
営業から「商談にできるリードが足りない」と言われ、展示会とWeb広告の予算を積み増しても、獲得できた件数は先月とほとんど変わりません。資料請求した会社の資料を机に並べると、会員データベースを持つ媒体、月額制のツール、施策の実行を引き受ける代行会社が、どれも同じ「リード獲得サービス」の名前で並んでいます。価格表を横に並べても比較できないのは、各社が引き受けている工程がそもそも違うからです。
この記事では、リード獲得サービスの種類、メリットとデメリット、選び方、費用の見方、契約前に確認したい注意点を解説します。記事を読めば、資料請求した複数社を同じ軸に載せた比較が可能です。リード獲得サービスは、自社が埋めたい工程と、社内で運用できる人がいるかどうかの2点で絞り込めます。
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リード獲得サービスとは見込み顧客の連絡先を集める工程を外部に任せる仕組み
リード獲得サービスとは、見込み顧客の連絡先を集める工程の一部または全部を、外部の商品やサービスで埋める仕組みを指します。HubSpotは、リード獲得を将来的に顧客になり得る見込み客を創出する行為と定義し、名刺や連絡先の交換、フォームへの入力などによって見込み客の情報を取得する方法全般としています。リードとは、自社の商品やサービスに関心を示した個人や企業の連絡先情報のことです。
同じ名前で呼ばれていても、サービスが引き受ける工程は大きく異なります。媒体が抱える会員の中から連絡先を集めて渡す媒体、集める作業と集めた後の管理を自動化するツール、施策の実行そのものを引き受ける代行会社が、同じ棚に並んでいる状態です。比較の前に、自社がどの工程で詰まっているのかを言葉にしておく必要があります。
リード獲得サービスの3つの種類
資料請求の前に種類を押さえておくと、必要な会社にだけ声をかけられます。種類がわからないまま手当たり次第に資料請求すると、比べる軸のない資料が積み上がり、社内での検討が止まります。リード獲得サービスの種類は、以下の3つです。
- 媒体型は媒体が持つ会員データベースからリードを集めて提供する
- ツール型はリードの獲得と管理の作業を自動化する
- 代行型は施策の実行を引き受ける
媒体型は媒体が持つ会員データベースからリードを集めて提供する
媒体型は、専門メディアが自社で抱える会員の中から条件に合う相手を探し、連絡先を提供するサービスです。自社サイトへの流入がまだ少ない段階でも、会員数の多いメディアの読者へ直接届けられます。
アイティメディアは、リード獲得サービスとして3つのラインナップを公式サイトで案内しています。業種・職種・従業員規模などを指定してハウスリストの拡充やアプローチ先の確保を行うもの、在籍確認済みのリード提供やテレマーケティングによってリードを獲得するもの、同社が代わってアプローチし商材への関心や商談合意を取るものの3種類です。実施の流れは、ヒアリング、コンテンツの準備、メール誘導を中心とした施策の3ステップと説明されています。ハウスリストとは、自社がすでに保有している見込み顧客の連絡先リストのことです。
日経BPマーケティングの公式サイトでは、1000万人の顧客データベースから決裁者に直接リーチするサービスが案内されています。同社の説明によると、データベースの構成は役職層が約6割、従業員数1,000人以上が約5割です。具体的な手段としては、人事担当者向けイベントの開催、ホワイトペーパーのダウンロード型・動画閲覧型・アンケート型の広告企画、記事タイアップの掲載が挙げられています。ホワイトペーパーとは、課題の解決方法や調査結果をまとめ、ダウンロードと引き換えに連絡先を受け取るための資料のことです。
媒体型で確認したいのは、その媒体の読者が自社の売りたい相手と重なっているかどうかです。読者数の多さよりも、業種や役職での絞り込みがどこまで効くかが成果を左右します。
ツール型はリードの獲得と管理の作業を自動化する
ツール型は、フォームの作成から獲得後のメール配信、優先順位づけまでを1つの画面で行うサービスです。多くはMAツールと呼ばれる商品です。HubSpotはマーケティングオートメーションを、見込み客の獲得・育成・選別といったマーケティング活動を自動化・効率化するためのツールや仕組みと説明しています。
