COLUMN

アフィリエイト広告とは?仕組み・費用・始め方とステマ規制まで徹底解説!

成果報酬・ASP
アフィリエイト広告の仕組みと始め方。広告主、ASP、メディア、ユーザーの4段の流れ図。

検索連動型広告に月数十万円を投じても、問い合わせの件数が月ごとに上下し、社内の予算会議でクリック単価の高騰を説明し続けている。そんな状況で次の打ち手として挙がるのがアフィリエイト広告です。ただし成果報酬型の広告という言葉だけで検討を始めると、毎月の固定費と、掲載された表示に対する広告主の責任を見落としかねません。

この記事では、アフィリエイト広告の仕組み・他のWeb広告との違い・メリット・デメリット・費用・始め方・法規制を解説します。記事を読めば、自社で出稿するかどうかを社内で説明できる材料がそろいます。アフィリエイト広告は成果が出た分だけ費用が発生する広告である一方、掲載された表示の責任は広告主が負うため、掲載面を確認し続ける体制まで含めた判断が必要です。

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アフィリエイト広告とは成果が発生したときだけ費用がかかる広告

アフィリエイト広告とは、商品の購入や会員登録など、あらかじめ決めた成果が発生したときにだけ広告費が発生するWeb広告です。消費者庁はアフィリエイトプログラムをインターネットを用いた広告手法の一つと位置づけ、そこで用いられる広告を成果報酬型広告と呼んでいます。

広告が載る場所は、広告主自身のサイトではありません。比較サイト・ポイントサイト・ブログなどの運営者が、自分のサイトに広告主の商品のバナー広告や商品画像リンクを掲載します。サイトを見た人がリンクをクリックして広告主のサイトへ移り、購入や申し込みを行った場合に、あらかじめ定められた条件に従って広告主から報酬が支払われる形です。

広告が表示されただけ、クリックされただけでは広告費が発生しない点が、アフィリエイト広告の最大の特徴といえます。

アフィリエイト広告の仕組みと登場人物

アフィリエイト広告は、広告主が単独で動かせる広告ではありません。商品を供給する側・仲介する側・掲載する側・購入する側がそろって初めて成立します。アフィリエイト広告の登場人物と、報酬が支払われるまでの流れは以下のとおりです。

  • 商品を売る広告主
  • 広告主とアフィリエイターを仲介するASP
  • 広告を掲載するアフィリエイター
  • 商品を購入する消費者
  • 成果の発生から報酬の支払いまでの流れ

商品を売る広告主

広告主とは、アフィリエイト広告で宣伝される商品やサービスを供給する事業者です。自社商品の販売数や会員登録数を増やす目的で、ASPに成果報酬型広告を登録します。

広告主が決めるのは、掲載してもらう広告の内容だけではありません。どの行為を成果とみなすか、成果1件あたりいくら支払うかも広告主が設定します。JANetの公式サイトでは、成果報酬単価は広告主の意向に合わせてカスタマイズできると案内されています。

責任の面でも広告主の位置は重要です。消費者庁の資料によると、広告主が表示内容の決定に関与している場合、アフィリエイターのサイトに載った表示も景品表示法上は広告主が行った表示として扱われます。

広告主とアフィリエイターを仲介するASP

ASPとは、アフィリエイト・サービス・プロバイダーの略で、広告主とアフィリエイターの間を仲介する事業者です。ASPを使わずに広告主が自らシステムを構築してアフィリエイターと直接契約する場合もありますが、多くはASPのシステムを利用する形です。

消費者庁の資料では、ASPを利用する場合の関係が次のように整理されています。広告主はASPとアフィリエイトサービスに関する契約を結び、ASPは広告主の成果報酬型広告をアフィリエイトサイトに掲載するためのシステムを提供します。アフィリエイターはASPとパートナー契約を結んだうえで、システム上に用意された広告を自ら選んで掲載する形です。ASPは広告主から、広告主との契約で定められた手数料の支払いを受けます。

ASPを使う実務上の利点は、提携先を一度に確保できる点です。バリューコマースの公式サイトでは累計90万を超えるアフィリエイトサイトが登録されていると案内され、もしもアフィリエイトの公式サイトではメディア登録数が81万超と案内されています。

広告を掲載するアフィリエイター

アフィリエイターとは、アフィリエイトサイトを運営し、広告主の広告を掲載する個人や事業者です。掲載の形はバナー広告、商品画像リンク、テキストリンクなど複数あります。

