
検索からの問い合わせを増やしてほしいと経営層から言われ、SEOの経験者が社内にいないまま制作会社3社へ見積もりを依頼したものの、提案書に並ぶ項目が会社ごとに違って比較できないことがあります。月額の金額だけが目に入り、何を任せる契約なのかがわからないまま判断を迫られます。原因は、発注する側で「どの業務を外に出すのか」が決まっていない点です。
この記事では、SEOで外注できる業務の範囲、内製との切り分け方、外注のメリットとデメリット、業者の選び方、よくある失敗例を解説します。記事を読めば、見積もりを取る前に自社が外に出す範囲を言葉にできます。SEOの外注は全部を丸ごと任せる契約ではなく、工程ごとに切り分けて必要な部分だけを出す形が現実的です。
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SEOの外注で依頼できる業務の範囲
SEOの外注は、サイト全体をまとめて任せる契約とは限りません。業務ごとに切り出して発注できるため、先に範囲を知っておくと見積もりの項目を比較できます。SEOの外注で依頼できる業務は、以下のとおりです。
- キーワード設計と全体戦略の立案
- 内部対策とテクニカルSEOの改修
- SEO記事の構成作成と執筆
- 外部対策とサイテーションの獲得
- 効果測定とレポートの作成
キーワード設計と全体戦略の立案
SEOの外注で最初に切り出せる業務は、キーワード設計と全体戦略の立案です。キーワード設計とは、自社のサイトがどの検索語で上位表示を狙うかを決め、検索語ごとにどのページを用意するかを割り当てる作業を指します。Googleは検索セントラルのSEOスターターガイドで、サイトを整理してわかりやすいURL構造を採用することと、ユーザーにとって興味深く有益なサイトにすることを基本の施策に挙げています。検索語の選定とページの割り当ては、サイトの整理を支える土台です。
キーワード設計を外に出すと、社内では調べにくい検索需要の大きさや競合サイトの状況を、調査ツールを持つ会社に見てもらえます。一方で、自社が売りたい商品や取りたい案件の情報は社内にしかありません。発注時には、自社の顧客像と受注したい案件の種類を資料にまとめて渡すのが前提です。
提案を受け取ったら、選んだ検索語がなぜ自社の売上につながるのかを業者に説明してもらいます。GoogleはSEO業者へ確認すべき質問として、期待される結果とその時期、成果をどのように測定するのかを挙げています。検索語のリストだけが並び、成果の測り方が書かれていない提案書は、比較の材料としては不十分です。
内部対策とテクニカルSEOの改修
内部対策とは、ページの表示速度やタイトルの書き方、サイト内のリンク構造など、自社サイトの中で手を入れられる施策の総称を指します。Googleは検索セントラルのSEOスターターガイドで、Googleがコンテンツを見つけられるようにすること、タイトルとメタディスクリプションでGoogle検索での見え方に影響を与えること、最適化した画像をサイトに追加することを挙げています。サーバーやHTMLの構造に踏み込むテクニカルSEOも、内部対策の一部です。
内部対策は、CMSやサーバーの設定に触れる作業が多くを占めます。CMSとは、ブログや記事ページを管理画面から更新できる仕組みのことです。社内にエンジニアがいない企業では、改修の指示書だけを受け取っても実装が進みません。実装まで含めて依頼するのか、指示書の作成までを依頼するのかを、見積もりの段階で分けて確認します。
制作会社にサイトを作ってもらった企業では、改修の権限が制作会社側に残っている場合もあります。別の会社へSEOの内部対策を頼むときは、サイトの管理権限をどちらが持つかの整理が必要です。権限の所在があいまいなまま作業を始めると、改修の指示が宙に浮きます。
SEO記事の構成作成と執筆
記事の制作は、SEOの外注でもっとも切り出しやすい業務です。検索語ごとに記事の構成案を作り、本文を執筆し、CMSへ入稿するまでの工程を分けて発注できます。構成案とは、記事の見出しの並びと、各見出しで書く内容をまとめた設計図のことです。
工程を分けると、社内に残す作業を選べます。記事制作の発注でよく使われる分け方は、以下の3つです。
- 構成案の作成だけを外注し、執筆は社内で行う
