んでいる内容が、顧客には別の言葉で検索されている場合があります。言葉の翻訳が、専門性を集客につなげる橋渡しになります。
立ち上げ前で方向性が決まっていない
これからメディアを作る段階は、コンサルの投資効果が最も大きい時期です。目的・対象読者・扱うテーマ・サイト構成は、後から変えると作った記事が無駄になります。ドメインの置き方やURLの設計は、公開後に変更すると評価の引き継ぎに手間とリスクが伴う決定です。
立ち上げ前の支援だけを単発で受ける形もあります。運用設計を単発のメニューとして用意している会社もあり、設計が終わった後の運用は社内で担う進め方が可能です。継続の月額契約を結ぶ前に、設計だけを依頼して判断する方法も選べます。
設計の段階で決めておくと、後から迷わない項目があります。決めておくのは、メディアの目的、対象読者、扱うテーマの範囲、公開の頻度、効果測定の指標の5つです。
運用中のメディアで成果が止まっている
すでに記事があるのに成果が伸びないメディアも、コンサルが効きやすい対象です。記事が50本以上あってアクセスが伸びない状態には、原因が数字として残っています。既存記事の順位、流入しているキーワード、離脱している位置を調べると、打ち手は新規の記事ではない場合があります。
止まっているメディアで多いのは、リライトで解決する問題です。あと一歩で上位に届く記事、検索意図とずれた記事、内容が古くなった記事は、新規で書くより手を入れるほうが早く成果につながります。どの記事から手を付けるかの順番付けは、外部の視点が役立つ領域です。
既存の記事を捨てる判断も必要になります。検索されないキーワードで書かれた記事を無理に残すより、テーマを統合して1本にまとめるほうが読者に届きます。
運用代行や内製のほうが向いている企業の特徴
自社の状況によっては、コンサル以外の選択が合理的です。合わない支援を契約すると、費用だけが出ていきます。運用代行や内製のほうが向いている企業の特徴は、次の3つです。
- 記事を書く人も時間も社内に確保できない
- 検索以外の手段で早く成果を出す必要がある
- 社内に設計まで担える経験者がいる
記事を書く人も時間も社内に確保できない
実行できる人がいない状態でコンサルを契約しても、提案が積み上がるだけで終わります。全社員が営業と製造を兼ねている企業で、月に数本の記事を書く時間を捻出するのは現実的ではありません。この状態では、企画から公開までを引き受ける運用代行が合います。
運用代行を選ぶ場合も、社内の関与はゼロにはなりません。顧客の実情や商品の詳細を伝える時間は必要で、月に1〜2時間の打ち合わせは残ります。丸投げで成果が出る施策ではない点は、どの形態でも同じです。
将来的に内製へ移す計画があるなら、契約の段階で伝えておきます。内製化の支援をメニューに含む会社であれば、代行から社内運用への移行を前提にした設計が可能です。
検索以外の手段で早く成果を出す必要がある
3か月以内に問い合わせを増やす必要がある場合、検索からの流入を主軸に据える計画は合いません。Googleは、SEOの変更が検索結果に表れるまでに数か月かかる場合があると説明しています。急ぎの案件では、広告やテレアポなど、出した当日から反応が返る手段が優先されます。
オウンドメディアは、時間をかけて資産を積む施策です。広告は出稿を止めると流入も止まりますが、上位に入った記事は掲載費なしで流入を生み続けやすくなります。両者は代替ではなく、時間軸の違う手段として併用する対象です。
短期の成果と並行してメディアを育てる場合は、予算配分を先に決めます。広告に寄せすぎると記事の制作が止まり、メディアへ寄せすぎると当期の数字が足りなくなります。
社内に設計まで担える経験者がいる
SEOやコンテンツの設計を経験した社員が在籍する企業では、外部への依頼は不要な場合があります。キーワードの選定、構成の作成、効果測定を自力で回せるなら、費用をかけずに内製で進められます。判断に迷う場面だけを単発で相談する使い方も可能です。
内製で進める際に注意するのは、判断が1人に依存する点です。経験者が退職すると、運用の基準ごと失われます。判断の理由を文書に残し、他の社員が読んで再現できる状態にしておくのが対策です。
外部の視点が必要になる場面は、内製の企業にも訪れます。順位が長期間動かないときや、競合の構成が大きく変わったときには、スポットでの診断が有効です。