HubSpotの解説では、MAツールの機能が3つの段階に分けて整理されています。機能の内訳は以下のとおりです。
- 獲得の段階:SEO管理、広告連携、ランディングページ作成、フォーム作成、ポップアップ表示
- 育成の段階:コンテンツ管理、アクセス解析、セグメント配信、ステップメール配信
- 選別の段階:リード管理・分析、スコアリング
スコアリングとは、見込み客の属性や行動に点数を付け、営業が先に接触する相手を決める機能です。同社は導入によって、顧客データの一元管理と活用、見込み客ごとに最適化したアプローチ、営業とマーケティング部門の連携強化、商談化率・成約率の向上が可能になると案内しています。
ツール型は、リードを集める手段そのものではなく、集めたリードを取りこぼさない仕組みです。フォームへの流入がまだ少ない段階で高機能なツールを契約すると、機能の大半が使われないまま月額だけが発生します。
代行型は施策の実行を引き受ける
代行型は、広告の運用やコンテンツの制作、電話でのアプローチといった施策の実行を外部の会社が引き受けるサービスです。社内に担当者を増やさずに施策の数を増やせる点が特徴です。
代行会社によっては、月間のサイト流入数などの実施条件を設けている場合があります。見込み客の行動データから優先順位を付けるスコアリングのように、データを一定期間ためてから動き出す機能もあります。
代行型の中には、広告主と掲載先のメディアを直接つなぐ形もあります。SINCEEDでは、広告主とメディアを直接提携させる体制を取っており、最短2週間での掲載開始が可能です。間に入る事業者が少ない分、訴求の修正や掲載先の調整を早く進められます。
代行型を検討するときは、依頼できる範囲が施策の実行までなのか、成果の設計まで含むのかを最初に聞く必要があります。実行だけを切り出して依頼すると、施策は動いても社内で判断する材料が増えません。
リード獲得サービスを利用するメリット
外部のサービスを使う理由は、人手の不足を埋めるだけではありません。自社では持てない資産と、自社では回せない作業量を借りられる点に価値があります。リード獲得サービスを利用するメリットは、以下のとおりです。
- 社内の人数を増やさずにリードの獲得数を増やせる
- 自社にない会員データベースへ届けられる
- 手作業だったメール配信とリード管理を自動化できる
- 試したことのない手法を短期間で試せる
代行サービスには、少ないリソースでリード獲得数を増やせる、Webサイトやバナーの制作まで任せてサイトを改善できる、さまざまな獲得手法を試せるといった利点があります。社内の担当者が1人か2人の体制では、手法を1つ試すだけでも長い期間が必要です。外部に実行を渡すと、同じ期間で複数の手法を並行して回せるようになります。
会員データベースを借りられる点も、媒体型ならではの利点です。自社サイトの検索流入を増やすには記事の蓄積と時間が必要ですが、媒体型は初月から対象の読者へ届けられます。
自動化で変わるのは、獲得件数よりも取りこぼしの数です。フォームから届いた問い合わせを手作業で表計算ソフトへ転記している状態では、対応の遅れや重複が起こりやすくなります。
リード獲得サービスのデメリット
利点の裏側には、費用の構造と社内への蓄積に関する弱点があります。契約後に気づくと予算の組み替えが効かないため、検討の段階で目を通しておきましょう。リード獲得サービスのデメリットは、以下の3つです。
- 代行型では中間マージンと運用費が上乗せされる
- 社内にリード獲得のノウハウが残りにくい
- やり取りの工数と立ち上がりの期間がかかる
代行型では中間マージンと運用費が上乗せされる
代行型に広告の運用を任せる場合、広告費のほかに代行会社への費用が必要です。広告などを活用する場合は、中間マージンが発生します。
同じ予算でも、広告媒体へ実際に届く金額は自社で運用したときより小さい計算です。差額に見合う成果が出るかどうかは、代行会社の運用の質と、自社が運用に割ける時間の両方で決まります。社内に運用経験者がいて時間も確保できるなら、内製のほうが費用を抑えられます。