- 構成案から執筆までを外注し、最終確認と入稿は社内で行う
- 構成案から入稿までをすべて外注する
自社の商品やサービスを扱う記事は、社内の担当者が原稿に手を入れる前提で発注します。外部のライターは多くの場合業界の外にいるため、実際の受注事例や現場の手順までは書きにくくなります。一次情報を社内から渡すか、取材の時間を確保するかのどちらかが必要です。
外部対策とサイテーションの獲得
外部対策は、他のサイトから自社サイトへのリンクや言及を増やす業務です。サイテーションとは、リンクを伴わずに自社名やサービス名が他のサイトで言及されることを指します。外部対策を外注するときは、獲得の方法を必ず確認します。ランキングを上げる目的でリンクを売買する行為は、Googleのスパムポリシーで違反行為とされています。過剰な相互リンクと、自動化されたプログラムを使ったリンクの作成も、Googleは違反行為に挙げています。
違反したときの影響は、サイト全体に及びます。Googleの説明によると、スパムポリシーに違反すると、検索結果での掲載順位が下がったり、検索結果に表示されなくなったりする場合があります。獲得するリンクの本数を保証する提案を受けたときは、獲得の手段を文書で確認します。
外部対策で外注しやすいのは、リンクの売買にあたらない手段です。取材記事の掲載、業界団体への登録、共同での調査リリースなど、他社のサイトに載る理由を作る作業が該当します。作業の中身を説明しない外部対策は、発注の対象から外すのが安全です。
効果測定とレポートの作成
効果測定は、施策の結果を数値で確認し、次の打ち手を決める業務です。検索順位、検索結果での表示回数、クリック数、問い合わせ件数などを毎月まとめ、改善案とセットで報告してもらいます。検索順位や表示回数、クリック数は、Google Search Consoleで確認できます。Google Search Consoleとは、自社サイトが検索結果でどのように表示されているかを無料で確認できるGoogleの公式ツールのことです。
レポートの形式は、契約前に実物を見せてもらいます。GoogleはSEO業者を選ぶ際の確認事項として、担当者とどのように連絡をとればよいか、サイトに加えたすべての変更に関する情報を伝えてくれるかどうかを挙げています。順位の一覧だけが並ぶレポートでは、何をした結果なのかを追えません。
測定の頻度は、施策が反映されるまでの時間に合わせます。Googleは検索セントラルのSEOスターターガイドで、変更が反映されるまでに数時間かかるものも数か月かかるものもあり、一般的には数週間待ってから検索結果への影響を確認することをすすめています。週単位で順位の上下を追うだけの運用は、判断を誤らせる原因です。
SEOを内製する範囲と外注する範囲の切り分け方
SEOの外注でつまずく原因の多くは、業者の力量ではなく範囲の決め方にあります。社内にしかない情報まで外部に預けると、記事が一般論に寄って競合サイトとの差がつきません。SEOを内製する範囲と外注する範囲の切り分け方は、次の4つです。
- 社内にSEOを担当できる人がいるかを確認する
- 専門知識と工数がかかる作業から外に出す
- 自社の商品知識が必要な作業は社内に残す
- 内製化の支援を受けて段階的に社内へ戻す
社内にSEOを担当できる人がいるかを確認する
切り分けの起点は、社内の担当者の有無です。Googleは検索セントラルで、小規模なローカルビジネスの経営者はおそらく作業の多くを自分で行うことができるとし、SEOスターターガイドから始めることをすすめています。サイトの規模が小さく、更新の頻度も高くない段階であれば、社内で取り組める範囲は広く残ります。
判断で見るのは、担当者がいるかどうかだけではありません。担当する人が他の業務と兼務しているか、何時間を毎週SEOに使えるかまで具体的に確認します。週に数時間しか取れない体制でキーワード設計から執筆まで抱えると、記事の公開が止まって施策そのものが動かなくなります。
社内に担当者を置けない場合でも、窓口の役割だけは社内に必要です。発注内容の決定、原稿の確認、公開の可否を判断する人がいないと、外注先は作業を進められません。窓口は専任でなくてよく、決裁の権限を持つ人が兼務する形で足ります。
