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BtoBサイト制作で押さえる要件とページ構成!進め方と依頼先の選び方も解説

サイト制作
BtoBサイト制作の要件と進め方。縦に並んだ4つの枠。

自社サイトからの問い合わせが月に数件しかなく、営業会議でサイトの作り直しが決まった。担当を任されて制作会社のページを開いてみると、料金も進め方も会社ごとに違い、何を基準に比べればよいのかが見えてこない。そんな状況ではありませんか。

比べられない原因は、自社のBtoBサイトに何が必要かがまだ決まっていないことです。この記事では、BtoBサイト制作で押さえる要件、ページ構成、制作の進め方、依頼先の選び方を解説します。記事を読めば、制作会社に相談する前に自社で決めておく項目がわかります。BtoBサイトは、取引先の担当者が複数社を比べる前提で判断材料と問い合わせの受け皿を要件として決め、要件をもとに依頼先を選ぶのが確実です。

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BtoBサイトとは法人の担当者が比較検討して問い合わせるためのWebサイト

BtoBサイトは、企業が企業に向けて製品やサービスを紹介し、問い合わせや資料請求につなげるためのWebサイトです。BtoBは企業間の取引を指す言葉で、個人の消費者に売る取引はBtoCと呼ばれます。

BtoBサイトの役割は、営業担当者が会う前の段階で、見込み客に検討の材料を渡すことです。見込み客とは、将来の取引につながる可能性がある相手を指します。法人の購買では、担当者が情報を集め、上司や関係部署の承認を経て発注先が決まります。

BtoBサイトとBtoCサイトの違いは、以下の表のとおりです。

比べる点 BtoBサイト BtoCサイト
購入を決める人 担当者・上司・関係部署など複数 本人(または家族)
検討の期間 社内の承認を経るため長い 短いことが多い
判断の仕方 費用や効果を根拠に比べる 好みや印象の比重も大きい
サイトの主なゴール 問い合わせ・資料請求 購入・会員登録

複数の人が読み、時間をかけて比べるため、BtoBサイトには社内で説明に使える材料が欠かせません。担当者がサイトで集めた情報は、比較表や稟議書にまとめられて上司の目に触れます。料金の目安や導入事例が見つからないサイトは、比較表の欄を埋められず、候補から外されやすくなります。

BtoBサイト制作で押さえる要件

見た目を新しくしただけのBtoBサイトでは、問い合わせは増えません。法人の担当者が比較し、社内で承認を取るまでの動きに合わせて、サイトに持たせる要件を先に決める必要があります。BtoBサイト制作で押さえる要件は、以下の10個です。

  • 比較検討される前提で判断材料をそろえる
  • 何の会社で誰の課題を解決するかを最初の画面で伝える
  • 検討の段階に合わせて問い合わせ以外の受け皿を用意する
  • どのページからも次の行動に進める導線を置く
  • 導入事例を掲載できる状態を制作前に整える
  • 問い合わせフォームの入力項目を営業に必要なものに絞る
  • 公開後に社内で更新できる仕組みを選ぶ
  • スマートフォン表示と検索エンジンへの対応を標準にする
  • 個人情報の利用目的とフォームの安全性を整える
  • 問い合わせの数と質を計測できるようにする

比較検討される前提で判断材料をそろえる

BtoBサイトには、担当者が他社と比べるときに使う情報を、問い合わせをしなくても読める形で載せておきます。法人の担当者は複数の会社のサイトを開き、料金や機能、実績を横に並べてから候補を絞るためです。

比較の材料としてサイトに載せておきたい情報は、次のとおりです。

  • 製品やサービスで解決できる課題
  • 料金の目安または料金の決まり方
  • 導入事例と導入後の結果
  • 導入までの流れと期間
  • 他の方法や他社との違い
  • サポートの範囲

料金を公開しにくい商材でも、料金の決まり方や最低価格だけを載せる方法があります。社内の承認者は予算と照らして判断するので、金額の手がかりがないと検討が先に進みません。

比較の材料が足りないサイトでは、担当者は問い合わせをする前に別の会社へ移ります。営業担当者が説明すれば伝わる強みも、サイトに書かれていなければ比較の場には出てきません。

何の会社で誰の課題を解決するかを最初の画面で伝える

トップページの最初の画面(ファーストビュー)には、何の会社で、どの業種のどんな課題を解決するのかを書きます。検索や広告から初めて訪れた担当者は、最初の画面を見て、自分に関係のあるサイトかどうかを判断します。

企業理念や抽象的なキャッチコピーだけを大きく置くと、何を売っている会社なのかが伝わりません。「製造業の在庫管理を自動化するクラウドサービス」のように、対象と提供する価値を具体的な言葉で書くのが基本です。