社内にリード獲得のノウハウが残りにくい
実行を外部に渡すと、うまくいった理由と失敗した理由が社内に残りません。契約が終わった時点で施策も止まり、自社には獲得したリードの一覧だけが残る状態になりがちです。
対策は、報告の形を契約前に決めておくことです。獲得件数だけの報告ではなく、配信したクリエイティブ、反応の良かった訴求、外した条件までを月次で共有してもらえば、社内に判断の材料が積み上がります。
やり取りの工数と立ち上がりの期間がかかる
外部に任せても、社内の工数がゼロになるわけではありません。代行会社との打ち合わせや確認のやり取りにも、工数がかかります。商材の説明、原稿の確認、獲得したリードの引き取りは、どのサービスでも自社側の作業です。
立ち上がりの期間も見込んでおく必要があります。スコアリングのようにデータの蓄積が必要な機能は、一定の学習期間を経てから動き出すため、効果が出始めるのが翌月以降になる場合があります。契約した月から件数が積み上がる前提で予算と目標を組むと、初月の未達が社内の評価に響きます。
リード獲得サービスの選び方
複数社を並べて比べるには、各社の資料に共通して書かれている項目を軸にする必要があります。機能の多さや実績の社数で選ぶと、自社の状況に合わないサービスが残ります。リード獲得サービスの選び方は、以下の6つです。
- リード獲得サービスで埋めたい工程を先に決める
- 届けたい相手を業種や従業員規模で指定できるか確認する
- ツールを社内で運用できる人がいるかで種類を絞る
- 料金体系と従量課金の条件を確認する
- 最低利用期間と解約の条件を確認する
- 成果の定義と報告の形を契約前に決める
リード獲得サービスで埋めたい工程を先に決める
最初に決めるのは、自社のどこが詰まっているのかです。連絡先の総数が足りないのか、集まったリードを放置しているのか、施策を回す人がいないのかで、選ぶ種類が変わります。
連絡先の総数が足りないなら媒体型、集めた後の管理が追いついていないならツール型、実行する人がいないなら代行型が候補です。詰まりの場所を決めずに資料を集めると、各社の得意分野をそのまま比較してしまい、自社に必要のない機能で優劣を判断することになります。
社内で言葉にするときは、直近3か月の数字を使いましょう。フォームからの問い合わせ件数、商談に進んだ件数、1件目の連絡までにかかった日数の3つを並べると、どの工程で落ちているかが見えます。
届けたい相手を業種や従業員規模で指定できるか確認する
媒体型と代行型では、届く相手を条件で絞れるかどうかが成果の分かれ目です。アイティメディアは、業種・職種・従業員規模などを指定してアプローチ先を確保できると案内しています。日経BPマーケティングも、役職や業種、地域などで細かくターゲットを設定できると説明しています。
確認したいのは、指定できる条件の項目そのものです。自社の商材が従業員300人以上の製造業に向くなら、業種と規模の両方で絞れるサービスでなければ、届いたリードの多くが対象外になります。会員数の多さは、絞り込んだ後に何件残るかとセットで見る項目です。
商談につながらないリードが大量に届く状態は、営業部門からの信頼を失う原因になります。件数の保証よりも、条件の指定精度を先に確かめましょう。
ツールを社内で運用できる人がいるかで種類を絞る
ツール型は、契約した後に使う人がいて初めて成果が出ます。フォームの設置、メールの原稿作成、スコアの基準づくりは、どれも社内の担当者の作業です。
担当者が兼任で週に数時間しか割けないなら、機能の多いプランを選ばず、無料プランや下位プランから始める判断が現実的です。MAツールには無料で使えるプランを用意している提供元があり、リード件数の上限を超えた分だけ費用が増える形の料金も案内されています。
反対に、専任の担当者がいて配信の本数を増やせる体制なら、上位プランの機能が費用に見合います。ツール型を選ぶ前に、月に何時間を運用へ充てられるかを数字で出しておきましょう。
料金体系と従量課金の条件を確認する
月額の金額だけを比べると、契約後に請求額が変わります。ツール型には、基本料金のほかにリード数やページビュー数に応じた従量課金を設けている提供元があるためです。
