
自社サイトに記事を追加しても検索結果に出てこないため、Search Consoleを開いたところ、「検出 - インデックス未登録」と表示されたページが並んでいました。SEO内部対策という言葉で調べ直すと、チェック項目が20個も30個も並んだ一覧が出てきます。困るのは項目の多さではありません。並んだ項目に順番が付いていないため、自社サイトでどれから手を付けるかを決められない点が問題です。
この記事では、SEO内部対策の意味と、クロール・インデックス・ページ体験の3領域の施策を解説します。着手する順番とSearch Consoleでの確認方法、やってはいけない施策も解説の対象です。記事を読めば、自社サイトのどこを最初に直すかを自分で判断できます。SEO内部対策で先に手を付けるべきなのは、検索エンジンにページを見つけさせる施策です。
ご依頼・ご相談を検討中の方は、こちらからお問い合わせください。
SEO内部対策とは?外部対策との違いと3つの目的
SEO内部対策とは、自社サイトの中身を直して検索エンジンに正しく読み取ってもらうための施策です。Googleは完全に自動化された検索エンジンで、クローラーというプログラムを使用してウェブを絶えず探索し、見つかったページをインデックスに登録しています。クローラーとは、ウェブ上のページを巡回して内容を収集するプログラムを指します。インデックスとは、収集したページの内容をGoogleが検索用に整理して保存したデータベースのことです。
外部対策との違いは、手を入れる場所です。SEO内部対策は自社サイトの内側で完結するため、担当者の判断だけで今日から変更できます。外部対策は自社サイトの外側で起きる評価に働きかける施策で、相手があるぶん、成果が出るまでの時間が読みにくく、自社でコントロールもしにくくなります。自社の裁量だけで進められる領域が内部対策です。着手の判断も早くなります。
SEO内部対策の目的は、以下の3つです。
- クローラーがサイト内のページを見つけられる状態にする
- 見つけたページの内容をGoogleが正しく理解できる状態にする
- 訪問した人がストレスなく読める状態にする
3つの目的には順番があります。見つけてもらえないページは、内容をどれだけ磨いても検索結果に出ません。内容が伝わらないページは、表示が速くても意図した検索語句では拾われないままです。順番どおりに整えると、手戻りが減ります。
クロールを助けるSEO内部対策の施策
クローラーがページを見つける主な経路はリンクです。Googleは、主にクロール済みのページからリンクをたどることで新たにページを発見していると説明しています。サイトの中でリンクがつながっていないページは、公開しただけでは発見されません。クロールを助けるSEO内部対策の施策は、以下の5つです。
- XMLサイトマップを作成してSearch Consoleから送信する
- 内部リンクで関連するページ同士をつなぐ
- パンくずリストを設置してサイトの階層を示す
- サイトの階層をディレクトリ単位で浅く整理する
- リンクはa要素とhref属性で記述する
XMLサイトマップを作成してSearch Consoleから送信する
XMLサイトマップは、サイト内のページをGoogleに一覧で知らせるファイルです。Googleはサイトマップを、サイト上のページや動画などのファイルについての情報や、各ファイルの関係を伝えるファイルと定義しています。検索エンジンが効率よくクロールするために役立つ仕組みです。
サイトマップは全サイトに必須ではありません。Googleは、サイトのページ数がおよそ500ページ以下で内部リンクがすべてのページを網羅していて動画や画像も少ない場合、サイトマップは必要ない可能性があると案内しています。反対に、規模が大きくすべてのページが相互にリンクされているか確認しづらいサイトや、外部からのリンクが少ない新規サイトでは必要になります。
作成したサイトマップの送信先は、Search Consoleのサイトマップレポートです。WordPressのようなCMSを使っている場合は、サイトマップを自動生成する機能やプラグインが用意されていることが多く、生成されたURLを送信するだけで完了します。CMSとは、専門知識がなくてもページの作成や更新ができる管理システムのことです。
内部リンクで関連するページ同士をつなぐ
内部リンクは、自社サイトのページ同士をつなぐリンクです。Googleが新しいページを発見する主な経路がリンクである以上、公開したページをどこからもリンクしない状態は、発見されない状態を自分で作ることになります。
リンクを張る相手として選ぶのは、関連するテーマのページです。アンカーテキストについてGoogleは、リンク先のページについての情報をユーザーとGoogleに伝えるテキストだと説明しています。「こちら」「詳細」のような曖昧な表現ではなく、リンク先の内容が具体的にわかるテキストを使うのがGoogleの案内です。