掲載の形式は年々多様です。消費者庁は、一見すると中立的な第三者が商品を紹介しているかのように装った記事風の広告や、体験談を掲載するWebサイト自体がアフィリエイトサイトになっている場合があると指摘しています。検索結果と一緒に表示される広告・ポータルサイトの広告枠・動画配信サービスの広告・SNSの投稿からアフィリエイトサイトへ誘導する方法も挙げられています。

広告主が選べるのは提携を承認するかどうかまでです。自社の広告を実際に掲載するかどうかはアフィリエイター側が判断します。

商品を購入する消費者

消費者は、アフィリエイトサイトの記事やバナー広告を見て、広告主のサイトへ移動する人です。アフィリエイト広告の費用は、消費者の行動によって決まります。

消費者庁は、アフィリエイトサイトに掲載された広告を通じて広告主のサイトにアクセスして商品を購入することが報酬条件となっている場合を例示しています。消費者が報酬条件に合致する形で購入した時点で、広告主はASPを通じてアフィリエイターに報酬を支払う流れです。

購入に至らなければ報酬は発生しません。広告を見た人が何人いても、条件を満たす行動がなければ広告主の支払いはゼロで終わります。

成果の発生から報酬の支払いまでの流れ

アフィリエイト広告の費用は、成果の発生と同時に確定するわけではありません。広告主の確認を経て確定します。成果が発生してから報酬が支払われるまでの流れは、次のとおりです。

  1. アフィリエイターが自分のサイトに広告主の広告を掲載する
  2. サイトの訪問者が広告をクリックして広告主のサイトへ移動する
  3. 訪問者が購入や申し込みを行い、成果として記録される
  4. 広告主が成果の内容を確認して承認または否認する
  5. 広告主がASPへ成果報酬と手数料を支払う
  6. ASPがアフィリエイターへ報酬を支払う

承認の段階で何を見るかは広告主が決めます。A8.netの公式サイトでは、購入者による料金の振込完了やキャンセルがないなどの条件を広告主が確認して承認すると成果が確定し、確定した報酬は確定翌々月の15日に支払われると案内されています。

アフィリエイト広告と他のWeb広告の違い

検索連動型広告やディスプレイ広告を運用した経験があると、アフィリエイト広告も同じ感覚で管理できると考えがちです。実際には費用の発生条件だけでなく、掲載面と表示内容の決まり方まで異なります。アフィリエイト広告と他のWeb広告の違いは、以下の3点です。

  • 費用が発生するタイミングの違い
  • 掲載面が決まる過程の違い
  • 広告の表示内容を作る人の違い

主なWeb広告の費用の発生条件と掲載面の決まり方は、以下の表のとおりです。

広告の種類 費用が発生する条件 掲載面を決める主体
検索連動型広告 広告がクリックされたとき 広告主(キーワードと入札の設定)
ディスプレイ広告 広告が表示されたとき、またはクリックされたとき 広告主(配信面の設定)
アフィリエイト広告 あらかじめ決めた成果が発生したとき アフィリエイター(掲載するかどうかの判断)

費用が発生するタイミングの違い

検索連動型広告とディスプレイ広告は、成果の前段階で費用が発生します。Google広告のヘルプによると、クリック単価制では広告がクリックされたときに料金が発生し、インプレッション単価制ではYouTubeやGoogleディスプレイネットワークで発生したインプレッション数に基づいて料金が発生する仕組みです。

アフィリエイト広告の費用は、購入や申し込みが起きた後に確定します。クリックが1万回あっても、成果条件を満たす行動がなければ成果報酬は発生しません。

費用の見通しの立て方も変わります。検索連動型広告では日予算の上限で支出を管理しますが、アフィリエイト広告では成果1件あたりの報酬額が支出の単位になります。

掲載面が決まる過程の違い

検索連動型広告とディスプレイ広告では、どの検索語句や配信面に広告を出すかを広告主が設定します。設定した条件の範囲内であれば、広告は自動的に配信されます。

アフィリエイト広告に同じ操作はできません。広告主ができるのは、ASPに広告を登録し、提携の申請を承認するところまでです。掲載するかどうか、どの記事のどの位置に載せるかはアフィリエイターが決めます。

