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Web集客とは?主な13手法の比較と自社に合う選び方・始め方を解説

Web集客・リード獲得
Web集客の方法を一覧で整理。SEO、Web広告、SNS、メールの4つの枠。

ホームページは数年前に作ったまま更新が止まり、問い合わせフォームからの連絡は月に1件あるかどうかです。SNSのアカウントも開設はしたものの、最後の投稿は半年前で止まっています。Web集客の方法を調べると、SEO・広告・SNS・MEOと手法の名前ばかりが並び、自社がどれを選ぶべきかまでは書かれていません。迷いの原因は手法の数ではなく、選ぶ順番が示されていない点です。

この記事では、Web集客の主な手法13種類の全体像、自社に合う手法の選び方、費用の考え方、始め方、よくある失敗例を解説します。記事を読めば、自社が最初に取り組む手法を1つに絞ることが可能です。Web集客は、自社の商品がどう買われているかをたどり、合う経路の手法を1つだけ選んで計測の仕組みを用意すれば動き始めます。

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Web集客とは、インターネット上の経路から見込み客を集める取り組み

Web集客とは、検索エンジン・SNS・広告・メールなどインターネット上の経路を使って、自社のサイトや店舗へ見込み客を集める取り組みを指します。見込み客とは、自社の商品やサービスを買う可能性のある相手のことです。チラシ・看板・展示会といったオフラインの集客と大きく違うのは、だれがどの経路から来て何を見たかが数値として残る点です。

数値が残ると、次の打ち手を勘ではなく結果から決められます。Googleが提供するSearch Consoleは無料のサービスで、サイトが表示されたときの検索クエリや、検索ユーザーがクリックする頻度を確認できるとGoogleは案内しています。検索クエリとは、利用者が検索窓に実際に入力した語句のことです。

始めるための金額を自社で決められるのも、Web集客の性質です。Googleビジネスプロフィールは、Googleマップと検索でのビジネスの見え方を無料で管理できるとGoogleが説明しています。Google広告についてGoogleは、1日の平均予算を広告キャンペーンごとに設定する仕組みだと案内し、1日の平均予算はいつでも編集できると明記しています。月間の請求額の上限は1日の平均予算に30.4日を掛けた金額というのが、Googleのヘルプの記載です。

一方で、経路の数が多いぶん、社内の人手と予算は分散しやすくなります。手法を並べて眺めるだけでは自社の答えは出ないため、全体像を押さえたうえで絞り込む手順が必要です。

Web集客の主な手法13種類の全体像

手法ごとに、届く相手・費用の発生の仕方・成果が見えるまでの速さは別物です。先に全体像を1枚で見比べておくと、自社に関係のない手法を早い段階で候補から外せます。Web集客の主な手法13種類の特徴は、以下の表のとおりです。

手法 主に届く相手 費用のかかり方 成果が見えるまでの速さ
SEO 検索で能動的に調べている人 出稿費用は不要。制作と改善の手間がかかる 遅い
MEO(Googleビジネスプロフィール) 近くで店舗や事業所を探している人 登録と運用は無料 中くらい
リスティング広告 検索で能動的に調べている人 クリック課金。1日の平均予算を自社で設定 速い
ディスプレイ広告 まだ課題を言語化していない層 クリック課金または表示課金 速い
SNS運用 日常的に情報に触れている層 投稿の制作と運用の人手 遅い
SNS広告 属性や関心で絞り込んだ層 クリック課金または表示課金 速い
動画マーケティング 使い方や比較を映像で確かめたい人 撮影と編集の手間 遅い
プレスリリース配信 報道関係者と業界メディアの読者 配信サービスの利用料 中くらい
ポータルサイト・比較サイト 候補を横並びで比べている人 掲載料または成果報酬 中くらい
アフィリエイト広告 提携メディアの読者 成果報酬とASPの利用料 中くらい
メール配信 すでに接点のある見込み客 配信サービスの月額 速い
LINE公式アカウント 友だち登録をした見込み客 月額とメッセージの通数 速い
ウェビナー・オンラインイベント 検討中で情報を集めている法人 配信ツールと集客の費用 中くらい