リンクの置き方でも読みやすさが変わります。リンクの前後に文脈を置き、リンクを隣り合わせに並べないよう、Googleは案内しています。関連記事を本文の末尾にまとめて羅列するより、話題が出た場所でリンクする形が自然です。
パンくずリストを設置してサイトの階層を示す
パンくずリストは、「トップ > カテゴリ > 記事」のようにページの位置を示すナビゲーションです。Googleは検索結果内のウェブページからの情報を分類する際に、ページの本文内のパンくずリストのマークアップを使用すると説明しています。訪問者にとっては、サイト階層内を1レベルずつ上に移動できる導線です。
構造化データでマークアップすると、パンくずリストの情報をGoogleが機械的に読み取れます。BreadcrumbList型の必須プロパティはitemListElementで、その中のListItem型にはitem(パンくずを表すウェブページのURL)、name(ユーザーに表示されるタイトル)、position(リスト内の位置を示す整数値)が必要です。
パンくずリストの表示自体は、多くのCMSでテーマやプラグインの設定から有効にできます。カテゴリ設計が整理されていないサイトでは、パンくずリストを出す前にカテゴリの重複や空のカテゴリを整理する作業が先に必要です。
サイトの階層をディレクトリ単位で浅く整理する
サイトの階層で必要なのは、似たテーマをディレクトリにまとめる整理です。Googleは、類似のトピックをディレクトリにまとめていると、各ディレクトリ内のURLが変更される頻度をGoogleが学習しやすくなると説明しています。URL上の整理は、訪問者にとっても現在地の手がかりです。
階層を浅く保つ効果は、クロール経路の短さに表れます。トップページから何回もクリックしないとたどり着けないページは、リンクをたどる経路も長くなります。カテゴリ数を絞り、深い階層に埋もれたページを上位のカテゴリからリンクする整理が有効です。
URLの文字列自体も、後から変更すると転送設定の手間が発生します。サイトを作る段階でディレクトリの方針を決めておくと、運用が始まってからの作業を減らせます。
リンクはa要素とhref属性で記述する
Googleがリンクをクロールできるのは、href属性を持つa要素である場合のみです。URLは、Googleクローラーがリクエストを送信できる実際のウェブアドレスに解決される必要があります。この条件を外れたリンクは、画面上でクリックできても経路として機能しません。
クロールできないリンクの書き方は、以下の3つです。
- href属性のないa要素(routerLinkやonclickだけで遷移させる書き方)
- span要素などa要素以外のタグにhref属性を付けた書き方
- href="javascript:goTo('products')"のようにURLへ解決されない書き方
JavaScriptで動的に挿入されるリンクでも、href属性を持つa要素として出力されていればクロールできます。制作会社に依頼してナビゲーションやページ送りを実装した場合は、実際のHTMLでa要素とhref属性になっているかをブラウザの検証機能で確認しておくと安心です。
クロールとインデックスを整理するSEO内部対策の施策
サイト内にはクロールもインデックス登録も必要ないページが必ず混じります。検索結果に出す必要のないページや、内容が重複したページを整理しておくと、Googleに読み取らせたいページに処理が向かいます。クロールとインデックスを整理するSEO内部対策の施策は、以下の5つです。
- robots.txtでクロールが不要なURLを伝える
- 検索結果に出す必要がないページにnoindexを設定する
- URLを正規化して重複ページを1つにまとめる
- リンク切れとリダイレクトの連鎖を解消する
- 存在しないURLで404を正しく返す
robots.txtでクロールが不要なURLを伝える
robots.txtは、検索エンジンのクローラーに対してサイトのどのURLにアクセスしてよいかを伝えるファイルです。Googleは主な用途を、サイトでのリクエストのオーバーロードを避けることだと説明しています。サイト内検索の結果ページのように、クロールされても価値の薄いURLを対象にします。
robots.txtで最も多い誤解は、検索結果からページを消す手段だと考えることです。Googleはrobots.txtについて、Googleにウェブページが表示されないようにするためのメカニズムではないと明記しています。検索結果に出したくないページに使うのは、robots.txtではなくnoindexやパスワード保護です。
ページの表示に必要なスクリプトやCSSまでrobots.txtでブロックすると、Googleがページを正しく描画できなくなります。ブロックする対象は、クロールされても意味のないURLに限定するのが安全です。
検索結果に出す必要がないページにnoindexを設定する