出稿の初日から掲載が増える保証はありません。商品と報酬条件がアフィリエイターにとって取り上げる価値のあるものかどうかで、掲載数は大きく変わります。

広告の表示内容を作る人の違い

検索連動型広告とディスプレイ広告では、広告文やバナーを広告主が作成します。表示される文言は広告主の管理下です。

アフィリエイト広告では、記事本文や体験談をアフィリエイターが書きます。広告主が用意したバナーやテキストリンクをそのまま使うとは限りません。

表示内容を書く人と責任を負う人が一致しない点が、アフィリエイト広告の運用で最も注意が必要な部分です。景品表示法の扱いでは、アフィリエイターが書いた表示も広告主の表示として評価されます。

広告主がアフィリエイト広告を使うメリット

アフィリエイト広告を導入する企業の多くは、広告費の変動リスクを抑える目的で検討を始めます。実際の利点は費用面だけにとどまりません。広告主がアフィリエイト広告を使うメリットは、以下の5つです。

  • 成果が出なければ広告費が発生しない
  • 成果地点を自社の事業に合わせて設定できる
  • 自社サイト以外の接点から流入を集められる
  • 第三者のサイトで商品が説明される
  • 条件に合わない成果を否認できる

成果が出なければ広告費が発生しない

アフィリエイト広告では、成果が発生しない限り成果報酬の支払いはありません。もしもアフィリエイトの公式サイトでは、成果が発生しない場合に請求は発生しないと案内されています。

広告費が売上に連動するため、投資対効果の下振れが起きにくい構造です。検索連動型広告のように、クリックが集まったのに購入がゼロだった月でも成果報酬だけは発生しない形になります。

ただし成果報酬以外の固定費は別に発生する点に注意が必要です。費用がまったくかからないわけではない点は、社内で説明するときに正確に伝える必要があります。

成果地点を自社の事業に合わせて設定できる

成果として何を数えるかは広告主が決められます。ECサイトであれば商品の購入、BtoBのサービスであれば資料請求や問い合わせ、アプリであれば会員登録を成果地点に設定できます。

消費者庁の資料でも、アフィリエイターへの報酬はあらかじめ定められた条件に従って支払われるものです。条件の設計次第で、広告費が発生する場面を自社の事業の利益が出る場面にそろえられます。

報酬額の設計も広告主の裁量です。JANetの公式サイトでは、成果報酬単価は広告主の意向に合わせてカスタマイズできると案内されています。

自社サイト以外の接点から流入を集められる

アフィリエイト広告では、自社が運営していないサイトに商品の紹介が載ります。比較サイト・ポイントサイト・ブログなど、掲載されるサイトの種類はさまざまです。

消費者庁の資料では、アフィリエイトサイトへの集客方法が複数挙げられています。検索結果と一緒に表示される広告・ポータルサイトの広告枠・動画配信サービスの広告・SNSの広告枠や投稿からの誘導です。自社では手が回らない接点に、提携したアフィリエイターの数だけ露出が生まれる形です。

接点の数は提携できるアフィリエイターの規模に左右されます。afbの公式サイトでは累計の広告プロモーション数が17,000件以上、パートナーサイト数が118万超と案内されています。

第三者のサイトで商品が説明される

自社サイトに書いた説明文と、第三者のサイトに書かれた紹介文では、読み手の受け取り方が変わります。購入を検討している人が読むのは、販売元以外の情報を集めた比較サイトやブログです。

アフィリエイト広告では、広告主が直接運営していないサイトに商品の解説や使用感が掲載されます。検討段階の読み手に届く文脈が増える点は、バナー広告だけでは得にくい効果です。

一方で、書かれる内容を広告主が完全に決められるわけではありません。掲載を任せる範囲と、守ってほしい表現のルールを、提携時にどこまで伝えるかが運用の分かれ目になります。

条件に合わない成果を否認できる

計測された成果のすべてに報酬を支払うわけではありません。広告主は成果の内容を確認し、条件に合わないものを否認できます。

A8.netの公式サイトでは、購入者による料金の振込完了やキャンセルがないなどの条件を広告主が確認して承認すると説明されています。キャンセルされた注文や、入金が確認できない申し込みに報酬を払う必要はありません。

承認と否認の基準は、提携前にアフィリエイターへ示しておく性質のものです。基準が不明瞭なまま否認が続くと、掲載を取りやめるアフィリエイターが出ます。

広告主がアフィリエイト広告を使うデメリット

成果報酬型という言葉から、費用のリスクがない広告と誤解されがちです。実際には固定費と管理の手間が発生し、表示の責任も広告主に残ります。広告主がアフィリエイト広告を使うデメリットは、以下の5つです。