オウンドメディアコンサルの費用と料金体系
費用は会社によって幅があり、一律の金額は存在しません。公開されている料金を見ると、月額数十万円の水準から始まる会社が複数あります。オウンドメディアコンサルの費用について押さえる点は、以下の2つです。
- 月額の継続契約と単発の設計支援
- 見積もりで確認する項目
月額の継続契約と単発の設計支援
契約の形は、大きく継続と単発の2つに分かれます。継続は毎月の助言と改善提案を受ける形で、月額数十万円から始まる料金設定が多く見られます。単発は立ち上げの設計や現状の診断だけを依頼する形で、継続契約を結ぶ前に設計だけを依頼する選択肢として使えます。
適した形は、自社の状況によって別です。すでに運用していて改善が必要なメディアは継続、これから立ち上げる段階で方向性だけ固めたい場合は単発が合います。単発で設計を受けた後、実行段階で継続契約へ移る進め方も選べます。
最低契約期間は、金額と同じくらい重要な条件です。3か月や6か月など、会社ごとに最低契約期間が定められている場合があります。総額は月額と期間の掛け算で決まるため、月額だけを比べても実際の負担は分かりません。
見積もりで確認する項目
同じ金額でも、含まれる業務が違えば比較になりません。見積もりを受け取ったら、次の6項目を確認します。
- 月あたりの打ち合わせ回数と時間
- 記事の制作費が含まれるかどうか
- レポートの提出頻度と内容
- 担当者の人数と実務担当者の経歴
- 最低契約期間と中途解約の条件
- 契約に含まれない業務の範囲
確認した内容は、複数社で同じ形式の表に並べます。金額の安い提案の中身が、打ち合わせ月1回とレポートの提出だけのケースもあるためです。項目をそろえて初めて、金額の差が何の差なのかが見えます。
社内の人件費も、比較の対象に加えます。コンサルを選んだ場合に社内で必要になる執筆と編集の時間を、時給換算で足した金額が実質の負担です。この計算をしておくと、代行との比較も正確になります。
成果につながるオウンドメディアコンサルの選び方
依頼先を選ぶ基準は、実績の多さだけではありません。Googleは検索エンジン最適化の専門業者を雇う際の確認事項を公開しており、選定の基準として使えます。成果につながるオウンドメディアコンサルの選び方は、以下の6つです。
- 過去の支援事例と同業種での実績を確認する
- Google検索の基本事項に沿った施策かを確認する
- 期待できる結果とその時期、測定方法を聞く
- サイトへ加える変更の共有方法を確認する
- 内製化の支援が契約に含まれるかを確認する
- 担当者が自社の事業を理解しようとしているかを見る
過去の支援事例と同業種での実績を確認する
最初に確認するのは、実際に支援した事例です。Googleは専門業者を雇う前の質問として、過去の作業のサンプルと成功事例を紹介してもらえるかを挙げています。同業種での実績と、該当する国や地域での実績も質問項目です。BtoBとBtoCでは検索する人の行動が違い、得意領域の差は成果に直結します。
事例を聞くときは、数字の中身まで踏み込みます。「流入が10倍になった」の元の数字が月100件であれば、増加分は900件です。開始時点の数字、支援した期間、担当した範囲まで聞いて初めて、自社に当てはめた見込みが立ちます。
信用照会先に問い合わせて過去の顧客から評判を確認する方法も、Googleが案内している手段です。事例として名前が出ている企業に直接聞ける関係があれば、提案書からは分からない進め方が見えます。
Google検索の基本事項に沿った施策かを確認する
施策の内容が検索エンジンのルールに沿っているかどうかは、必ず確認する項目です。Googleは業者を雇う前の質問として、Google検索の基本事項に準拠しているかを挙げています。ルールから外れた施策は、一時的に順位が上がっても後から評価を失うリスクを抱えます。
確認の仕方は、具体的な施策名を挙げてもらう形が有効です。被リンクを集める方法、記事を増やす方法、サイトを改修する方法について、何をどう行うのかを説明してもらいます。説明が「独自のノウハウ」だけで具体性に欠ける場合は、内容の判断ができません。