13種類は、届くタイミングで3つのかたまりに分かれます。検索から集める手法は、相手が自分から探している瞬間をとらえる手法です。SNS・動画・外部メディアから集める手法は、まだ探していない相手に気づいてもらう手法にあたります。すでに接点のある相手へ届ける手法は、一度つながった相手を再訪問させる手法です。

同じ「Web集客」の言葉でも、3つのかたまりは目的も評価の仕方も別になります。自社に足りないのがどのかたまりかを見きわめると、候補は一気に絞れます。

検索から集めるWeb集客の手法

検索から集める手法は、主に相手がすでに困りごとや欲しいものを言語化している段階で接触します。買う意思に近い相手が集まりやすく、問い合わせや来店につながる比率が高くなりやすい領域です。なお、ディスプレイ広告は検索語句ではなく閲覧中のページや利用者の関心で配信されますが、検索広告と同じGoogle広告の管理画面から出稿できるため、ここで扱います。検索から集めるWeb集客の手法は、次の4つです。

  • SEO
  • MEO(Googleビジネスプロフィール)
  • リスティング広告
  • ディスプレイ広告

SEO

SEOは、検索結果に自社のページを表示させて、広告費をかけずに流入を得る手法です。Googleは検索セントラルのスターターガイドで、SEO(検索エンジン最適化)を、検索エンジンにコンテンツを理解させ、利用者が検索エンジンからサイトを見つけてアクセスすべきかどうかを判断できるようにする取り組みと定義しています。Google検索での存在感を高める取り組みだという説明もあわせて書かれています。

評価の軸は、検索エンジン向けの小細工ではなく内容の有用性です。Googleは、有用で信頼性が高くユーザーを第一に考えているコンテンツを重視すると案内しています。検索エンジンからのアクセス増加を主な目的として作られたコンテンツは見直すよう求めており、ランキングの操作を目的とした自動化による大量生成はスパムに関するポリシー違反にあたるという記載もあります。

Googleは、ランキングシステムがさまざまな要因を組み合わせて、エクスペリエンス(経験)・高い専門性・権威性・信頼性を備えたコンテンツを特定しており、中でも信頼性が最も重要だと説明しています。自社の実務でしか書けない事例や数値を出し、書き手と情報源を明らかにするほど、4つの観点は満たしやすくなります。

注意すべきなのは、即効性がない点です。Googleはスターターガイドで、変更を加えてから数週間待って検索結果への影響を確認するようすすめ、数時間で反映される変更もあれば数か月かかる変更もあると説明しています。

MEO(Googleビジネスプロフィール)

MEOは、Googleマップや検索のローカル検索結果に自社の店舗・事業所を表示させる手法です。Googleビジネスプロフィールへ登録すると、営業時間・ウェブサイト・電話番号・営業地域などを最新の状態に保ち、Googleマップと検索へ表示できるとGoogleは案内しています。写真や動画の投稿、クチコミの収集と返信も可能です。

対象になるビジネスの範囲は決まっています。Googleの説明では、実店舗で対面サービスを提供するビジネスや訪問型サービスが対象で、オンラインのみのビジネスや、販売・賃貸中の物件そのものは対象外とされています。商圏が地域に限られる事業ほど、費用をかけずに効果を得やすい手法です。

掲載順位の決まり方も公開されています。Googleは、ローカル検索結果の掲載順位が関連性・距離・知名度の3つで決まると説明しています。関連性は検索語句とビジネスプロフィールが合致する度合い、距離は検索しているユーザーから各ビジネス拠点までの距離、知名度はビジネスがどれだけ広く知られているかを指し、知名度はリンク数やクチコミ数などに基づくという案内です。

順位を金銭で動かすことはできません。Googleは、ランキングを上げるためのリクエストや金銭の受け取りには一切応じていないと明記しています。順位の保証をうたう業者の提案は、公式の記載と矛盾する内容です。

リスティング広告

リスティング広告は、検索結果の上部などに「広告」の表示つきで出稿する手法です。検索語句を指定して出せるため、自社の商品を今まさに探している相手にだけ配信できます。掲載は出稿を始めた日から始まり、SEOのように評価が積み上がるのを待つ必要がありません。