noindexは、対応している検索エンジンにコンテンツをインデックスから除外してもらうためのルールです。Googlebotがnoindexを検出すると、他サイトからのリンクの有無にかかわらず、そのページを検索結果から完全に削除します。会員専用ページやサンクスページのように、検索から入ってきても意味のないページが対象になります。
noindexの実装方法は、以下の2つです。
- ページのhead内に記述するrobots metaタグ(meta name="robots" content="noindex")
- サーバーのレスポンスヘッダーに設定するX-Robots-Tag
X-Robots-Tagは、PDFや動画ファイル、画像ファイルなどHTML以外のリソースに使えます。資料をPDFで公開していて検索結果には出したくない場合に有効な手段です。
noindexを使うときの注意点は、robots.txtとの併用です。Googleは、noindexディレクティブを有効にするためには、robots.txtファイルでページやリソースをブロックせずクローラーがページにアクセスできるようにする必要があると説明しています。両方を同時に設定すると、クローラーがnoindexを読めず、ページが検索結果に残り続ける場合があります。
URLを正規化して重複ページを1つにまとめる
正規URLは、重複または類似したページの中でGoogleに優先して表示させたいページのURLです。Googleは、異なるURLで同じコンテンツが表示される場合、各コンテンツにアクセスできるURLが1つのみになるようにするよう案内しています。同じ内容が複数のURLで開ける状態は、意図せず発生しがちです。
重複が生まれる代表的な原因は、以下の4つです。
- 広告の計測パラメータなどクエリパラメータが付いたURL
- セッションIDが付いたURL
- HTTPとHTTPSの両方でアクセスできる状態
- wwwありとwwwなしの両方でアクセスできる状態
正規化の手段には強さの差があります。Googleの説明では、リダイレクトは正規ページになるべきことを強く示すシグナルで、重複ページを廃止する際に最も効果的な方法です。ページを残したまま正規URLを伝える場合は、head内にlink rel="canonical"を記述します。canonicalの指定で推奨されているのは、相対パスではなく絶対パスです。
サイトマップに含めたページも正規ページとして示されますが、Googleはこの方法を他より効果が弱いと位置付けています。パラメータ付きURLが大量に生成されるサイトでは、canonicalの指定を優先して検討します。
リンク切れとリダイレクトの連鎖を解消する
リンク切れは、リンク先のページが存在しない状態です。訪問者が行き止まりに突き当たるだけでなく、クロールの経路もそこで途切れます。ページを削除したりURLを変更したりした後に、サイト内の古いリンクを直し忘れると発生します。
リダイレクトの連鎖にも注意が必要です。Googleは、長いリダイレクトチェーンがクロールに悪影響を及ぼすと説明しています。URLをA→B→C→Dと転送し続ける構成は、サイトのリニューアルを繰り返した企業サイトで起こりがちです。転送の設定は、古いURLから最新のURLへ直接向ける形に書き直します。
サイト内のリンク切れの洗い出しには、クロール型のツールが有効です。ページ数が数百規模のサイトなら、月に1回まとめて確認する運用で足ります。
存在しないURLで404を正しく返す
存在しないURLにアクセスがあったとき、サーバーは404のステータスコードを返します。問題になるのは、ページが存在しないのに正常を示すステータスコードを返してしまうsoft 404の状態です。Googleは、soft 404ページは引き続きクロールされるためクロールバジェットが無駄になると説明しています。
クロールバジェットとは、Googleによるクロールが可能であり、かつクロールが必要なURLセットのことです。Googleがクロールバジェットの管理が必要だとしているサイトの目安は、重複のないページが100万以上で週1回程度更新される大規模サイト、重複のないページが1万以上で毎日更新される中規模以上のサイト、Search Consoleで「検出 - インデックス未登録」に分類されるページが大部分のサイトです。数十ページから数百ページの企業サイトでは、クロールバジェットの最適化を目的に作業する必要はありません。
404ページ自体は、訪問者向けに整えておくと離脱を減らせます。トップページや主要カテゴリへのリンク、サイト内検索の窓を置いておくと、行き止まりから戻る導線になります。
ページの内容を正しく伝えるSEO内部対策の施策
クローラーがページにたどり着いても、内容の伝え方が雑だと検索結果での見え方が意図と食い違います。タイトルや見出しの書き方は、専門の担当者がいなくても今日から直せる領域です。ページの内容を正しく伝えるSEO内部対策の施策は、以下の5つです。
- タイトルタグをページごとに書き分ける
- meta descriptionでページの要点を伝える
- 見出しタグで文章の構造を示す