  • 成果がゼロでもASPへの固定費が発生する
  • 広告が掲載される保証がない
  • 掲載された表示の責任は広告主が負う
  • 提携サイトの掲載面を確認し続ける必要がある
  • 出稿の条件や審査で始められない場合がある

成果がゼロでもASPへの固定費が発生する

多くのASPでは、成果報酬とは別に初期費用と月額費用がかかります。アクセストレードの公式サイトでは初期費用55,000円(税込)、月額費用44,000円(税込)と案内されています。

成果が1件も発生しなかった月でも、月額費用の請求は止まりません。出稿の初月から数か月は、掲載を増やす期間として固定費だけが出ていく形です。

固定費が発生しないASPもあります。もしもアフィリエイトの公式サイトでは初期費用と月額費用が無料で、最低契約期間もないと案内されています。

広告が掲載される保証がない

ASPに広告を登録しても、掲載される件数は約束されません。掲載するかどうかを決めるのはアフィリエイターです。

掲載が集まらない要因は、報酬額の水準・商品の知名度・成果条件の厳しさなど複数あります。報酬額を引き上げれば掲載は増えやすくなりますが、成果1件あたりの費用は高くなる点が難所です。

固定費だけが発生して掲載がほとんど増えない期間が生じる可能性も、検討段階で見込んでおく必要があります。

掲載された表示の責任は広告主が負う

アフィリエイターが書いた文章であっても、景品表示法上の責任は広告主に向かいます。消費者庁の資料では、広告主が表示内容の決定に関与している場合、アフィリエイターに表示内容の決定を委ねている場合を含めて、広告主が行った表示とされます。

アフィリエイター自身は、対象となる商品を自ら供給する者ではないため、景品表示法で定義される表示を行う者には該当しません。誇大な紹介記事が問題になった場合、指摘を受けるのは広告主の側です。

例外もあります。消費者庁の資料では、アフィリエイターが単に広告主のWebサイトのURLを添付するだけで、商品の内容や取引条件についての詳細な表示を行わない広告については、通常は不当表示が発生しないと考えられると整理されています。

提携サイトの掲載面を確認し続ける必要がある

掲載された表示の責任が広告主にある以上、掲載面の確認は運用業務の一部です。消費者庁の管理措置指針では、アフィリエイトプログラムを利用した広告を行う業態では、広告を利用する事業者がアフィリエイター等の作成する表示を確認することが必要となる場合があると示されています。

提携数が増えるほど確認の対象も増えます。記事の本数が数百に達すると、担当者1人で全件を目視する運用は続きません。

確認の頻度と範囲、問題を見つけた場合の対応手順を、出稿前に決めておく必要があります。手順がないまま提携数だけを増やすと、指摘を受けてから初めて掲載内容を把握する状況に陥ります。

出稿の条件や審査で始められない場合がある

ASPごとに出稿の条件は異なります。アクセストレードの公式サイトでは、出稿できるのは自社で運営するサイトのみで、モール出店サイトでの利用と個人での出稿はできないと案内されています。

審査と準備の期間も見込みが必要です。アクセストレードの公式サイトでは申し込みから2週間から1か月程度でサービスを開始できると案内され、もしもアフィリエイトの公式サイトでは広告主審査の目安が3から10営業日と案内されています。

契約期間に縛りのあるASPもあります。アクセストレードの公式サイトでは、契約期間は6か月自動更新が原則との案内です。

アフィリエイト広告にかかる費用の内訳

アフィリエイト広告の費用は成果報酬だけではありません。ASPと契約する時点で発生する費用と、成果に応じて発生する費用に分かれます。アフィリエイト広告にかかる費用の内訳は、以下の4つです。

  • ASPと契約するときの初期費用
  • 毎月発生する月額費用
  • 成果1件ごとに発生する成果報酬
  • ASPに支払う手数料

主要なASPが公式サイトで案内している費用は、以下の表のとおりです。

ASP 初期費用 月額費用 手数料
アクセストレード 55,000円(税込) 44,000円(税込) 成果に応じて発生(率の記載なし)
JANet 50,000円(税抜) 40,000円(税抜・月額管理費用) 記載なし
もしもアフィリエイト 無料 無料 成果報酬額の30%

ASPと契約するときの初期費用

初期費用は、ASPのシステムにアカウントを開設し、成果計測の設定を行う段階で発生します。アクセストレードの公式サイトでは55,000円(税込)、JANetの公式サイトでは50,000円(税抜)との案内です。