課金の単位はクリックです。Googleは入札を、広告のクリック1回に対して最大でいくらまで支払ってよいかという上限の金額を決めて設定することだと説明しています。始めたばかりで入札額に不安がある場合は、入札額の上限を設定することをすすめるとの案内もあります。

使う金額の上限を決めるのは自社です。Googleのヘルプでは、1日の平均予算をアカウントのそれぞれの広告キャンペーンに配分できる1日あたりの平均金額と説明し、月間の請求額の上限は1日の平均予算に30.4日を掛けた金額になると記載しています。1日単位では平均予算の最大2倍まで配信が発生する可能性がある点も明記されています。

出稿を止めれば流入も止まる性質は、SEOとの決定的な違いです。短期で反応を確かめる用途と、長期で資産を作る用途を混同しないことが重要になります。混同すると、広告費を止めた月に問い合わせが消えて「Web集客は効果がなかった」という誤った結論に着地するからです。

ディスプレイ広告

ディスプレイ広告は、ウェブサイトやアプリの広告枠に画像・動画・テキストを表示する手法です。検索語句ではなく、閲覧しているページの内容や利用者の属性・関心にもとづいて配信されます。自社の商品名やカテゴリ名をまだ知らない相手にも届く点が、リスティング広告との違いです。

適した使いどころは、認知の獲得と再訪問の促進の2つに分かれます。一度サイトを訪れた相手へ再度広告を表示するリターゲティング配信は、検討期間が長い商材で使われます。買う直前の相手だけを狙う手法ではないため、クリック数や問い合わせ数だけで評価すると成果を見誤りやすい領域です。

出稿の準備には、検索広告にはない作業が加わります。表示する画像やバナーの制作が必要になり、社内にデザインの担当がいない場合は外部の制作費が発生します。

SNS・動画・外部メディアから集めるWeb集客の手法

SNS・動画・外部メディアの手法は、まだ自社を探していない相手に気づいてもらうために使います。検索から集める手法だけでは、自社の商品名やカテゴリ名を知らない層には永久に届きません。SNS・動画・外部メディアから集めるWeb集客の手法は、以下の6つです。

  • SNS運用
  • SNS広告
  • 動画マーケティング
  • プレスリリース配信
  • ポータルサイト・比較サイト
  • アフィリエイト広告

SNS運用

SNS運用は、自社のアカウントから継続的に投稿し、フォロワーとの接点を積み上げる手法です。アカウントの開設と投稿に費用はかからず、かかるのは制作と運用の人手になります。

利用の広がりは、公的な調査でも確認が可能です。総務省の令和7年版情報通信白書によると、LINEの利用率は2014年の55.1%から2024年には94.9%へ拡大し、60代でも2014年の11.3%から2024年には91.1%へ上昇しています。年代を問わず日常の連絡手段になっているのが現状です。

成果が出るまでには時間がかかります。投稿を始めた初期はフォロワーが少なく、届く相手の数自体が限られるからです。担当者を決めずに手が空いた人が投稿する体制にすると、更新が止まって放置アカウントになります。

投稿の内容を決める基準は、自社が売りたいものではなく相手が知りたいことです。商品の告知だけを並べたアカウントは、フォローする理由が生まれません。

SNS広告

SNS広告は、SNSのタイムラインやストーリーズなどの枠に広告を配信する手法です。年齢・地域・興味関心といった条件で配信先を絞り込めるため、自社の顧客像が明確なほど無駄打ちが減ります。

SNS運用との役割の違いは、届く速さです。自社アカウントの投稿は基本的にフォロワーへ届くのに対し、広告はフォロワー以外へ初日から配信できます。アカウントを育てながら広告で当たりを探る組み合わせも可能です。

評価の仕方には注意が必要になります。SNS上で見られる数値と、自社サイトでの問い合わせ数は別の指標です。表示回数やいいねの数だけを追うと、売上につながらない配信に予算を使い続けることになります。

動画マーケティング

動画マーケティングは、YouTubeなどに自社の動画を公開し、検索と関連動画から視聴者を集める手法です。使い方の手順・施工の様子・機器の操作など、文章と写真では伝わりにくい内容ほど向いています。

制作の負荷は、他の手法より大きくなります。撮影・編集・公開の3工程があり、1本あたりの所要時間が長くなるためです。社内に機材と担当者がない状態で始めると、数本で止まります。