- 画像のalt属性に内容を説明するテキストを入れる
- 構造化データでページの情報を機械可読にする
タイトルタグをページごとに書き分ける
タイトルタグは、検索結果に表示されるタイトルリンクの主要な材料です。Googleは良いタイトルを、ページに固有で明確かつ簡潔であり、内容を正確に説明しているタイトルだと定義しています。同じ文言を全ページで使い回すボイラープレートのタイトルは避けるよう案内されています。
検索結果のタイトルリンクは、タイトルタグだけで決まるわけではありません。Googleが使用する材料は、以下のとおりです。
- title要素内のテキスト
- ページの主要な視覚的タイトル(大見出し)
- h1などの見出し要素
- og:titleメタタグ内のテキスト
- スタイル処理で大きく目立つテキスト
- ページ内のその他のテキストやアンカーテキスト
Googleは、同じ語句を何度も繰り返しても無意味であり、このような乱用はGoogleやユーザーから不正行為と見なされる可能性があると警告しています。サイト名を入れる場合は、ハイフンやコロンなどで区切って簡潔に付けるのがGoogleの案内です。「ホーム」「プロフィール」のような曖昧なタイトルと、不必要に長いタイトルの両方が避けるべき例に挙げられています。
meta descriptionでページの要点を伝える
meta descriptionは、検索結果のスニペットに使われる説明文です。Googleは質の高いmeta descriptionを、そのページに固有で、非常に的確な要点が簡潔に記載されているものだと説明しています。ページごとに固有であることが条件になるため、全ページ共通の会社紹介文を入れている状態は書き換えの対象です。
meta descriptionは検索結果での見え方に効く要素で、クリックするかどうかの判断材料になります。書く内容は、ページを開くと何がわかるのかの要約です。
CMSによっては、記事本文の冒頭が自動的にmeta descriptionへ流用される設定になっています。テンプレートの挙動を一度確認し、主要なページだけでも手書きの説明文に置き換えると効果的です。
見出しタグで文章の構造を示す
見出しタグは、h1からh6までの階層で文章の構造を示すHTMLの要素です。Googleは、見出しを意味的な順番にすることはスクリーンリーダーにとっては素晴らしいことだと述べつつ、Google検索にとっては順番どおりに使われていなくても問題ないと説明しています。順番の厳密さより、見出しの文言が中身を表しているかどうかが重要です。
見出しは、文字を大きくする目的で使わないようにします。デザイン上の理由で本文の一部を見出しタグにすると、文章の構造とページの見た目が食い違います。文字サイズの調整はCSSの役割です。
見出しの文言は、その節だけを読んで何の話かわかる形にします。「はじめに」「その他」のような見出しは、目次から内容を推測できません。
画像のalt属性に内容を説明するテキストを入れる
alt属性は、画像の内容をテキストで説明する属性です。Googleは、適切な代替テキストを書くことは極めて重要であり、何に関する画像なのかや画像とページとの関係の背景をGoogleが理解するのに役立つと説明しています。画像が表示されない環境や音声読み上げでも、内容が伝わる状態になります。
画像まわりで整えておく項目は、以下の4つです。
- ファイル名を内容がわかる文字列にする(Googleの例ではIMG00023.JPGよりmy-new-black-kitten.jpgを推奨)
- 背景画像ではなくimg要素のsrc属性で表示する
- 端末ごとに出し分ける場合はpicture要素とsrcset属性を使い、src属性で代替URLも指定する
- 高解像度の画像は最適化して読み込み時間とのバランスを取る
alt属性にキーワードを並べる書き方は避けます。Googleはキーワードを羅列することをキーワードの乱用と呼び、避けるよう明記しています。画像に写っているものを短い文で説明する書き方が基本です。
構造化データでページの情報を機械可読にする
構造化データは、ページに関する情報をさまざまなサイトで活用できるように標準化したデータ形式です。レシピページなら材料や調理時間を、イベントページなら日時や場所を、決まった形式で提供できます。適切にマークアップすると、Google検索がそれを認識してリッチリザルトとして表示する場合があります。
推奨される記述形式はJSON-LDです。Googleの説明では、JSON-LDは実装と管理が最も容易な形式です。ユーザーに見えるテキストにマークアップが挟まらず、ネストされたデータも簡単に表現できます。microdataとRDFaにも対応していますが、推奨されるのはJSON-LDです。
構造化データを入れれば必ずリッチリザルトが出るわけではありません。Googleは、ガイドラインに準拠しない構造化データはGoogle検索でリッチリザルトとして表示されない場合があると説明しています。ページに表示されていない情報をマークアップに書くような使い方は、準拠しない例にあたります。