専門知識と工数がかかる作業から外に出す
外に出す優先順位が高いのは、専門知識と工数の両方がかかる作業です。サーバーの設定変更を伴うテクニカルSEOの改修、毎月まとまった本数が必要な記事の執筆が代表例にあたります。知識の習得に時間がかかる作業を社内で抱えると、習得の途中で施策が止まります。
工数の見積もりで具体的な材料になるのは、公開する記事の本数です。1本の記事に構成案の作成から公開まで数日分の作業が必要だとすると、月に数本の公開を続けるだけで担当者の時間は埋まります。既存の業務を持つ担当者が片手間で回せる分量には上限があるため、公開のペースを先に決めてから内製の可否を判断します。
外に出す作業が決まったら、次に必要なのは成果物の形の合意です。記事であれば文字数と構成案の粒度、内部対策であれば指示書か実装かの区別です。成果物の形が決まっていない発注は、納品物の評価もできません。
自社の商品知識が必要な作業は社内に残す
社内に残す作業の基準は、自社にしかない情報を使うかどうかです。導入事例、価格の決め方、現場でよく出る質問、他社と比べたときの弱点は、外部のライターが調べても出てきません。検索した結果をまとめただけの記事は、競合サイトの記事と内容が重なります。
社内に残す形は、執筆そのものに限りません。外注先が書いた原稿へ、社内の担当者が事実と具体例を書き足す形でも社内の情報は入ります。取材を受ける時間を月に数時間確保し、外注先のライターに話す方法も有効です。
自社の商品を扱うページは、社内の確認を必須にします。料金、対応範囲、保証の内容を外部が推測で書くと、問い合わせの段階で説明の食い違いが起こります。公開前の確認者を1人決めておきましょう。
内製化の支援を受けて段階的に社内へ戻す
外注と内製は、どちらか一方を選ぶ関係ではありません。外注先に伴走してもらいながら、社内へノウハウを移す進め方も選べます。支援の形は会社によって異なり、たとえば株式会社メリルは、SEOやLLMO対策をテーマにした企業研修を実施しています。作業の代行だけでなく、社内向けの支援に応じるかどうかも、外注先を選ぶときに確認しておきたい点です。
段階的に戻す進め方は、次の順序が現実的です。
- 最初の数か月は構成案から執筆までを外注し、社内は原稿の確認に専念する
- 外注先の構成案の作り方を社内で共有し、1本ずつ社内執筆に切り替える
- キーワード設計と効果測定だけを外注に残し、制作を社内で回す
移す対象は、作業だけでなく判断の基準も含みます。外注先が検索語を選んだ理由、構成案で見出しを決めた理由を毎回言葉で残しておくと、社内で同じ判断を再現できます。議事録とレポートの保管先を最初に決めておく方法が確実です。
SEOを外注するメリット
外注の判断は、費用の大小だけでは決まりません。社内の人員だけで回した場合に手が回らなくなる作業を洗い出すと、外注で得られるものがはっきりします。SEOを外注するメリットは、以下の4つです。
- 専門の知識とノウハウをすぐに使える
- 社内の担当者がコア業務に集中できる
- 第三者の視点で自社サイトの課題が見つかる
- 検索アルゴリズムの変化に継続して対応できる
専門の知識とノウハウをすぐに使える
外注の最大の利点は、知識を習得する期間を飛ばせる点です。SEOは検索エンジンの仕様とサイトの構造の両方を理解する必要があり、社内でゼロから学ぶと成果が出るまでの期間が延びます。複数のサイトを担当してきた会社であれば、似た業種で効いた施策と効かなかった施策を持っています。
知識の差がはっきり出るのは、最初の現状分析です。Googleは、SEO業者の監査について、改善内容を現実的に評価し、関連する作業の見積もりを提供する必要があると案内しています。優先順位のついた改善案が最初の提案書に載っているかどうかは、知識の有無を測る材料です。
外注先の知識を社内に残す方法もあります。改善案に対して、なぜその施策が必要なのかを毎回聞き、回答を記録に残します。積み上がった記録は、次に発注するときの判断材料になります。
社内の担当者がコア業務に集中できる
SEOの実務は、時間を大きく使う作業の集まりです。キーワードの調査、構成案の作成、執筆、校正、入稿、順位の確認をすべて社内で回すと、担当者の時間がSEOだけで埋まります。営業資料の作成や展示会の準備など、他の集客施策に手が回らなくなる状態が起こります。