社内に判断できる人がいない場合でも、質問は残せます。提案された施策がGoogleのどのガイドラインに沿っているのかを文書で示してもらえば、後から確認できます。
期待できる結果とその時期、測定方法を聞く
成果の定義を契約前にそろえておくと、評価の食い違いを防げます。期待される結果とその時期、成果の測定方法は、Googleが挙げている質問項目です。順位なのか流入数なのか問い合わせ件数なのかで、打つべき施策は変わります。
時期の見込みも、同じ場で聞いておく対象です。何か月目にどの数字が動く想定なのかを聞いておくと、途中の判断基準ができます。計画より遅れている場合に、原因を一緒に検証する体制があるかどうかも重要です。
測定に使うツールと、その閲覧権限についても決めておきます。Search ConsoleやGoogleアナリティクスのデータを自社でも見られる状態にしておくと、報告された数字を自分で確かめられます。
サイトへ加える変更の共有方法を確認する
自社サイトに何をしたのかが分からないまま契約が進む状況は、避けなければなりません。Googleは業者への質問として、サイトに加えたすべての変更に関する情報を伝えてくれるかを挙げています。変更の記録がないまま契約が終わると、後任の担当者が原因を追えません。
共有の形式を決めるのは、契約前です。変更した日付と対象のページ、変更の内容と理由を一覧で残せば、社内の引き継ぎにも使えます。口頭の報告だけで済ませる進め方は避けます。
作業用のアカウントについても、自社で管理する形が安全です。CMSや計測ツールの管理者権限を自社が持ち、支援会社へは必要な範囲の権限を渡す運用にしておくと、契約終了時の混乱を防げます。
内製化の支援が契約に含まれるかを確認する
将来的に社内で運用する計画があるなら、契約の範囲に内製化の支援を含めます。インハウス化支援をメニューとして公開している会社があり、社内で運用できる状態を成果物に置く考え方です。含まれない契約では、助言は受けられても社内の体制は育ちません。
内製化の支援では、成果物の形を具体的に決めます。キーワード選定の手順書、記事の構成テンプレート、品質の確認項目、効果測定のレポート様式が、代表的な成果物です。社員が読んで同じ判断を再現できる水準まで作り込むかどうかで、契約後の自走度が変わります。
社内の勉強会や記事の添削が含まれるかどうかも、確認したい項目です。書いた記事に対して毎回フィードバックが返る体制は、社員の習熟を早めます。
担当者が自社の事業を理解しようとしているかを見る
最後に見るのは、担当者の姿勢です。Googleは、検索エンジン最適化の担当者が自社の会社とビジネスに関心を持っているかを面接で見極めるよう案内しています。商談で商品や顧客についての質問が出ない相手は、他社と同じ提案を出してくる可能性があります。
質問の質は、経験の深さを映す材料です。誰が意思決定するのか、受注までにどれくらいかかるのかまで聞いてくる担当者は、事業の構造を理解した上で設計します。受注の流れに関する情報は、記事のテーマ選定に直結する材料です。
相性の確認には、初回の打ち合わせ後の対応も含めます。議事録や提案の初稿がどの速さでどの精度で届くのかは、契約後の進行をそのまま映します。
契約前に見極めたいコンサル会社の危険なサイン
提案の内容には、契約を避けたほうがよい兆候が表れます。Googleは検索エンジン最適化の業者について、警戒すべきサインを公開しています。契約前に見極めたい危険なサインは、次の4つです。
- 検索順位を保証する
- Googleとの特別な関係を強調する
- 多数の検索エンジンへの登録を成果としてうたう
- 施策の内容と目的を説明しない
検索順位を保証する
検索結果の最初のページに必ず表示されるようになるといった順位の保証は、Googleが警戒すべきサインとして明記している内容です。検索結果の並びはGoogleのアルゴリズムが決めるもので、外部の業者が確約できる領域ではありません。
保証をうたう提案には、条件が付いている場合があります。競合のいないキーワードや、自社名を含むキーワードで上位に入れる契約は、成果として意味を持ちません。保証の対象となるキーワードを具体的に確認すると、実態が見えます。
順位そのものは、目的ではなく途中の指標です。上位に入っても問い合わせが増えなければ、事業としての成果はゼロのままです。
Googleとの特別な関係を強調する
