
Google for Nonprofits は、条件を満たした非営利団体が Google のサービスを無償または割引で使えるようにするプログラムです。使えるのは Google Workspace for Nonprofits/Google Ad Grants/YouTube 非営利プログラム/Google Earth と Google マップ の4つ。日本も対象地域に含まれています。結論から言うと、団体確認さえ通れば「メール環境」と「検索広告枠」がまとめて無償になるため、非営利法人にとっては最初に手をつける価値のあるプログラムです。ただし、無償なのは利用料であって、使いこなす手間ではありません。
4つのプログラムで何が無償になるのか
それぞれ性格がまったく違います。以下は2026年8月時点の公式情報です。
- Google Workspace for Nonprofits — 0円/ユーザー/月。独自ドメインのメールアドレス、150人まで参加できるビデオ会議、全ユーザーで共有する100TBのストレージ、セキュリティと管理機能まで含みます。有料版へ上げる場合も非営利割引があり、Business Standard が月400円(標準料金の75%オフ)、Business Plus が月700円(72%オフ)です
- Google Ad Grants — Google.com に表示される検索広告の枠が月10,000米ドル分まで。ディスプレイや動画は含まれません
- YouTube 非営利プログラム — 動画で活動を伝えるための枠組み。カードから外部URLへ誘導できます
- Google Earth と Google マップ — Google Maps Platform のクレジットが提供されます。活動データを地図で可視化したり、地域のリソースを探せるようにしたりする用途です
金額で見ればAd Grantsが突出していますが、実際に効果が出るのが早いのは Workspace のほうです。Workspaceは登録すればその日から使えるのに対し、Ad Grantsは運用しないと1円も消化されません。
日本の団体が先に知っておくべき制限
公式ページに書かれているものの、見落とされやすい点が2つあります。
- YouTube ギビング機能は米国限定 — 動画に寄付ボタンを付ける機能ですが、公式に「現時点では米国でのみ利用できます」と明記されています。日本の団体はこの機能を使えません。YouTube 非営利プログラムに寄付集めを期待していると外します
- Workspaceの無償版と非営利割引版はユーザー数が最大2,000 — 割引Enterpriseプランには上限がありません
参加できる団体・できない団体
公式が対象外として明示しているのは、次の3類型です。
- 政府事業体または政府組織
- 病院またはヘルスケア企業
- 学校、教育機関、大学(教育機関には Google for Education が別途あります)
逆に言えば、非営利のボランティア組織として良好な運営状態にあり、活動拠点の国の参加要件を満たしていれば申請できます。医療系の団体を運営している場合はここが分かれ目になるので、申請前に自団体がどちらに当たるかを確認してください。
申請の流れ
公式が示す手順は4段階です。
- 1. 参加要件を満たすか確認する
- 2. Google for Nonprofits アカウントをリクエストする
- 3. 団体確認の完了を待つ — Google の確認パートナーが団体と所属を確認します。完了するとメールで通知が届きます
- 4. 各サービスに個別に登録する — 4つのプログラムは自動では有効になりません。アカウント承認後に、使うものを自分で登録します
躓きやすいのは3です。確認パートナーの審査は団体の登記情報や活動実態を見るため、法人の登記内容や公開情報が実態と食い違っていると止まります。申請前に、登記簿・公式サイト・団体名の表記が揃っているかを確認しておくと早く済みます。
どれから手をつけるか
4つを同時に始める必要はありません。実務上は次の順が無理がありません。
- 1. Workspace — 登録した日から使えます。独自ドメインのメールは、この後の申請や寄付者とのやり取りの土台にもなります
- 2. Ad Grants — 効果は最も大きいものの、運用の手間も最も大きい枠です。クリック率5%の維持や月1回以上のコンバージョンといった存続要件を満たし続けないとアカウントが止まります。詳細はGoogle Ad Grants とは。無償枠で実際にできることにまとめました
- 3. YouTube・Maps — 動画や地図を実際に作る体制ができてから。ツールを先に用意しても、中身がなければ動きません
SINCEED ができること
当社はデジタルマーケティング支援の一環として Google 広告の設計・運用を行っています。Google for Nonprofits の4つのうち、継続的な運用が要るのは Ad Grants だけで、そこはキーワード設計・品質スコア・コンバージョン設計といった有料の検索広告とまったく同じ土俵です。「枠は承認されたが消化できない」「一時停止の通知が来た」といった状態は、原因を分解すれば対処できます。当社のGoogle Ad Grants 運用支援では、申請準備から配信設計、参加要件の維持までを承っています。状況の整理からご相談ください。
よくある質問
Google for Nonprofits と Google Ad Grants は違うものですか?
Google for Nonprofits が親のプログラムで、Ad Grants はその中の1サービスです。Ad Grants を使うには、まず Google for Nonprofits の団体確認を通す必要があります。
営利企業でも使えますか?
使えません。対象は非営利団体で、加えて政府事業体・政府組織、病院やヘルスケア企業、学校・教育機関・大学も対象外とされています。
4つすべてを使わないといけませんか?
いいえ。アカウントが承認されたあと、使うサービスに個別に登録する形です。必要なものだけ選べます。
日本の団体でも寄付ボタンをYouTubeに付けられますか?
付けられません。YouTube ギビング機能は公式に米国限定と明記されています。日本の団体は、動画から自団体の寄付ページへリンクで誘導する形になります。
Workspace の無償版はいつまで使えますか?
期間の定めは公式に示されていません。ただし参加資格を満たさなくなった場合や、プログラムの条件が変更された場合の影響はあります。料金・条件は変わりうるため、実際の導入時は公式ページで最新の内容をご確認ください。
本記事のプログラム内容・料金は Google for Nonprofits および各サービスの公式ページを2026年8月22日に確認した内容です。条件は変更される場合があるため、申請時には公式の最新情報をご確認ください。
