
マイクロコンバージョンとは、最終成果(購入・問い合わせ)に至る手前の中間行動を、計測上のコンバージョンとして扱うものです。カート追加、フォーム到達、料金ページの閲覧などが典型です。結論から言うと、主な使いどころは「最終成果だけではデータが足りないときに、学習と判断の材料を増やすこと」です。
定義と具体例
最終的な成果を本コンバージョン(マクロコンバージョン)と呼ぶのに対し、そこへ向かう途中の行動がマイクロコンバージョンです。
- ECなら:商品詳細の閲覧 → カート追加 → 購入手続き開始(→ 購入=本CV)
- BtoBなら:料金ページ閲覧 → フォーム到達 → 入力開始(→ 送信完了=本CV)
どの行動を拾うかに決まりはなく、本CVとの間に因果のつながりがある行動を選ぶことがすべてです。
何のために使うか
第一の用途は、学習データの補強です。本CVが月に数件しかないアカウントでは、自動入札が判断材料を集められず、成果が安定しません。この構造はスマート自動入札が「効かない」と感じたときに疑う3つの前提で書いたとおりです。本CVより手前の行動は件数が一桁多いことが普通なので、マイクロCVを計測すれば、機械に渡せるシグナルが増えます。
第二の用途は、改善箇所の特定です。本CVの数だけを見ていると「成果が出ない」としか分かりませんが、中間行動を計測していれば、どの段階で人が離れているかが分かります。
使うときの注意
- 本CVと混ぜて数えない — マイクロCVを本CVと同じ列で数えると、獲得単価が実際より良く見えます。レポートでは必ず分けます
- 価値の重みを分ける — 入札の最適化対象に含める場合は、本CVとの価値差を明示します。カート追加と購入を同じ価値で学習させると、機械はカート追加を増やす方向に寄ります
- KPIにしない — マイクロCVはあくまで中間指標です。事業のKPIから逆算した本来の目標(広告のKPIの決め方)を置き換えるものではありません
次の一歩
マイクロCVの設計は「データが足りない状態で自動入札をどう機能させるか」という問題の一部です。全体の考え方は自動入札が効かないときに疑う3つの前提から読み進めてください。
よくある質問
マイクロコンバージョンはいくつ設定すべきですか?
本CVへの因果が明確なものを1〜3個に絞るのが実務的です。多すぎると、何を改善すべきかがかえって見えなくなります。
マイクロCVで最適化すると質は下がりませんか?
中間行動まで進んだ人と本CVに至る人の傾向が近いほど、質は保たれます。本CVから遠すぎる行動(例:ページ閲覧だけ)を最適化対象にすると、質の低下が起きやすくなります。近い行動から使うのが原則です。
本CVが十分にある場合も使うべきですか?
学習補強の必要はありませんが、改善箇所の特定という第二の用途は残ります。計測だけしておき、入札の最適化対象には含めない、という使い方が定石です。