作った動画は、他の経路でも再利用できます。自社サイトの商品ページへの埋め込み、SNSへの短い切り出し、営業資料への添付が可能です。1本の制作費を1経路だけで回収しようとしない設計が現実的になります。

プレスリリース配信

プレスリリース配信は、新商品・新サービス・調査結果などの情報を報道機関やメディアへ届ける手法です。配信サービスを使うと、媒体のリストへまとめて送付できます。掲載されれば自社サイト以外の場所に情報が載り、被リンクや指名検索の増加につながります。

掲載の可否を決めるのは自社ではなく媒体です。送った内容が媒体にとってニュースかどうかで判断されるためです。広告と違って掲載を金銭で確約できない点は、予算計画に織り込む必要があります。

ニュース性のない内容を繰り返し送るのは逆効果です。媒体側の信頼を失い、本当に伝えたい情報が読まれなくなります。

ポータルサイト・比較サイト

ポータルサイトと比較サイトは、同じ業種の事業者を一覧で掲載する外部の媒体です。飲食・美容・不動産・人材・BtoBのツール比較など、業種ごとに主要な媒体があります。自社サイトを育てていない段階でも、媒体の集客力をそのまま借りられるのが利点です。

費用は掲載料か成果報酬で発生します。掲載を続ける限り費用がかかるため、1件の問い合わせを獲得するのにいくらかかっているかを自社で把握する必要があります。媒体側の順位づけや表示枠の条件は媒体が決めるため、自社でコントロールできる範囲は限定的です。

依存の度合いには線を引いておきます。媒体の方針変更や手数料改定で問い合わせ数が急に変わる可能性があるからです。媒体経由で得た顧客を自社の接点へ移す設計をあわせて用意します。

アフィリエイト広告

アフィリエイト広告は、提携したメディアが自社の商品を紹介し、成果が発生したときに報酬を支払う手法です。ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)と呼ばれる仲介事業者を通じて、広告主とメディアが提携します。申し込みや購入といった成果地点に対して支払うため、費用が発生する条件を自社で決められます。

見落とされやすいのが、表示のルールにかかる法規制です。消費者庁はステルスマーケティング規制について、令和5年10月1日に施行されたと案内しています。規制の対象は商品・サービスを供給する事業者で、広告であるにもかかわらず広告であることを隠すこと、つまり一般消費者が広告であることを分からないものが規制されるとされています。

責任の所在も公表済みです。消費者庁は、企業から広告・宣伝の依頼を受けたインフルエンサー等の第三者は規制の対象とはならないと明記しています。提携メディアの表示であっても、広告主である自社が説明を求められる立場になります。提携時のルール提示と掲載内容の確認は、自社側の業務です。

すでに接点のある相手へ届けるWeb集客の手法

新規の獲得だけを追いかけると、一度接点を持った相手が抜け落ちます。資料請求や来店を経験した相手は、自社を知らない相手より次の行動につながりやすい層です。すでに接点のある相手へ届けるWeb集客の手法は、次の3つです。

  • メール配信
  • LINE公式アカウント
  • ウェビナー・オンラインイベント

メール配信

メール配信は、自社が保有する宛先へ案内を直接届ける手法です。配信のたびに媒体へ費用を払う必要がなく、届ける相手を自社で管理できます。名刺交換・資料請求・購入で得た宛先が資産になります。

配信に使うのは専用のサービスです。ブラストメールの公式サイトでは、Lightプランが月額4,000円(税抜)で登録アドレス数0〜5,000件、Standardプランが月額8,000円(税抜)からと案内されています。初期費用は10,000円で、1年契約の場合は5,000円になるとの記載もあります。

宛先を集める仕組みが必要になるのは、配信の前です。サイトに登録の窓口がない状態では、配信できる相手が増えません。資料のダウンロードやメールマガジンの登録フォームを設置し、取得の目的を明示したうえで同意を得て集めます。