無料のASPもあります。もしもアフィリエイトの公式サイトでは、初期費用は無料と案内されています。

初期費用の有無だけでASPを決める判断は避けた方が賢明です。提携できるアフィリエイターの数や支援の範囲が費用に反映されている場合があります。

毎月発生する月額費用

月額費用は、成果の件数にかかわらず毎月発生します。アクセストレードの公式サイトでは44,000円(税込)、JANetの公式サイトでは月額管理費用として40,000円(税抜)との案内です。

JANetの公式サイトでは請求条件として月末締めの翌々月10日払い、アクセストレードの公式サイトでは月末締めの翌月末払いで、月の途中で開始した場合は日割り計算になると案内されています。支払いのタイミングは資金繰りの計画に関わるため、契約前に確認が必要です。

月額費用が無料のASPを併用する方法もあります。もしもアフィリエイトの公式サイトでは、月額費用は無料で最低契約期間もないと案内されています。

成果1件ごとに発生する成果報酬

成果報酬は、成果が承認された件数に応じて発生します。金額を決めるのは広告主です。JANetの公式サイトでは、成果報酬単価は広告主の意向に合わせてカスタマイズできると案内されています。

設定の考え方は、1件の成果から得られる利益の範囲に収めることです。粗利を超える報酬額を設定すると、成果が増えるほど利益が減ります。

報酬額を決める前に、成果1件あたりの平均購入額と粗利率の算出が必要です。数値が出ていない段階で他社の報酬額に合わせると、採算が合わなくなります。

ASPに支払う手数料

成果報酬は全額がアフィリエイターに渡るわけではありません。手数料は、ASPが仲介の対価として受け取るものです。消費者庁の資料でも、ASPは広告主から、広告主との契約で定められた手数料の支払いを受けると整理されています。

手数料の率を公開しているASPもあり、もしもアフィリエイトの公式サイトでは、かかる費用は成果報酬額の30%のみと案内されています。

予算を組む段階で計算するのは、成果報酬に手数料を上乗せした成果1件あたりの費用です。手数料を見落とすと、想定した投資対効果と実際の数字がずれます。

アフィリエイト広告の始め方

アフィリエイト広告は、ASPに申し込んだ翌日から成果が出る広告ではありません。成果の定義と計測の準備を済ませてから、提携を増やす段階に進みます。アフィリエイト広告の始め方は、以下の5つの手順です。

  • 成果地点と成果報酬額を決める
  • ASPを選んで申し込む
  • 成果計測タグを設置してテストする
  • 広告原稿と表現のルールを用意する
  • 提携アフィリエイターへの案内と運用を始める

成果地点と成果報酬額を決める

最初に決めるのは、何を成果と数えるかです。購入完了・会員登録・資料請求・無料体験の申し込みなど、事業の形によって適切な地点は変わります。

成果地点を決めたら、次の順で報酬額を計算します。

  1. 成果1件あたりの平均売上を算出する
  2. 原価と運営コストを差し引いて粗利を出す
  3. 粗利のうち広告費に充てられる上限を決める
  4. ASPの手数料を含めた金額が上限に収まる報酬額を設定する

承認と否認の基準も同じ段階で決めます。キャンセルや未入金を否認の対象にするかどうかは、後から変更するとアフィリエイターとの関係に影響します。

ASPを選んで申し込む

ASPを選ぶ段階で比較するのは、費用体系と提携できるアフィリエイターの規模です。初期費用と月額費用がかかるASPと、成果報酬の手数料だけで始められるASPがあります。判断の基準は、自社の出稿量と、成果が出るまでに見込む期間です。

申し込みはWebの申込フォームから行い、その後に広告主の審査を受けます。審査の期間はASPによって幅があるため、社内のキャンペーン開始日から逆算した申し込みが必要です。