Googleとの特別な関係や、Googleへの優先登録をうたう提案も、警戒すべきサインとして挙げられています。自然検索の結果への掲載に、費用を払って優先される仕組みはありません。特別な関係を持ち出す説明は、検索の仕組みと合わない内容です。
同様に、Googleの社員との人脈を根拠にする説明も判断材料にはなりません。判断すべきなのは、提案されている施策の中身と、その根拠として示されたガイドラインです。
公式の情報は誰でも確認できます。Googleの検索セントラルには業者を選ぶ際の注意点が公開されており、提案内容と照らし合わせられます。
多数の検索エンジンへの登録を成果としてうたう
何千もの検索エンジンへ登録申請すると宣伝する業者についても、Googleは警戒すべきサインとして挙げています。登録の件数は、検索からの流入とは結び付きません。作業量を成果の代わりに提示する提案は、中身の評価を避けている状態です。
似た形の提案に、記事の本数だけを前面に出す見積もりがあります。月20本の納品をうたっていても、キーワードの選定根拠がなければ流入は生まれません。本数ではなく、何を書くかの根拠を確認します。
作業量が多い提案が悪いわけではありません。問題になるのは、その作業がどの成果につながるのかの説明がない状態です。
施策の内容と目的を説明しない
行動の目的を明確に説明できるかどうかは、Googleが挙げている判断基準の1つです。何をするのかを聞いても「独自の手法なので開示できない」と返す相手は、後から検証ができません。自社サイトへの施策である以上、内容を知る権利は依頼した側にあります。
説明を求めたときの反応も、判断の材料です。専門用語のまま押し切ろうとする相手より、社内の非専門家に伝わる言葉へ言い換えられる相手のほうが、契約後の連携は進みます。
契約書の記載も確認します。業務の範囲、成果物、報告の頻度が文書で特定されていない契約は、認識のずれが起きたときに拠り所がありません。
オウンドメディアコンサルに依頼するまでの流れ
問い合わせから契約までは、複数社を並べて比較する進め方が基本です。1社だけの提案では、金額と内容の妥当性を判断できません。依頼するまでの手順は、以下の5段階で進めます。
- 社内で目的、予算、実行できる体制を整理する
- 支援内容が自社の課題に合う会社を複数社選ぶ
- 現状のデータを共有し、同じ条件で提案を依頼する
- 提案内容と見積もりを同じ項目で比較する
- 業務範囲、成果物、契約期間を文書で確定する
最初の段階で決めておく内容が、その後の精度を左右します。目的と予算があいまいなまま問い合わせると、各社が別々の前提で提案を作るため比較ができません。誰が実行するのかまで整理してから相談すると、実現できる計画が返ってきます。
提案を依頼するときは、各社へ同じ情報を渡します。現在の流入数と既存記事の本数、社内の体制と目標の数字をそろえて伝えるのが前提です。渡す情報に差があると、比較の土台が崩れます。
オウンドメディアコンサルは役割を見極めてから依頼しましょう
オウンドメディアコンサルは、作業を引き受ける支援ではなく、成果につながる設計と社内の運用体制をつくる支援です。記事を書く人が社内にいる企業ほど効果が出やすく、書き手も時間も確保できない企業では運用代行のほうが合います。依頼先を決める前に、社内で実行できる量を確かめる作業が欠かせません。
依頼を検討する際に押さえる点は、次の4つです。
- 依頼できる業務は、目的とKPIの設計、キーワード設計、サイト構成、品質基準、効果測定、内製化支援の6領域
- 運用代行との違いは、手を動かす主体、社内に残るもの、費用のかかり方の3点
- 費用は月額数十万円からの設定が多く、最低契約期間や記事の制作費を含むかどうかで総額が変わる
- 選び方の基準は、同業種の実績、Google検索の基本事項への準拠、成果の定義と時期、変更内容の共有、内製化支援の有無、担当者の姿勢
順位の保証やGoogleとの特別な関係を強調する提案は、Googleが警戒すべきサインとして挙げている内容にあたります。複数社から同じ条件で提案を受け取り、業務範囲と成果物を文書で確定させてから契約を結びましょう。
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