外注で得られるのは、時間そのものだけではありません。担当者が意思決定と他チャネルの施策に時間を使えるようになり、会社全体で見た成果が変わります。作業を渡すか、判断を渡すかを分けて考えると、外注する範囲を決めやすくなります。
時間の効果を測る材料は、外注前の作業時間の記録です。記事1本の制作に何時間かかっていたかがわかれば、外注費と社内工数の比較が可能です。比較の材料がないまま費用だけを見ると、外注の判断は感覚に寄ります。
第三者の視点で自社サイトの課題が見つかる
自社サイトの課題は、運用している当事者ほど見えにくくなります。毎日見ているページの構成やナビゲーションの表現は、社内では当たり前に読めても、初めて訪れた人には伝わらない場合があります。社内で前提になっていた表現の問題は、外部の視点が入って初めて見つかる種類の課題です。
第三者の指摘は、社内の合意形成にも効きます。サイトの改修は他部署の協力が必要になる場面が多く、社内の一担当者の提案では動かないこともあります。外部の分析結果と改善案が資料の形で残っていれば、部署をまたいだ説明の材料になります。
指摘を受け取る側の準備も必要です。現状の課題認識、過去に試した施策、動かせない制約を最初に共有しておくと、分析の精度が上がります。共有がないまま診断を受けると、社内ですでに把握している内容が並ぶだけの資料が届きます。
検索アルゴリズムの変化に継続して対応できる
検索エンジンの仕様は、一度対応すれば終わる性質のものではありません。Googleは検索の仕組みを継続的に更新しており、順位が動いた原因を切り分けるには、施策の履歴と外部の動向の両方を追う必要があります。
情報を追い続ける負担は、社内の担当者にとって小さくありません。公式のアナウンスに目を通し、自社サイトへの影響を判断し、必要なら改修を手配する流れを、他の業務と並行して回すことになります。複数のサイトを見ている会社であれば、同じ変化の影響を他のサイトでも観測しています。
契約時に確認するのは、変化への対応が費用に含まれるかどうかです。月額の契約であっても、アルゴリズムの変動時の追加調査が別料金の場合もあります。対応の範囲は見積書の項目として残しておきます。
SEOを外注するデメリット
外注で解決しない問題も存在します。発注してから気づくと契約期間を無駄にするため、あらかじめ把握して手当てを決めておきます。SEOを外注するデメリットは、以下の4つです。
- 成果が出る前から費用が発生する
- 自社にSEOのノウハウが蓄積しにくい
- 業界の知識が不足して記事の内容が浅くなる
- 業者の施策がスパムポリシーに触れる場合がある
成果が出る前から費用が発生する
SEOの費用は、成果より先に発生します。記事の公開やサイトの改修を終えても、検索結果への反映には時間がかかるためです。Googleは検索セントラルのSEOスターターガイドで、変更が反映されるまでに数時間かかるものも数か月かかるものもあり、一般的には数週間待ってから検索結果への影響を確認することをすすめています。
費用が先行する構造は、契約期間の決め方に影響します。数か月かかる施策に短い契約を結ぶと、評価の前に契約が切れてしまいます。反対に長い契約を結ぶと、成果が出ないまま支払いが続くリスクを負います。
手当ての方法は、中間の指標を決めておくやり方です。順位や問い合わせ件数が動く前でも、公開した記事の本数、改修した項目の数、検索結果での表示回数は先に動きます。契約時に中間の指標を合意しておくと、途中経過の評価が可能です。
自社にSEOのノウハウが蓄積しにくい
作業をすべて外部に預けると、判断の基準が社内に残りません。記事が公開され順位が動いても、なぜその結果になったのかを説明できる人が社内にいない状態が続きます。外注先を変えた時点で、それまでの施策の意図がわからなくなります。
蓄積が進まない状態は、費用の判断にも影響する問題です。提案された施策が自社に必要かどうかを判断できないまま、見積書の金額だけで発注の可否を決めることになります。次年度の予算を組む根拠も社内に残りません。
対策は、成果物と一緒に判断の理由を受け取る運用です。キーワードを選んだ理由、構成案で見出しを決めた理由、改修の優先順位をつけた理由を、レポートに含めてもらいます。理由の記録は、内製へ戻すときの教材にもなります。