ページの使い心地を整えるSEO内部対策の施策
サイトを開いた人が読みづらさを感じる状態は、内部対策の範囲で改善できます。ただしGoogleの説明では、Core Web Vitals以外のページエクスペリエンスの要素が検索結果でのランキング上昇に直接貢献することはありません。順位のためというより、訪問者を取りこぼさないための領域だと捉えるのが実態に合います。ページの使い心地を整えるSEO内部対策の施策は、以下の4つです。
- Core Web Vitalsの3指標を基準内に収める
- モバイル版とパソコン版でコンテンツをそろえる
- サイト全体をHTTPSで配信する
- 主要なコンテンツを妨げる広告の出し方を見直す
Core Web Vitalsの3指標を基準内に収める
Core Web Vitalsは、ページの体験を数値で測る3つの指標です。Googleのランキングシステムでは、Core Web Vitalsが使用されると明記されています。3指標の内容と良好とされる基準値は、以下の表のとおりです。
| 指標 | 測るもの | 良好とされる基準値 |
|---|---|---|
| LCP(Largest Contentful Paint) | 読み込みパフォーマンス | ページの読み込み開始から2.5秒以内 |
| INP(Interaction to Next Paint) | インタラクティブ性 | 200ミリ秒以下 |
| CLS(Cumulative Layout Shift) | 視覚的な安定性 | 0.1以下 |
判定は1回の計測では決まりません。Googleは、良好かどうかの判定には、モバイルデバイスとデスクトップデバイスに分けたページ読み込みの75パーセンタイルを用いるのが適切だと説明しています。合格と見なされるのは、3つすべてで基準を満たしたページです。
改修の負荷は指標によって差があります。LCPの改善につながる画像の軽量化や、INPの改善につながる不要なスクリプトの削除は、制作会社に依頼しやすい作業です。CLSは、画像や広告の表示領域をあらかじめ確保する修正で改善する場合が多く、テンプレート単位の対応になります。
モバイル版とパソコン版でコンテンツをそろえる
Googleのインデックス登録とランキングでは、スマートフォンエージェントでクロールしたモバイル版のサイトコンテンツを使用します。パソコン版に載せた情報がモバイル版から抜け落ちていると、抜けた部分はGoogleに伝わりません。
モバイル版とパソコン版で一致させる項目は、以下の4つです。
- 主要なコンテンツの本文
- タイトルタグとmeta description
- 構造化データのマークアップ
- robots metaタグ
Googleは、モバイル版のコンテンツが少ないとトラフィックの減少が予想されると警告しています。スマートフォンで表示領域を節約する目的で、表や補足説明をモバイル版だけ非表示にしている実装は見直しの対象です。
サイト全体をHTTPSで配信する
HTTPSは、サイトと訪問者の間の通信を暗号化する仕組みです。Googleはページエクスペリエンスの自己評価項目として、「ページは安全な方法で配信されていますか」という質問を挙げています。安全な配信は、ページエクスペリエンスの構成要素と位置付けられています。
対応で見落としやすいのは、サイト内の一部がHTTPのまま残るケースです。本文中の画像やスクリプトの読み込み先がHTTPだと、ブラウザが警告を出す場合があります。必要な作業は、HTTPでアクセスされたときにHTTPSへ転送する設定と、サイト内のリンクや画像のURLの書き換えです。
HTTPとHTTPSの両方でページが開ける状態は、重複URLの原因にもなります。転送設定は、正規化の作業と合わせて確認すると二度手間になりません。
主要なコンテンツを妨げる広告の出し方を見直す
Googleはページエクスペリエンスの評価項目として、主要なコンテンツを妨害したり注意をそらしたりするほどの大量の広告を掲載することを回避するよう求めています。本文を読み始めた直後に画面全体を覆う表示が出る設計は、この項目に当てはまる例です。
自社サイトで広告を出していなくても、対象になる要素はあります。メールマガジンの登録を促すポップアップ、チャットの吹き出し、クーポンのバナーは、置き方によって本文を覆います。スマートフォンでは画面が狭いぶん、影響も大きくなりがちです。
見直しの基準は、本文の最初の画面で主要な内容が読めるかどうかです。ポップアップを出すなら、本文を一定量スクロールした後に表示する設定へ変更します。
SEO内部対策の優先順位と進め方
チェックリストの項目をすべて同時に直そうとすると、工数が分散して結果が見えなくなります。SEO内部対策には目的の順番があるため、その順番のまま作業を進めると効果を確かめやすくなります。SEO内部対策を進める順番は、以下の4つです。