LINE公式アカウント

LINE公式アカウントは、友だち登録をした相手へメッセージを届ける手法です。メールより開封されやすい傾向があり、店舗の予約やクーポンの配布と相性がよい経路です。

料金は通数に応じた設計になっています。LINEヤフーの公式サイトでは、コミュニケーションプランが月額固定費0円で無料メッセージ200通、ライトプランが月額固定費5,000円(税別)で5,000通、スタンダードプランが月額固定費15,000円(税別)で30,000通と案内されています。スタンダードプランでは追加メッセージが1通あたり3円(税別)以下で、配信数に応じて段階的に変わるとの記載です。

配信の頻度は抑えぎみに設計します。通知が届く距離の近い経路であり、頻度が高いとブロックにつながるためです。全員へ同じ内容を送るのではなく、購入履歴や興味で分けて送る運用が効きます。

ウェビナー・オンラインイベント

ウェビナーは、オンラインで開催するセミナーです。法人向けの商材や、説明に時間がかかる商材で使われます。参加の申し込み時に会社名・担当者名・連絡先が得られ、当日の視聴時間や質問の内容から関心の高さも把握できます。

集客の成否が決まるのは開催の前段です。開催を告知しただけでは人は集まらず、メール配信・SNS・広告といった他の経路との組み合わせが前提になります。単独で成立する手法ではないのが実情です。

開催後の連絡までを設計に含めます。参加者へ資料と録画を送り、個別相談の窓口を案内するところまでが一連の流れです。

自社に合うWeb集客の手法の選び方

13種類を全部やる体力のある中小企業は、ほとんどありません。選ぶ基準を先に決めておくと、社内で「SNSもやったほうがいいのでは」という話が出たときにも判断がぶれなくなります。自社に合うWeb集客の手法の選び方は、以下の5つの観点です。

  • 集客の目的を1つに決める
  • 自社の商品の買われ方から逆算する
  • 商圏の広さで候補を絞る
  • 使える予算と社内の人手で絞る
  • 成果が見えるまでの速さで組み合わせる

集客の目的を1つに決める

最初に決めるのは、集めた相手にどうなってほしいかです。問い合わせを増やしたいのか、来店を増やしたいのか、採用の応募を増やしたいのかで、選ぶ手法は変わります。目的が定まらないまま手法から入ると、評価の基準がないため続けるかどうかの判断もできません。

目的の書き方で決定的なのは、数を入れることです。「問い合わせを増やす」ではなく「問い合わせを月10件にする」と書くと、必要な流入数の見当がつきます。現在の問い合わせ数と、サイトに来た人のうち問い合わせに至った比率がわかれば、逆算が可能です。

複数の目的を同時に置かないようにします。認知の拡大と問い合わせの獲得では、適した手法も評価する数値も違うからです。

自社の商品の買われ方から逆算する

すでに売れている商品が、今どの経路で買われているかを確認します。既存顧客に「何で当社を知りましたか」と聞くのが、最も確度の高い情報源です。紹介が中心なのか、検索なのか、業界の媒体なのかで、伸ばすべき経路が決まります。

検索で見つかっている場合に確認するのは、探されたときの語句です。Search Consoleでは、サイトが表示されたときの検索クエリと、検索ユーザーがクリックする頻度を確認できるとGoogleは案内しています。すでに表示はされているのにクリックされていない語句があれば、ページの題名と説明文の見直しが先の打ち手です。

検討にかかる期間も確認します。その場で決まる商品なら検索とMEOが軸になり、数か月かけて比較される商品ならメール配信やウェビナーで関係を保つ設計が要ります。

商圏の広さで候補を絞る

商圏が地域に限られる事業は、全国向けの手法へ予算を割く意味が薄くなります。店舗型や訪問型のサービスなら、Googleビジネスプロフィールの整備が費用対効果の面で先に来ます。登録と運用が無料であり、Googleマップと検索での見え方を無料で管理できるとGoogleが案内しているからです。

全国を対象にする事業では、地域の制約がないぶん競合の数が増えます。検索の上位が大手で埋まっている領域では、用途や業種を絞った語句から取りに行く判断が必要です。

BtoBの商材では、地域より業種と役職で絞るほうが実態に合います。SNS広告の配信条件や、業界の媒体への掲載が候補に上がります。

使える予算と社内の人手で絞る

予算と人手は、別々に数えます。広告は費用をかければ配信できますが、SEOとSNS運用は費用をかけても社内の時間が要るからです。月に何時間をWeb集客に使えるかを先に出しておくと、選べる手法は自動的に絞られます。