業界の知識が不足して記事の内容が浅くなる
外部のライターは、多くの場合発注側の業界の外にいます。専門性の高い商材や、業界特有の商習慣を扱う記事では、調べた範囲の情報だけで書かれた原稿が上がってくることがあります。競合サイトの記事と内容が重なった原稿は、読み手にとって選ぶ理由のない記事です。
原稿の質は、渡す材料の量で大きく変わります。商品の資料、よくある質問、営業が現場で使っている説明、過去の失注理由まで渡すと、記事に入る情報の密度が変わります。材料を渡さずに文字数だけを指定して発注すると、一般論の記事になりがちです。
確認の工程も社内に必要です。事実の誤りと、自社の方針に合わない表現は、公開前に社内でしか見つけられません。確認の担当者と所要時間を、発注の計画に最初から入れておきます。
業者の施策がスパムポリシーに触れる場合がある
外注先が行う施策の責任は、サイトを運営する自社に及びます。Googleは、SEO業者が人を欺くようなコンテンツをユーザーの代わりに作成した場合、そのユーザーのサイトがGoogleインデックスから完全に削除される可能性があると説明しています。作業の中身を確認しないまま任せても、結果を引き受けるのは自社です。
Googleのスパムポリシーは、具体的な違反行為を挙げています。リスクの高い施策は、以下の3つです。
- ランキングを上げる目的でリンクを売買する
- 他のサイトのコンテンツを、元のソースを引用もせず、独自の価値も加えずに転載する
- 生成AIツールを使い、ユーザーへの価値を付加せずに大量のページを生成する
違反の有無は、成果物を見ればある程度確認できます。獲得したリンクの一覧、記事の元になった情報源、ページの生成方法を、報告の項目として最初に指定します。確認できない項目が含まれる提案は、発注前に説明を求めましょう。
SEO外注の費用の決まり方
費用は、依頼する業務の範囲とサイトの規模で決まります。同じ「SEO対策」の名前でも、診断だけの依頼と、記事の制作まで含む依頼では見積書の金額が変わります。SEO外注の料金体系は、以下の表のとおりです。
| 料金体系 | 費用が発生する条件 | 主な依頼の形 |
|---|---|---|
| 月額固定型 | 契約期間中は毎月一定額 | 継続的な改善と運用の支援 |
| 成果報酬型 | 指定したキーワードが上位に入ったとき | 特定のキーワードでの上位表示 |
| スポット型 | 依頼した作業ごとに1回 | サイト診断や単発の改修 |
記事制作は1文字あたりの文字単価や1記事あたりの記事単価で、コンサルティングは月額固定で見積もられる場合が多く、構成案の作成や入稿まで含むかどうかで金額が変わります。
金額の比較は、同じ範囲どうしで行います。月額の数字だけを並べても、含まれる作業が違えば高いか安いかは判断できません。見積書を受け取ったら、作業の項目と1か月あたりの想定工数を書き出してもらい、項目の粒度をそろえてから比較します。
失敗しないSEO外注先の選び方
業者選びの基準は、金額と実績の2つだけではありません。Googleは検索セントラルで、SEO業者を選ぶ際に確認すべき質問と、注意すべき業者の特徴を公開しています。失敗しないSEO外注先の選び方は、次の5つです。
- 過去の実績と事例を具体的に見せてもらう
- 施策の内容と根拠を説明できるかを確かめる
- 実際に作業する担当者と連絡方法を確認する
- 上位表示の保証をうたう業者を避ける
- 内製化の支援に応じるかを確認する
過去の実績と事例を具体的に見せてもらう
最初に確認するのは、過去の仕事の中身です。Googleは、SEO業者へ確認する内容として、過去の作業のサンプルと成功事例をいくつか紹介してもらえるか、Google検索の基本事項に準拠しているかを挙げています。実績の件数だけでは、自社と近い状況で成果を出したかどうかまではわかりません。
確認したいのは、自社と近い条件の事例です。業種、サイトの規模、社内の体制、かけた期間の4点が近い事例であれば、自社で再現できるかを判断できます。条件が大きく違う事例しか出てこない場合は、その理由を聞きます。