- 検索結果に出ているかどうかを最初に確かめる
- 内容が正しく伝わる状態にする
- 表示速度とモバイルの体験を整える
- 内部対策と並行してコンテンツの中身を点検する
検索結果に出ているかどうかを最初に確かめる
最初の作業は、直したいページがインデックスに登録されているかの確認です。登録されていないページは、タイトルを書き換えても表示速度を上げても検索結果に現れません。順番を逆にすると、効果のない作業に時間を使うことになります。
確認から着手までの手順は、以下のとおりです。
- Search ConsoleのURL検査ツールで、対象ページの登録状況を確認する
- 未登録なら、サイト内のどこからもリンクされていないページになっていないかを調べる
- robots.txtやnoindexで意図せずブロックしていないかを調べる
- 原因を直したうえで、インデックス登録をリクエストする
未登録の原因がサイト全体に及んでいる場合は、サイトマップの送信やカテゴリからのリンクの追加など、ページ単位ではなく構造側の修正が必要になります。
内容が正しく伝わる状態にする
インデックスに登録されているページには、内容の伝え方を整える作業へ進みます。タイトルタグ、meta description、見出しタグ、alt属性の4点は、CMSの管理画面から担当者が直接直せる範囲です。外注の見積もりを取らずに着手できます。
作業する順番は、検索結果での表示回数が多いページからです。表示回数の多いページほど、タイトルの書き換えが検索結果でのクリック数に反映されるまでが早くなります。
全ページを一度に書き換える必要はありません。主要な20ページから着手し、変化を確認してから対象を広げる進め方なら、書き換えの良否も判断できます。
表示速度とモバイルの体験を整える
表示速度とモバイル対応は、テンプレートやサーバーに手を入れる作業が多く、制作会社への依頼が必要になりがちです。効果の確認にも時間がかかります。先の2段階より後ろに置くのは、社内で完結する作業を先に終えるためです。
依頼の前に確認するのは、Search ConsoleのCore Web Vitalsのレポートで基準を外れているテンプレートです。原因の切り分けができていると、見積もりの範囲も具体的に固まります。
原因がサーバーの性能にある場合、プランの変更だけで改善することもあります。改修を依頼する前に、契約中のサーバー会社の上位プランも確認しておきましょう。
内部対策と並行してコンテンツの中身を点検する
SEO内部対策は、ページを見つけてもらい正しく伝えるための土台です。土台が整っても、ページの中身が検索者の求める内容でなければ順位は動きません。内部対策だけで順位が決まらない点は、作業を始める前に共有しておくと社内の期待値がずれません。
Googleはコンテンツの自己評価として、「独自の情報や分析の結果を提示しているか」という質問を挙げています。「特定のトピックに対して実質的な内容を伴う詳細または包括的な説明が記載されているか」も、自己評価の質問に含まれます。「他のソースを参考にした場合に、単なるコピーではなく付加価値を示しているか」も、評価項目の1つです。
Googleのシステムは、エクスペリエンス・高い専門性・権威性・信頼性の組み合わせで優れたコンテンツを判定し、この4つのうち信頼性が最も重要とされています。健康や経済に関するトピックでは、この観点がとくに重視されます。
SEO内部対策の効果をSearch Consoleで確認する方法
SEO内部対策は、施策を実施した後に状態が変わったかどうかを確かめられます。Search Consoleは、Google検索結果でのサイトの掲載順位を監視、管理、改善するのに役立つGoogleの無料サービスです。有料ツールを導入しなくても、まずはSearch Consoleで十分に確認できます。SEO内部対策の状態をSearch Consoleで確認する方法は、以下の4つです。
- URL検査ツールでページ単位の登録状況を確かめる
- ページのインデックス登録レポートで未登録の理由を読む
- 検索パフォーマンスで表示回数とクリック数の変化を見る
- サイトマップとCore Web Vitalsのレポートを定期的に開く
URL検査ツールでページ単位の登録状況を確かめる
URL検査ツールでは、Googleのインデックスに登録されたページの情報が表示されます。構造化データや動画、インデックス登録可能性に関する詳細も確認できます。1ページずつ状態を調べるときの入口になるツールです。
URL検査ツールでできることは、以下の4つです。
- インデックス登録の状況と正規URLの確認
- 公開URLのテストによるインデックス登録可能性の検証
- Googleによるクロールのリクエスト
- Google-InspectionToolがページをどう認識しているかのスクリーンショット表示
インデックス登録をリクエストした場合、処理には1〜2週間ほどかかることがあるとGoogleは案内しています。リクエストしても登録が保証されるわけではなく、何度も繰り返して早まる仕組みでもないため、修正を終えてから1回送る運用で十分です。