契約前に確認したいのは、自社が出稿できる条件に当てはまるかどうかです。運営主体や出稿できるサイトの範囲に制限を設けているASPもあります。

成果計測タグを設置してテストする

成果報酬型広告は、成果を正しく計測できて初めて成立する広告です。購入完了ページや申し込み完了ページに、ASPから指定された計測タグを設置します。

設置が終わったら、本番と同じ経路でテストを行います。ASPの管理画面に用意された広告リンクを経由して、完了ページまで進み、成果が記録されるかを確認する流れです。

計測の不備は、アフィリエイターの報酬が発生しない事態に直結します。掲載を増やす前に、決済方法やデバイスを変えた複数の経路で確認しておくと安全です。

広告原稿と表現のルールを用意する

提携したアフィリエイターが使う素材は、広告主が用意します。バナー・商品画像・テキストリンクに加えて、商品説明の文面を渡すと掲載のばらつきが減ります。

素材と同時に渡したいのが、使ってはいけない表現の一覧です。景品表示法・薬機法・特定商取引法に触れる表現は、掲載された時点で広告主の問題になります。

記載する内容は次のとおりです。

  • 効果や効能について書いてよい範囲
  • 価格や特典を表示するときの条件
  • 他社商品との比較で使えない表現
  • 広告であることを示す表記の方法

提携アフィリエイターへの案内と運用を始める

準備が整った後に進めるのは、提携の承認と掲載の依頼です。ASPの管理画面からアフィリエイターへ連絡できる機能を備えたサービスもあります。もしもアフィリエイトの公式サイトでは、管理画面から直接メディアへアプローチでき、メールマガジンの配信が月10回まで無料と案内されています。

運用が始まった後に欠かせないのが、掲載面の定期的な確認です。確認の対象は、成果の多いサイトだけではありません。表現の問題は掲載数の少ないサイトでも起こります。

成果件数・成果1件あたりの費用・否認率の3つを月次で並べると、報酬額の調整が必要かどうかを判断できます。

依頼先となるASPの選び方

ASPは費用体系だけで決められません。提携できるアフィリエイターの層や、掲載面の管理をどこまで支援するかがサービスごとに異なります。依頼先となるASPの選び方は、以下の5つです。

  • 費用体系が自社の出稿規模に合うか確認する
  • 提携できるアフィリエイターの数と種類を確認する
  • 掲載面の確認を支援する体制があるか確認する
  • 契約期間と解約の条件を確認する
  • 担当者の支援範囲を確認する

費用体系が自社の出稿規模に合うか確認する

固定費のあるASPと無料のASPでは、損益が分かれる成果件数が違います。月額44,000円のASPで成果1件あたりの粗利が5,000円なら、9件目の成果から固定費を回収できる計算です。

想定する成果件数が月に数件にとどまる段階では、固定費のないASPから試す方法が現実的です。もしもアフィリエイトの公式サイトでは、初期費用と月額費用が無料で手数料は成果報酬額の30%のみと案内されています。

出稿の規模が大きくなるほど、手数料率の影響は増します。固定費と手数料の合計で比較する視点を持ちましょう。

提携できるアフィリエイターの数と種類を確認する

登録サイト数はASPの公式サイトで公開されています。バリューコマースの公式サイトでは累計90万を超えるアフィリエイトサイト、アクセストレードの公式サイトでは85万以上のサイト登録、もしもアフィリエイトの公式サイトではメディア登録81万超と案内されています。

数だけでなく種類も確認の対象です。比較サイトが強いASP・ポイントサイトが多いASP・SNSで活動する発信者が登録しているASPと、顔ぶれはさまざまです。もしもアフィリエイトの公式サイトでは、YouTubeやInstagramのインフルエンサーの登録が21,000超と案内されています。

掲載数を左右するのは、自社の商材を紹介しやすい層が登録しているかどうかです。資料請求を成果地点にするBtoBの商材と、日用品のECでは、相性のよいサイトの種類が変わります。

掲載面の確認を支援する体制があるか確認する

掲載された表示の責任は広告主に残ります。確認の作業をどこまで支援してもらえるかは、契約前に聞いておく項目です。

確認したい内容は3点あります。掲載中のアフィリエイトサイトの一覧を取得できるか・問題のある表現を見つけた場合に掲載の停止を依頼できるか・提携の解除をどの手順で行うかです。

支援の範囲はサービスによって差があります。管理画面の機能として提供されるか、担当者への依頼になるかで、運用にかかる工数が変わります。

契約期間と解約の条件を確認する

契約期間の縛りは、試験的に始める場合に効いてきます。アクセストレードの公式サイトでは、契約期間は6か月自動更新が原則との案内です。

最低契約期間のないASPもあり、もしもアフィリエイトの公式サイトでは、最低契約期間はないと案内されています。

判断のもとになるのは、成果が出るまでに見込む期間です。掲載が増えるまでに数か月かかる商材では、短期の契約で成否を判断すると早すぎる結論になります。

担当者の支援範囲を確認する

ASPによっては、担当者が提携先の開拓や報酬額の設計を支援します。afbの公式サイトでは、広告主専任のコンサルタントが要望に合わせたコンサルティングを行うと案内されています。