Googleが挙げるもう一つの手段は、過去の顧客への確認です。提供されたサービスが役に立ったか、スムーズに連携できたか、良好な成果が得られたと感じたかを尋ねる方法です。紹介可能な既存顧客がいるかどうかも、問い合わせの段階で確認できます。
施策の内容と根拠を説明できるかを確かめる
提案の中身は、理由まで聞いて判断します。Googleは、隠し立てする会社や、行動の目的を明確に説明しない会社には用心するよう案内しています。作業の一覧だけが並び、なぜ必要なのかが書かれていない提案書は、比較の材料になりません。
説明の質は、質問への答え方で見分けられます。自社サイトの現状をどう見たか、改善の優先順位をどうつけたか、効果が出なかった場合に何を次に試すかの3点を聞きます。答えが一般論に終始する場合に疑うのは、自社サイトを実際に見ていない可能性です。
Googleは、業者が発注側の会社とビジネスに関心を持っているかの確認も挙げています。関心のある業者は、ビジネスの独自性、競合他社、検索結果がどのように役立つかについて質問してくるとGoogleは説明しています。提案の前に質問がまったく来ない場合は、注意する材料が1つ増えます。
実際に作業する担当者と連絡方法を確認する
契約前に会う担当者と、実際に作業する担当者は同じとは限りません。Googleは、SEO業者を選ぶ際の確認事項として、担当者とどのように連絡をとればよいか、サイトに加えたすべての変更に関する情報とアドバイスの内容を詳しく伝えてくれるかどうかを挙げています。窓口が営業担当だけの体制では、施策の詳細を確認するたびに時間がかかります。
確認する項目は、契約後の運用に直結するものばかりです。定例の打ち合わせの頻度、連絡の手段、質問への回答にかかる時間の3つを、契約前に文書で確認します。
担当者が交代する場合の引き継ぎも、契約前の確認事項です。長期の契約では担当の変更が起こり、施策の意図が途切れる場面があります。議事録とレポートの保管方法を最初に決めておくと、交代時の影響を抑えられます。
上位表示の保証をうたう業者を避ける
避けるべき業者の特徴は、Googleが具体的に公開しています。Googleが警告している業者の主張は、以下の4つです。
- 検索結果の最初のページに必ず表示されるようになると主張する
- Googleとの特別な関係を強調する
- Googleへの優先登録を宣伝している
- 何千もの検索エンジンへのサイトの登録申請などによる効果を宣伝している
上記の主張が提案に含まれる場合、施策の中身を確認する必要があります。順位は検索エンジン側のアルゴリズムで決まるため、外部の会社が結果を保証できる性質のものではありません。保証を成立させる手段としてリンクの売買が使われると、スパムポリシーへの違反につながります。
営業のメールにも同じ基準を当てます。Googleの案内では、不審なメールに注意し、不明確な業者には説明を要求することが必要です。送られてきた提案の根拠が示されない場合は、発注の検討から外す判断が安全です。
内製化の支援に応じるかを確認する
長く付き合う相手かどうかは、内製化への姿勢でも判断できます。社内へノウハウを移す前提の契約であれば、外注費は時間とともに下げられる見込みです。
確認するのは、支援の具体的な形です。社内向けの勉強会、構成案の作り方のマニュアル、レビューだけを受ける契約への移行が用意されているかを聞きます。内製化の話を持ち出した時点で契約の継続を優先する反応が返る場合は、関係の前提が合いません。
内製化を前提にすると、レポートの中身も変わります。結果の数値だけでなく、判断の理由まで書かれたレポートが必要です。契約時に、レポートへ理由を含める形で合意しておきます。
SEOの外注でよくある失敗例
同じ失敗は、業種を問わず繰り返されています。発注側の準備で防げるものが多くを占めるため、契約前に対策を決めておきます。SEOの外注でよくある失敗例は、以下の4つです。
- 目的と指標を決めないまま発注する
- 原稿を確認せずに公開まで任せる
- 数週間で成果を判断して契約を打ち切る
- 被リンクの購入を業者に任せる
目的と指標を決めないまま発注する
最も多い失敗は、ゴールを決めずに発注する形です。「検索順位を上げたい」だけを伝えると、上位表示が目的になり、問い合わせの増加とは結びつかない検索語が選ばれる場合があります。自社の売上につながる検索語は、検索回数が少ないこともあります。