ページのインデックス登録レポートで未登録の理由を読む
ページのインデックス登録レポートは、サイト全体の登録状況をまとめて確認する画面です。未登録のページは理由ごとに分類されるため、どの原因が何件あるかを一覧で把握できます。冒頭で挙げた「検出 - インデックス未登録」もこの分類の1つです。
件数の多い理由から順に対処すると、作業の効果が大きくなります。noindexやrobots.txtが原因の分類は設定の見直しで解決し、リンクされていないページが原因なら内部リンクの追加で解決します。
意図的に検索結果から外しているページが未登録に並ぶのは正常な状態です。すべてを登録済みにする必要はありません。
検索パフォーマンスで表示回数とクリック数の変化を見る
検索パフォーマンスのレポートでは、サイトが検索結果に表示される頻度、検索クエリ、クリック率などのデータを確認できます。タイトルタグやmeta descriptionを書き換えた効果が出る場所は、表示回数とクリック数の関係です。
書き換えの評価では、表示回数が横ばいのままクリック数が増えたかどうかを見ます。表示回数まで変わっている場合は、順位の変動や季節要因が混ざっているため、書き換えの効果だけを取り出せません。
データの反映には数日かかります。書き換えた翌日に判断せず、前後4週間の単位で比較すると誤読を避けられます。
サイトマップとCore Web Vitalsのレポートを定期的に開く
サイトマップレポートでは、送信したサイトマップの読み取り状況とエラーを確認できます。CMSの更新やURL構成の変更でサイトマップの生成が止まると、この画面にエラーとして現れます。
Core Web Vitalsのレポートで確認できるのは、実際のユーザーの計測値をもとに基準を外れたURLのグループです。同じテンプレートのページはまとめて扱われるため、どのページ種別に問題があるかを特定できます。
Search Consoleには、インデックスやスパムに関する問題が検出されたときに通知する機能もあります。通知を受け取るメールアドレスを、担当者が日常的に確認するものに設定しておきます。
SEO内部対策でやってはいけない施策
検索結果で有利になることを狙った小細工は、Googleのスパムポリシーで明確に禁止されています。制作を外部に委託しているサイトでは、担当者が知らないまま実装されている場合があります。SEO内部対策でやってはいけない施策は、以下の3つです。
- 隠しテキストと隠しリンクを設置する
- クローキングでユーザーと検索エンジンに違う内容を見せる
- キーワードを不自然に詰め込む
隠しテキストと隠しリンクを設置する
隠しテキストと隠しリンクは、検索エンジンを操作することのみを目的としてページにコンテンツを配置し、人間のユーザーには見えにくくする行為だとGoogleは定義しています。ページの見た目を保ったままキーワードを盛り込む手段として、過去に使われてきた手口です。
Googleが例として挙げている手口は、以下の4つです。
- 白背景に白文字でテキストを配置する
- テキストを画像の背後に隠す
- CSSでテキストを画面外に配置する
- フォントサイズを0に設定する
アコーディオンやタブで折りたたまれたコンテンツは、この禁止事項とは別の話です。判断の基準は、人間のユーザーに見せる意図があるかどうかにあります。
クローキングでユーザーと検索エンジンに違う内容を見せる
クローキングは、検索ランキングを操作したりユーザーに誤解を与えたりすることを目的に、ユーザーと検索エンジンに異なるコンテンツを表示する行為です。Googleが挙げている例には、検索エンジンには旅行コンテンツを表示しながらユーザーには薬の割引ページを表示する手口や、検索エンジンのみにキーワードやテキストを挿入する手口があります。
端末や言語による出し分けは、クローキングとは異なります。問題になるのは、クローラーに見せる内容と人間に見せる内容を意図的に変える実装です。
サイトを引き継いだ場合は、過去の実装が残っていないかを確認しておきます。Search Consoleでスパムに関する通知が届いていないかも、あわせて確認できます。
キーワードを不自然に詰め込む
キーワードの乱用は、Google検索結果のランキングを操作する目的でウェブページにキーワードや数字を詰め込む行為です。Googleは例として、関連性のない場所でのキーワード記載を挙げています。都市名の不自然な羅列や同じ単語の過剰な繰り返しも該当します。
タイトルタグとalt属性は、とくに詰め込みが起きやすい場所です。Googleはタイトルについて、同じ語句を何度も繰り返しても無意味だと説明し、alt属性についてもキーワードの羅列を避けるよう明記しています。
対策キーワードの適量は、タイトルと主要な見出しに自然な形で入っている程度です。文章として読めるかどうかを基準にすると、詰め込みの判断ができます。