社内の時間がほとんど取れない場合は、出稿で完結する手法から始めます。Google広告は1日の平均予算を自社で設定でき、いつでも編集できるとGoogleが案内しているため、小さく始めて止める判断もしやすい手法です。

人手はあるが予算が限られる場合は、逆の選択になります。Googleビジネスプロフィールの整備、自社サイトの既存ページの改善、SNSでの発信が候補です。

成果が見えるまでの速さで組み合わせる

速い手法と遅い手法では、担う役割が別です。広告は出稿した日から配信が始まる一方、SEOは変更の反映に数時間から数か月かかるとGoogleが説明しています。どちらか一方だけでは、短期の売上と長期の資産のどちらかが欠けます。

現実的な順番は、速い手法で反応を確かめてから遅い手法へ投資する流れです。広告でどの語句から問い合わせが来るかがわかれば、SEOで作るページの優先順位も決まります。逆の順番では、成果の出ないページを数か月かけて増やす結果になりがちです。

最初は1つに絞り、軌道に乗ってから2つ目を加えます。同時に動かす手法は2つまでに抑えます。数を増やすほど1つあたりに使える時間が減り、どれも中途半端な状態で止まるからです。

Web集客にかかる費用の考え方

費用は手法ごとにばらばらで、同じ手法でも社内でやるか外部に出すかで変わります。金額そのものより、どこにお金が発生するのかを分けて考えると判断しやすくなります。Web集客にかかる費用の考え方は、次の3つです。

  • 費用が発生する場所を3つに分けて把握する
  • 無料で始められる範囲から着手する
  • サービスの公式料金を実額で確認する

費用が発生する場所を3つに分けて把握する

Web集客の費用は、出稿費・制作費・運用費の3つに分かれます。出稿費は広告の配信に払う費用、制作費はページ・バナー・動画を作る費用、運用費は日々の更新と分析にかかる人件費や外部への委託費です。3つを分けずに合計だけを見ると、どこを削ればよいかがわかりません。

最も削りやすいのは出稿費で、止めれば流入も同時に止まる性質です。制作費は初期に集中し、作ったものは残ります。運用費は毎月かかり続けるかわりに、成果を改善する部分です。

社内の人件費も費用として数えます。担当者が月に20時間使っているなら、20時間は他の業務に使えなかった時間です。無料の手法ほど、人件費が見えにくくなります。

無料で始められる範囲から着手する

出稿費をかけずに始められる手法は複数あるのが実際です。Googleビジネスプロフィールは、Googleマップと検索でのビジネスの見え方を無料で管理できるとGoogleが案内しています。Search ConsoleもGoogleの無料サービスで、検索での表示状況を確認できるとされています。

自社サイトの既存ページの改善も、出稿費が不要な打ち手です。すでに表示されている語句がわかれば、語句に合わせて内容を書き足す作業から始められます。新しいページを大量に作るより優先度の高い作業です。

SNSのアカウント開設と投稿にも、出稿費はかかりません。ただし継続には人手が要るため、無料と無償は別だと理解して着手します。

サービスの公式料金を実額で確認する

ツールやサービスの料金を確認する場所は、提供元の公式サイトです。ブラストメールの公式サイトでは、メール配信のLightプランが月額4,000円(税抜)で登録アドレス数0〜5,000件と案内されています。LINEヤフーの公式サイトでは、LINE公式アカウントのコミュニケーションプランが月額固定費0円で無料メッセージ200通、ライトプランが月額固定費5,000円(税別)で5,000通と案内されています。

ネットショップの開設についても、公式の料金表が公開済みです。Shopifyの公式サイトでは、Basicプランが月払いで月額4,850円、年払いで月額3,650円との案内です。顧客管理やメール配信をまとめて行うツールにも、無料の範囲があります。

HubSpotの公式サイトでは、Marketing Hubに月額0円のFreeプランが用意され、Starterプランは月払いで月額2,400円と案内されています。金額は改定されるため、検討の段階では公式ページを開いて確認するのが前提です。

Web集客の始め方

手法を選んだ後に動き出せない原因の多くは、順番が決まっていないことにあります。作業を工程に分けておくと、担当者が変わっても同じ手順で進められます。Web集客の始め方は、以下の4つの工程です。