目的の決め方は、業務の側からの逆算です。増やしたい問い合わせの種類、その問い合わせが来る商材、商材を検討している人が調べる言葉の順に並べると、狙う検索語が決まります。Googleも、業者へ確認する内容として期待される結果とその時期、成果の測定方法を挙げています。
指標を書き残す先は、契約書か議事録です。口頭で合意した目的は、担当者が交代した時点で消えます。数値の目標だけでなく、達成の判定方法まで書いておくと、契約更新時の判断が機械的にできます。
原稿を確認せずに公開まで任せる
制作を外注した記事を、確認せずに公開する運用は危険です。事実の誤り、自社の方針と違う表現、競合他社への言及が、そのまま自社サイトに載ります。公開後に問い合わせで指摘を受けてから気づく事態も起こります。
確認の負担を下げる方法は、工程の分割です。構成案の段階で内容の方向を確認し、本文では事実関係と自社の表現だけを見る流れです。全文を毎回読み直す運用は続かないため、確認する観点を絞って定型化します。
確認の記録は、外注先へのフィードバックに使います。同じ指摘が繰り返される場合に疑うのは、発注時の指示の不足です。指摘の内容を一覧にして共有すると、次の納品から反映されます。
数週間で成果を判断して契約を打ち切る
短期での打ち切りは、費用を無駄にしやすい判断です。Googleは検索セントラルで、変更が反映されるまでに数時間かかるものも数か月かかるものもあり、一般的には数週間待ってから検索結果への影響を確認することをすすめています。公開した記事が評価されるまでの時間を見込まずに判断すると、成果が出る直前で施策を止めることになります。
反対に、何も見ずに契約を続ける運用も問題です。順位や問い合わせ件数が動く前の段階でも、公開した記事の本数、改修した項目、検索結果での表示回数は確認できます。中間の指標が動いていない場合は、期間の長さとは別の問題があると考えられます。
判断の時期は、契約時に決めておきます。3か月後に中間の指標、半年後に成果の指標を見る形で合意しておけば、途中の順位変動で揺れません。評価の時期を決めない契約は、感覚での打ち切りを招きます。
被リンクの購入を業者に任せる
短期間で順位を上げる提案には、リンクの売買が含まれる場合があります。ランキングを上げる目的でリンクを売買する行為は、Googleのスパムポリシーで違反行為とされています。Googleの説明によると、違反すると検索結果での掲載順位が下がったり、検索結果に表示されなくなったりする場合があります。
リスクの所在は、発注側にあります。Googleは、SEO業者が人を欺くようなコンテンツをユーザーの代わりに作成した場合、そのユーザーのサイトがGoogleインデックスから完全に削除される可能性があると説明しています。業者が行った施策であっても、影響を受けるのは自社のサイトです。
防ぐ方法は、獲得の手段を報告項目に入れる運用です。どのサイトから、どのような経緯でリンクを得たかを毎月の報告に含めてもらいます。手段を明かさない業者や、リンクの本数だけを成果として報告する業者は、発注の対象から外します。
SEOの外注は業務の切り分けから始めましょう
SEOの外注は、全部を任せる契約ではありません。キーワード設計、内部対策、記事の制作、外部対策、効果測定の5つに分解し、自社で回せない部分だけを出す形が現実的です。切り分けが決まると、見積書の項目を同じ土俵で比較できます。
SEOの外注で押さえる点は、次の4つです。
- 外注できる業務を5つに分け、自社の体制で回せない範囲から出す
- 自社にしかない情報を使う作業は社内に残し、原稿の確認者を決めておく
- 業者選びでは実績と根拠の説明を確認し、上位表示を保証する業者を避ける
- 評価の時期と中間の指標を契約時に決め、短期の順位変動で判断しない
最初に取りかかるのは、現在の作業の棚卸しです。キーワードの調査から公開までの工程を書き出し、社内で回せている工程と止まっている工程に印を付けます。止まっている工程が、最初に見積もりを取る範囲です。棚卸しの表を作るところから始めましょう。
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