支援の内容は、提携先の紹介・掲載事例の共有・報酬条件の相談などさまざまです。社内にアフィリエイト広告の運用経験がない場合は、支援の厚いサービスを選ぶ方が立ち上がりは早くなります。

支援の範囲が費用に反映されている場合もあるため、月額費用の高いASPと無料のASPを比較するときは、金額だけでなく受けられる支援の差も並べて見る必要があります。

アフィリエイト広告に関わる法規制

アフィリエイト広告は、他人が書いた文章が自社の広告になる仕組みです。そのため法規制の理解が、そのまま運用体制の設計につながります。アフィリエイト広告に関わる法規制は、以下の5つです。

  • 景品表示法の不当表示と広告主の責任
  • 令和5年(2023年)10月1日に施行されたステルスマーケティング規制
  • 広告主が講じるべき表示管理の7つの措置
  • 薬機法が禁じる誇大広告
  • 特定商取引法が求める広告の表示事項

景品表示法の不当表示と広告主の責任

景品表示法は、商品やサービスの品質や価格について、一般消費者が誤認するおそれのある表示を規制する法律です。消費者庁は不当な表示を3つに分けています。実際のものより著しく優良と誤認される優良誤認表示、価格などの取引条件が著しく有利と誤認される有利誤認表示、その他誤認されるおそれのある表示として指定されたものです。

アフィリエイト広告で問題になるのは、アフィリエイターが書いた表示です。消費者庁の資料では、広告主が表示内容の決定に関与している場合の対象範囲が示されています。アフィリエイターのサイト内の表示・SNSへの投稿における表示・アフィリエイトサイトへ誘導するための広告の表示について、実際のものより著しく優良または有利と一般消費者に誤認される場合は不当表示です。

問題となる事例も具体的に示されています。十分な根拠がないのに食事制限なしで簡単にやせられると表示すること、医療関係者も勧めると表示することなどが例です。二重価格表示を行う場合は、最近相当期間に販売された実績のある同一商品の価格を比較対照価格に用いることが必要です。

令和5年(2023年)10月1日に施行されたステルスマーケティング規制

ステルスマーケティング規制は、広告であるにもかかわらず広告であることを隠す表示を不当表示とする規制です。令和5年3月28日の内閣府告示第19号で指定され、令和5年10月1日から施行されました。

規制の対象は商品やサービスを供給する事業者、つまり広告主です。消費者庁のガイドブックでは、事業者から依頼を受けて表示や制作を行う第三者、たとえばインフルエンサーやアフィリエイターは告示の規制対象外と説明されています。広告主がアフィリエイト広告を使う際にアフィリエイターに委託して自社の商品を表示させる場合は、事業者の表示に当たる例です。

表記の方法にも基準があります。消費者庁のQ&Aでは、文字のサイズや色なども踏まえて、一般消費者にとって事業者の表示であることが明瞭となっていることが必要です。広告・宣伝・プロモーション・PRといった用語が例示されていますが、本文ではなくハッシュタグの羅列にのみ記載する場合は明瞭といえない場合が多いとされています。違反した場合は措置命令の対象になり、命令の内容は公表されます。

広告主が講じるべき表示管理の7つの措置

景品表示法は、不当表示を未然に防ぐための措置を事業者に求めています。消費者庁の管理措置指針では、アフィリエイトプログラムを利用した広告を行う業態について、広告を利用する事業者がアフィリエイター等の作成する表示を確認することが必要となる場合があると示されています。

指針が示す表示等の管理上の措置は、次の7項目です。

  1. 景品表示法の考え方の周知・啓発
  2. 法令遵守の方針等の明確化
  3. 表示等に関する情報の確認
  4. 表示等に関する情報の共有
  5. 表示等を管理するための担当者等を定めること
  6. 表示等の根拠となる情報を事後的に確認するために必要な措置を採ること
  7. 不当な表示等が明らかになった場合における迅速かつ適切な対応

担当者を定める際の条件も示されています。自社の表示に関して監視・監督権限を持つこと、表示の作成を他の事業者に委ねる場合は指示・確認の権限を持つこと、景品表示法に関する知識の習得に努めていることなどです。

事業者の規模による違いにも触れられています。小規模企業者や中小企業者は、規模や業態に応じて十分な措置を講じていれば、必ずしも大企業と同等の措置は求められません。代表者が表示を管理している場合は、代表者を担当者と定めることも可能とされています。