BowNowの公式サイトでは、リード数について5千件ごとに10,000円、PV数について5万PVごとに10,000円の従量課金が案内されています。List Finderの公式サイトでも、各プランにPV数・顧客データ数の従量課金が追加される案内です。SATORIの公式サイトには、契約はすべて前払いの一括請求で、従量課金が発生する場合があると記載されています。
確認する項目は、課金の単位、上限に達したときの動作、超過分の請求のタイミングの3つです。リードは積み上がる性質の数字なので、2年目には初年度と違う金額になります。
最低利用期間と解約の条件を確認する
契約期間の縛りは、資料の後半か料金ページの注記に書かれていることが多い項目です。BowNowの公式サイトには、最低利用期間は1年間で、フリープランを除くと明記されています。
年間契約が前提の料金になっているサービスもあります。SATORIの公式サイトで案内されている月額148,000円(税別)は、年間契約の場合の金額です。試しに数か月だけ使って判断できるかどうかは、契約期間の縛りで決まります。
初めて導入する場合は、無料プランのあるサービスで運用の型を作ってから有料プランへ移る方法も取れます。解約の申し出をいつまでに行う必要があるかも、契約前に確認しておきましょう。
成果の定義と報告の形を契約前に決める
成果の定義があいまいなまま契約すると、月次の報告で件数だけが並びます。Google検索セントラルは、SEO業者へ依頼する前の確認事項として、期待される成果と達成時期、成功をどう測定するかを尋ねることを挙げています。同じ確認は、リード獲得サービスの契約前にも有効です。
決めておきたいのは、何をもって1件と数えるかです。フォーム送信を1件とするのか、在籍確認まで取れた連絡先を1件とするのか、商談の合意まで含めるのかで、同じ金額でも中身が変わります。アイティメディアのラインナップも、リストの拡充、在籍確認済みのリード提供、商談合意の獲得の3段階です。
Google検索セントラルは、過去の実績例を見せてもらうことも確認事項として挙げています。実績の社数ではなく、自社と近い業種・規模での事例を求めましょう。
リード獲得サービスの費用の見方
費用は金額の大小ではなく、出方の違いで比べます。月額固定のサービスと1件あたりで課金されるサービスを同じ表に並べると、どちらが安いかを判断できなくなるためです。リード獲得サービスの費用の見方は、以下の3つです。
- 費用の出方は月額固定・従量課金・1件あたりの単価に分かれる
- ツール型の料金は提供元の公式料金ページで確認する
- リード1件あたりの費用で施策を比べる
費用の出方は月額固定・従量課金・1件あたりの単価に分かれる
ツール型は月額固定と従量課金の組み合わせが中心です。媒体型では、獲得した件数に応じた単価の形が使われています。アイティメディアの公式サイトに記載されている1件あたりの単価は4,000円〜です。
代行型の費用は、依頼する施策と範囲によって組み立てが変わります。サービス費用のほかに、広告費などの別途料金が発生する場合もあります。日経BPマーケティングのように、個別の相談を前提に件数を保証する形で提供されているサービスもあります。
比較の表を作るときは、金額の欄の隣に課金の単位を書きましょう。月額なのか、1件あたりなのか、広告費に対する割合なのかが並ぶと、単純な安さで選ぶ判断を避けられます。
ツール型の料金は提供元の公式料金ページで確認する
ツール型は、提供元が公式サイトで金額を公開している場合があります。各社の公式料金ページに記載されている金額は、以下の表のとおりです。
| 提供元・サービス | プラン | 初期費用 | 月額費用 |
|---|---|---|---|
| HubSpot Marketing Hub | Free | 記載なし | 0円 |
| HubSpot Marketing Hub | Starter | 記載なし | 840円/シート(月払い) |
| HubSpot Marketing Hub | Professional | オンボーディング360,000円 | 96,000円〜 |