  • 現状の流入と問い合わせ数を数える
  • 目的と数値目標を1つ決める
  • 手法を1つ選んで小さく試す
  • 計測と改善の頻度を決める

現状の流入と問い合わせ数を数える

着手前に、いまの数値を記録します。手順は次のとおりです。

  1. サイトのアクセス解析を導入し、月間の訪問数を確認する
  2. Search Consoleを登録し、表示されている検索クエリを書き出す
  3. 直近3か月の問い合わせ数と、流入した経路を集計する
  4. 問い合わせに至った件数を訪問数で割り、現在の比率を出す

記録がないまま施策を始めると、効果があったかどうかを後から証明できません。問い合わせの流入経路は、フォームに「どこで当社を知りましたか」の選択欄を足すだけで集まり始める項目です。

数値が極端に少なくても、そのまま記録します。増減の起点になるのは、良い数値ではなく正確な数値です。

目的と数値目標を1つ決める

現状の数値が出たら、達成したい状態を1つだけ決めます。「問い合わせを月10件にする」のように、期限と数を入れた形にします。数の入っていない目標では、達成の判定が不可能です。

目標から必要な流入数を逆算します。訪問数のうち問い合わせに至る比率が1%なら、月10件には1,000回の訪問が必要という計算です。必要な訪問数が現状から大きく離れている場合は、比率の改善を先に置く判断もあります。

決めた目標の共有先は社内全体です。担当者だけが知っている目標は、施策の優先順位を巡る議論のときに効力を持ちません。

手法を1つ選んで小さく試す

選び方の観点で残った候補から、1つだけ着手します。同時に複数を始めると、成果が出たときも出なかったときも原因の特定が不可能です。広告であれば少額の1日の平均予算から配信し、SEOであれば既存ページの改善から着手します。

試す期間も、あらかじめ決めておくべき項目です。広告は数週間で反応の有無が見え、SEOはGoogleが数時間から数か月かかると説明しているため、同じ物差しでは測れません。手法ごとに評価の時期を決めてから始めるのが前提です。

想定と違う結果が出たら、手法ではなく設定から見直します。広告なら配信する語句と遷移先のページ、SEOなら対象の語句と内容の過不足が先の確認対象です。

計測と改善の頻度を決める

数値を見る日を、あらかじめカレンダーに入れます。週に1度は流入数と問い合わせ数、月に1度は経路ごとの内訳と費用を確認する形が続けやすい頻度です。見る日が決まっていないと、忙しい月に確認が飛びます。

見る項目は絞ります。増やしすぎると読み解く時間が足りず、結局どれも見なくなるからです。訪問数・問い合わせ数・1件あたりの費用の3つがあれば、続けるか変えるかの判断はできます。

改善は1回に1か所ずつが原則です。同時に複数を変えると、どの変更が効いたのかがわからなくなります。

Web集客でよくある失敗例

失敗の型は、業種を問わず似通っています。先に知っておくと、同じ場所で時間と予算を失わずに済みます。Web集客でよくある失敗例は、次の5つです。

  • 複数の手法を同時に広げて手が回らなくなる
  • 計測の仕組みを用意しないまま始める
  • 成果が出るまでの期間を見誤って途中でやめる
  • 外部へ任せきりにして中身を把握しない
  • クチコミや広告表示で法規制に触れる

複数の手法を同時に広げて手が回らなくなる

SEOもSNSも広告も動画も同時に始める進め方は、中小企業で最も起きやすい失敗です。担当者が1人か2人の体制では、1つあたりに割ける時間が数時間まで減ります。どの手法も効果を判断できる水準に届かないまま、半年が過ぎます。

手を広げすぎた進め方は、成果が出ないという結論だけを残す結果です。実際には手法が合わなかったのではなく、着手した量が足りなかっただけです。撤退の判断まで誤るため、次の打ち手も決まりません。

止める手法を決めるのも仕事のうちです。3か月動かして数値が動かない手法は、いったん外して1つに集中します。

計測の仕組みを用意しないまま始める

アクセス解析もSearch Consoleも入れずに施策を始めると、判断の材料が残りません。問い合わせが増えたときも、どの経路が効いたのかを説明できない状態になります。翌年の予算配分も勘頼みです。