薬機法が禁じる誇大広告

化粧品・健康食品・医薬部外品などを扱う場合に関わるのが、薬機法の広告規制です。医薬品医療機器等法第66条は、医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器・再生医療等製品の名称や製造方法や効能や効果や性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽または誇大な記事を広告し、記述し、流布することを禁じています。

条文は何人もという書き出しで始まります。規制の対象は製造販売業者に限られません。商品を紹介する側にも規制は及びます。アフィリエイターが書いた誇大な効果の記述も、法の規制対象です。

承認前の製品についての規制もあります。第68条は、承認または認証を受けていない医薬品・医療機器・再生医療等製品について、名称や製造方法や効能や効果や性能に関する広告を禁じています。

特定商取引法が求める広告の表示事項

インターネットでの通信販売は、特定商取引法の通信販売に該当します。同法第11条は、広告に表示すべき事項を定めています。販売価格と送料・代金の支払時期と方法・商品の引渡時期・申込期間・申し込みの撤回や解除に関する事項・事業者の氏名と住所と電話番号などです。

誇大広告も禁止の対象です。第12条は、著しく事実に相違する表示や、実際のものより著しく優良または有利であると誤認させる表示を禁止しています。

アフィリエイターのサイトで価格や特典に触れる場合に問われるのは、表示の正確さです。価格改定やキャンペーンの終了を提携先に伝える仕組みがないと、古い条件が掲載されたままになります。

アフィリエイト広告が向いている企業と向いていない企業

アフィリエイト広告は、どの商材でも同じ成果が出る広告ではありません。成果地点の明確さと、表示を管理する体制の有無で結果が変わります。アフィリエイト広告が向いている企業と向いていない企業の条件は、以下の2つです。

  • アフィリエイト広告が向いている企業の条件
  • アフィリエイト広告が向いていない企業の条件

アフィリエイト広告が向いている企業の条件

成果地点をWeb上で完結させられる企業は、アフィリエイト広告と相性がよいといえます。購入完了・会員登録・資料請求のように、成果の発生をシステムで記録できる形が前提になります。

成果1件あたりの粗利が確保できることも条件です。報酬額とASPの手数料を足した金額が粗利に収まらなければ、成果が増えるほど採算は悪化します。

表示を管理する担当者を置ける体制も条件です。消費者庁の管理措置指針では、小規模企業者や中小企業者は代表者を担当者と定めることも可能とされています。専任の部署がなくても、誰が掲載面を確認し、問題を見つけたときに誰が判断するかを決められる企業であれば始められます。

アフィリエイト広告が向いていない企業の条件

成果の記録がWeb上で完結しない商材は、計測の設計から難しくなります。来店や電話での商談を経て契約に至る事業では、どの時点を成果とするかの判断が付きにくくなります。

短期間で結果を求める場合も適しません。提携が増えて掲載が積み上がるまでには期間が必要で、その間も固定費は発生します。1か月から2か月で判断する前提であれば、出稿の準備にかけた工数が回収できません。

掲載面を確認する担当者を置けない状況も、導入を見送る理由になります。アフィリエイターが書いた表示の責任は広告主に向かうため、確認する人がいないまま提携数だけを増やすと、法令違反の指摘を受けるリスクを抱えたまま運用を続けることになります。

アフィリエイト広告は仕組みと表示管理をそろえてから始めましょう

アフィリエイト広告は、あらかじめ決めた成果が発生したときにだけ広告費が発生する成果報酬型の広告です。広告主・ASP・アフィリエイター・消費者の4者で成り立ち、掲載するかどうかはアフィリエイターが判断します。

検討段階で確認する内容は、次の4点です。

  • 成果地点と成果報酬額が、成果1件あたりの粗利に収まっているか
  • ASPの初期費用と月額費用、手数料を含めた費用を見込めているか
  • 掲載面を確認する担当者と手順を決められるか
  • 景品表示法、ステルスマーケティング規制、薬機法、特定商取引法に沿った表現のルールを提携先へ渡せるか

費用の実例は各ASPの公式サイトで確認できます。アクセストレードでは初期費用55,000円(税込)と月額費用44,000円(税込)、JANetでは初期費用55,000円(税込)と月額管理費用44,000円(税込)、もしもアフィリエイトでは初期費用と月額費用が無料で手数料が成果報酬額の30%と案内されています。

まずは自社の成果1件あたりの平均売上と粗利を算出し、広告費に充てられる上限額を出すところから着手してください。金額の上限が決まれば、固定費のあるASPと無料のASPのどちらから試すかの判断が付きます。

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