| HubSpot Marketing Hub | Enterprise | オンボーディング840,000円 | 432,000円〜 |
| SATORI | 通常 | 300,000円(税別) | 148,000円(年間契約・税別) |
| List Finder | フリー | 0円 | 0円 |
| List Finder | ライト | 100,000円 | 45,000円 |
| List Finder | スタンダード | 記載なし | 69,000円 |
| List Finder | プレミアム | 記載なし | 92,000円 |
| BowNow | FREE | 記載なし | 0円 |
表の金額は、各提供元の公式料金ページに案内されている内容です。BowNowの公式サイトでは、FREEプラン以外の月額料金は料金表のダウンロードで案内される形になっています。公開されている金額と、自社の利用条件での見積もりは一致しないことがあるため、候補が絞れた段階で見積もりを取りましょう。
無料で始められるプランが複数のサービスに用意されている点は、初めて導入する企業にとって現実的な入口です。HubSpotのFreeプラン、List Finderのフリープラン、BowNowのFREEプランは、いずれも月額0円と案内されています。
リード1件あたりの費用で施策を比べる
施策ごとの費用は、獲得した件数で割って比べる形が基本です。Sansanは、総費用÷リード数によってリード獲得単価を算出し、効率的に獲得できているかを評価すべきだと説明しています。たとえば月額20万円で100件のリードを獲得した施策と、月額50万円で500件を獲得した施策では、単価は後者のほうが安い計算です。
単価だけで判断しない姿勢も必要です。Sansanは、費用を抑えすぎるとリードの質が悪化するため、バランスを取ることが重要だとも述べています。1件あたりの費用が安くても、商談に進む割合が低ければ営業の工数が無駄になります。
比較のときは、単価と商談化率の2つを並べましょう。商談に進んだ1件あたりの費用まで計算すると、見た目の安さと実際の効率が逆転する施策が見つかります。
リード獲得サービスを使うときの注意点
リードは個人情報にあたるため、獲得した後の扱いには法律上の義務が伴います。外部のサービスに任せた場合も、義務がなくなるわけではありません。リード獲得サービスを使うときの注意点は、以下の5つです。
- 成果を保証すると言い切る売り込みを疑う
- 取得した個人情報の利用目的を具体的に伝える
- 外部へ委託しても個人データの管理責任は自社に残る
- 同意のない広告メールを送らない
- リード獲得サービスを使える条件と立ち上がりの期間を確認する
成果を保証すると言い切る売り込みを疑う
保証の言葉は、判断の材料が少ない担当者ほど響きます。Google検索セントラルは、Googleでの1位表示は誰にも保証できないと明記し、Googleと特別な関係があると主張する業者や、優先的な送信をうたう業者を避けるべきだと案内しています。秘密主義的な業者を避けること、未承諾のメールでの勧誘には懐疑的であるべきことも、同じページの記載です。
リード獲得サービスの検討でも、同じ姿勢が役に立ちます。数字を出せるサービスは、何を根拠に何件と見込んでいるのかを説明できます。説明を求めたときに手法の中身を明かさない相手は、候補から外す判断が妥当です。
突然届いた営業メールから検討を始めない点も押さえておきましょう。自社で候補を探し、条件を決めてから声をかける順番であれば、売り込みの言葉に引きずられずに済みます。
取得した個人情報の利用目的を具体的に伝える
フォームや名刺で受け取った連絡先は、個人情報保護法の対象です。個人情報保護委員会のガイドラインでは、事業者は利用目的をできる限り具体的に特定する必要があるとされています。判断の基準は、本人が通常予期し得る限度であり、「事業活動」のような抽象的な記載では足りません。
利用目的を後から変えるときにも条件があります。同ガイドラインによると、変更が認められるのは変更前後の関連性を有すると合理的に認められる範囲内で、本人への通知または公表が必要です。資料ダウンロードのために受け取った連絡先を、別事業の営業へ流用する運用は見直しが要ります。