Search ConsoleはGoogleの無料サービスであり、サイトが表示されたときの検索クエリやクリックの頻度を確認できるとGoogleは案内しています。導入に費用がかからないため、後回しにする理由はないツールです。

問い合わせフォームの送信をどう数えるかも、着手前に決めます。フォームの完了ページを記録する設定を用意しておくと、後から遡って集計する手間がなくなります。

成果が出るまでの期間を見誤って途中でやめる

SEOとSNS運用は、着手からしばらく数値がほとんど動きません。Googleはスターターガイドで、変更を加えてから数週間待って検索結果への影響を確認するようすすめ、数時間で反映される変更もあれば数か月かかる変更もあると説明しています。1か月で判断すれば、ほぼ確実に「効果なし」という結論です。

期間の見積もりは、着手前に社内で合意しておきます。決裁者が短期の数値を求める場合は、広告のような速い手法を並行させて、当面の数値を確保する設計が現実的です。

逆に、広告の評価を長く待ちすぎるのも損失になります。配信した語句とページの組み合わせが合っていなければ、数か月続けても結果は変わりません。

外部へ任せきりにして中身を把握しない

社内に知見がない状態で外部へ委託すると、認識がずれたまま進むことがあります。何をどこまで実施しているかを自社で説明できない状態は、契約が終わったときに何も残らない状態です。

順位の保証をうたう提案には注意が必要です。Googleは、Google検索で一番上に掲載されることは誰にも保証できないと明記し、サイトの掲載順位を保証すると主張する業者には注意が必要だと案内しています。Googleはローカル検索についても、ランキングを上げるためのリクエストや金銭の受け取りには一切応じていないと説明しています。

委託先を検討する際の確認事項も、Googleの公開情報です。過去の作業のサンプルと成功事例を紹介してもらえるか、サイトに加えたすべての変更に関する情報とアドバイスの内容の理由を提供してもらえるかが挙げられています。

クチコミや広告表示で法規制に触れる

自作自演のクチコミや、広告であることを伏せた紹介記事は、法規制の対象です。消費者庁は、ステルスマーケティング規制が令和5年10月1日に施行され、商品・サービスを供給する事業者を対象とすると案内しています。広告であるにもかかわらず広告であることを隠すこと、つまり一般消費者が広告であることを分からないものが規制されるとの説明です。

責任は自社に残ります。消費者庁は、企業から広告・宣伝の依頼を受けたインフルエンサー等の第三者は規制の対象とはならないと明記しています。提携メディアやインフルエンサーへ依頼する場合に必要なのは、広告である旨の表示を先にルールとして伝えることです。

Googleの評価の観点でも、検索順位を目的とした内容は不利になります。Googleは、検索エンジンからのアクセス増加を主な目的として作られたコンテンツは見直すよう求めており、ランキングの操作を目的とした自動化による大量生成はスパムに関するポリシー違反にあたると説明しています。

Web集客は自社の買われ方に合う手法を1つ選んで始めましょう

Web集客の手法は13種類ありますが、中小企業が最初に取り組むのは1つで足ります。決め手になるのは手法の人気ではなく、自社の商品が実際にどう買われているかです。既存顧客がどこで自社を知ったかをたどれば、伸ばす経路は自然と絞られます。

この記事で解説した要点は、以下のとおりです。

  • 手法は、検索から集める・気づいてもらう・接点のある相手へ届けるの3つに分かれる
  • 選ぶ基準は、目的・買われ方・商圏・予算と人手・成果までの速さの5つ
  • 費用は出稿費・制作費・運用費に分け、無料で始められる範囲から着手する
  • 始め方は、現状の計測から目標設定、1手法の試行、計測と改善の順に進める
  • 失敗の型は、手を広げすぎ・計測なし・期間の見誤り・丸投げ・法規制違反の5つ

着手の順番を守れば、社内の人手が限られていてもWeb集客は前に進みます。Googleビジネスプロフィールの登録とSearch Consoleの導入はどちらも無料であり、今日から手をつけられます。まずは現状の訪問数と問い合わせ数を数えるところから始めましょう。

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