SEO内部対策を外部に依頼するときの判断と費用
SEO内部対策は自社で進められる範囲が広い一方、サーバーやテンプレートに関わる改修は社内で完結しません。どこまでを自社でやるかを先に決めておくと、依頼の範囲も費用も見通しが立ちます。外部に依頼するときの判断材料は、以下の3つです。
- 自社で進める施策と依頼する施策を切り分ける
- 依頼先を選ぶときに確認する項目をそろえる
- SEO内部対策に使うツールの費用を把握する
自社で進める施策と依頼する施策を切り分ける
切り分けの基準は、CMSの管理画面から変更できるかどうかです。管理画面で完結する作業は、依頼しても社内でやっても結果が変わりません。担当者が手を動かしたほうが速く、修正の判断も早くなります。
自社と外部の担当範囲の目安は、以下の表のとおりです。
| 区分 | 主な作業 | 判断の理由 |
|---|---|---|
| 自社で進めやすい | タイトルタグ・meta description・見出し・alt属性の見直し、内部リンクの追加、サイトマップの送信、Search Consoleの確認 | CMSの管理画面と無料ツールで完結し、外部に出すと確認の往復が発生する |
| 外部に依頼しやすい | 表示速度の改善、テンプレートの構造化データ実装、HTTPSへの移行、リダイレクトの整理、サイト全体のクロール診断 | サーバーやテンプレートの改修が必要で、失敗するとサイト全体に影響する |
依頼する場合も、Search Consoleのオーナー権限は自社で保持します。相手だけが権限を持っている状態だと、契約終了後に自社の手元にデータが残りません。
依頼先を選ぶときに確認する項目をそろえる
依頼先の比較では、提案の根拠がどこにあるかを確認します。改修の提案がGoogleの公開ドキュメントの記述と対応しているかは、担当者でも照合できる項目です。
見積もりを比べる前にそろえる項目は、以下の5つです。
- 作業の対象ページ数と対象テンプレートの範囲
- 改修前後に計測する指標と、その計測方法
- 納品物の形式(実装まで行うのか、指示書の納品までか)
- サイトのソースコードや管理画面の権限をどこまで渡すか
- 契約終了後にレポートと設定を自社へ引き継ぐ手順
順位を保証する提案は避けます。順位はGoogleのシステムが決めるもので、外部の事業者が確約できる性質のものではありません。
SEO内部対策に使うツールの費用を把握する
内部対策の状態確認そのものは、無料のSearch Consoleでほぼ完結します。有料ツールが必要になるのは、サイト全体をまとめてクロールして不具合を一覧にしたい場合や、順位の推移を継続して記録したい場合です。
公式サイトで公開されている料金は、以下の表のとおりです。
| サービス | 公式サイトで案内されている料金 | 主な用途 |
|---|---|---|
| Gyro-n SEO | ライト月額4,500円、スタンダード月額9,600円、プレミアム月額16,800円(いずれも税別・初期導入費用は無料) | 検索順位の記録とサイトの状態確認 |
| Ahrefs | ライト月額19,900円、スタンダード月額38,400円(いずれも税別) | サイト全体の分析と監査 |
| Screaming Frog SEO Spider | 年間245ユーロ(無料版はクロール上限500URL) | サイト全体をクロールして不具合を一覧化 |
ツールの導入は、作業する人が決まってからにします。誰も画面を開かないまま契約だけが続く状態は、内部対策の費用としては無駄になります。
SEO内部対策はクロールとインデックスの土台から始めましょう
SEO内部対策とは、自社サイトの中を直して検索エンジンに正しく読み取ってもらうための施策です。目的は、クローラーにページを見つけさせること、内容を正しく理解させること、訪問者が読みやすい状態にすることの3つでした。項目の数に圧倒される必要はありません。目的の順番どおりに進めれば、作業する順番も自然に決まります。
この記事で解説した施策は、次のとおりです。
- クロールを助ける施策(サイトマップ・内部リンク・パンくずリスト・階層の整理・リンクの記述方法)
- クロールとインデックスを整理する施策(robots.txt・noindex・URLの正規化・リンク切れ・404)
- 内容を正しく伝える施策(タイトルタグ・meta description・見出しタグ・alt属性・構造化データ)
- 使い心地を整える施策(Core Web Vitals・モバイル対応・HTTPS・広告の出し方)
- やってはいけない施策(隠しテキスト・クローキング・キーワードの詰め込み)
内部対策の価値は、外部の事業者に頼まなくても自社の判断で今日から着手でき、状態を無料のSearch Consoleで確認できる点にあります。まずはSearch Consoleを開き、主要なページがインデックスに登録されているかを確認してください。
ご依頼・ご相談を検討中の方は、こちらからお問い合わせください。