フォームの近くに置く文言は、法務の確認を取ってから公開しましょう。獲得の入口で整えておけば、後から全件に連絡を取り直す事態を避けられます。
外部へ委託しても個人データの管理責任は自社に残る
代行型を使う場合に見落とされやすいのが、委託先の監督です。個人情報保護委員会のガイドラインでは、事業者は個人データの漏えい、滅失または毀損の防止のため、事業の規模や性質、取扱状況に起因するリスクに応じた必要かつ適切な措置を講じる義務を負うとされています。委託先に対しては、必要かつ適切な監督を行う義務があります。
第三者提供の扱いも確認が必要です。同ガイドラインによると、あらかじめ本人の同意を得ずに個人データを第三者へ提供することは原則として禁止されています。獲得したリストを関連会社と共有する運用には、同意の取得か法令上の要件の確認が伴います。
契約書では、再委託の可否、保管場所、契約終了後のデータの扱いを確認しましょう。代行会社がさらに別の会社へ作業を回している場合、監督の範囲はその先まで及びます。
同意のない広告メールを送らない
獲得したリードへ一斉にメールを送る運用には、法律上の制限があります。営利目的の広告・宣伝メールは特定電子メール法の対象で、企業向けの営業メールも含まれます。あらかじめ同意を得ていない相手への送信は、原則として禁止されています。
例外として、名刺などの書面で自らメールアドレスを通知した相手や、取引関係にある相手には、同意がなくても送信できるとされています。ただし、送信者の氏名または名称や配信停止の連絡先などの表示が義務付けられており、配信停止の申し出があった相手には送れません。
同意を得た場合は、同意を証明する記録の保存も必要です。代行会社に配信を任せている場合でも、同意を取得した経路と日時を自社で把握できる形にしておきましょう。例外の範囲や記録の保存期間は、送信の前に総務省と消費者庁のガイドラインで確認し、判断に迷う配信は法務へ相談する運用が安全です。
リード獲得サービスを使える条件と立ち上がりの期間を確認する
サービスによっては、月間のサイト流入数など、自社サイトの規模が利用の前提条件になります。条件を満たさない状態で契約すると、費用だけが発生します。
成果が出るまでの期間も、あらかじめ社内で共有しておきましょう。データを蓄積してから動き出す機能を使う場合は、効果が出始めるのが契約の翌月以降になることもあります。初月から満額の成果を前提にした予算では、途中で撤退の判断が出やすくなります。
社内へ報告するときは、契約期間全体での目標と、月ごとの見込みを分けて出す方法が有効です。立ち上がりの遅れを想定に織り込んでおけば、初月の数字だけで施策が止まる事態を防げます。
自社に合うリード獲得サービスは埋めたい工程と社内の体制から選びましょう
リード獲得サービスは、媒体型・ツール型・代行型の3種類に分かれ、それぞれ引き受ける工程が違います。連絡先の総数が足りないなら媒体型、集めた後の管理が追いついていないならツール型、実行する人がいないなら代行型が候補です。比較で迷う原因の多くは、工程の違うサービスを同じ表に並べている点にあります。
選ぶときの軸は6つです。
- リード獲得サービスで埋めたい工程を先に決める
- 届けたい相手を業種や従業員規模で指定できるか確認する
- ツールを社内で運用できる人がいるかで種類を絞る
- 料金体系と従量課金の条件を確認する
- 最低利用期間と解約の条件を確認する
- 成果の定義と報告の形を契約前に決める
費用は金額ではなく出方で比べ、リード1件あたりの費用と商談化率の両方で評価します。獲得した連絡先は個人情報にあたるため、利用目的の特定、委託先の監督、同意のない広告メールの禁止の3点は、外部に任せても自社の責任として残ります。
今日からできる最初の一歩は、直近3か月のフォーム送信件数、商談化件数、初回連絡までの日数を書き出すことです。数字が並べば、埋めたい工程が決まり、声をかけるべきサービスの種類も1つに絞れます。
ご依頼・ご相談を検討中の方は、こちらからお問い合わせください。