最初の画面には、資料請求や問い合わせのボタンも並べておきます。比較をすでに進めている担当者は、トップページから直接、次の行動へ移れます。

検討の段階に合わせて問い合わせ以外の受け皿を用意する

BtoBサイトの受け皿が問い合わせだけだと、検討を始めたばかりの担当者を取りこぼします。情報を集めている段階の担当者には、営業担当者と話す前に資料を読んで社内で共有したい事情があるからです。

検討の段階ごとに用意しておきたい受け皿は、以下のとおりです。

  • 情報収集の段階:お役立ち資料のダウンロード・メールマガジンの登録
  • 比較の段階:サービス資料のダウンロード・セミナーへの参加
  • 導入を決める段階:問い合わせ・見積もりの依頼・デモの申し込み

資料のダウンロードは、会社名と連絡先を入力すると資料を受け取れる形にします。今すぐ相談する予定のない担当者とも連絡先を交わせるため、営業部門は検討が進んだ時期に改めて接点を持てます。

どのページからも次の行動に進める導線を置く

導線とは、サイトを訪れた人が目的のページや問い合わせにたどり着くまでの道筋のことです。BtoBサイトでは、担当者がどのページから読み始めても、次に読むページか問い合わせのボタンへ進めるように設計します。

問い合わせや資料請求のボタンを置く場所の例は、次のとおりです。

  • 最初の画面
  • 画面上部のメニュー(グローバルナビゲーション)
  • 各ページの本文の終わり
  • 導入事例や料金のページの末尾

1つの画面にボタンの種類を並べすぎると、どれを押せばよいかで担当者を迷わせます。ページの内容に合った受け皿を1つか2つに絞り、「資料を無料でダウンロード」のように押すと何が起きるかをボタンの文言で伝えましょう。

導入事例を掲載できる状態を制作前に整える

導入事例は、同じ業種や同じ課題を持つ会社が、導入して何が変わったかを伝える情報です。比較している担当者にとって、自社と立場の近い会社の結果は、社内で導入を説明するときの根拠になります。

導入事例は、制作会社だけでは用意できません。取引先に掲載の許可を取り、取材の日程を調整する作業は、発注する側の仕事です。制作が始まってから取引先に依頼すると公開に間に合わないことがあるため、要件を決める段階で候補の取引先を挙げておきます。

社名を出せない取引先については、業種と従業員の規模だけを示す形で掲載する方法もあります。掲載する範囲の基準は、取引先と合意した内容です。

問い合わせフォームの入力項目を営業に必要なものに絞る

問い合わせフォームは、営業担当者が次の連絡をするために必要な項目だけに絞ります。入力項目が多いフォームほど、入力の途中でページを離れる人が増えるためです。

BtoBの問い合わせフォームで基本になる項目は、次のとおりです。

  • 会社名
  • 氏名
  • メールアドレス
  • 電話番号
  • 問い合わせの内容

従業員数や予算の項目は、営業の優先順位を決めるのに役立つ一方で、入力の負担を増やします。必須にする項目と任意にする項目を分け、資料ダウンロードのフォームは問い合わせより少ない項目にすると、受け皿ごとの役割がはっきりします。

入力ミスをその場で知らせる表示や、郵便番号から住所を自動で入れる機能も、入力の負担を減らす工夫の1つです。

公開後に社内で更新できる仕組みを選ぶ

BtoBサイトは、公開した時点で完成するものではありません。導入事例の追加や料金の改定、セミナーの告知など、公開後も更新の作業が続きます。更新のたびに制作会社へ依頼する体制では費用と時間がかかり、古い情報が残りやすくなります。

社内で更新するための仕組みが、CMSです。CMSとは、専門知識がなくてもWebサイトのページを追加・編集できる管理システムのことで、プログラムを書かずに画面を作れるノーコード型の製品もあります。

制作会社にCMSを入れてもらうときに先に伝える内容は、社内で更新したいページの種類と、更新を担当する人です。更新を担当する人が実際に画面を操作して、使いこなせるかを確かめておくと、公開後に更新が止まる事態を防げます。

スマートフォン表示と検索エンジンへの対応を標準にする

Googleは、スマートフォン用のクローラーで読み込んだモバイル版のページを使って、インデックス登録とランキングを行っています。モバイル版のページに表示されない内容は、インデックス登録に使われません。パソコンで見る前提でスマートフォンの表示を簡略にすると、検索で見つけてもらえる情報まで減ることになります。

画面の幅に合わせて表示を切り替えるレスポンシブウェブデザインで作れば、1つのページでパソコンとスマートフォンの両方に対応できます。

制作の段階で決めておきたい検索エンジンへの対応は、以下のとおりです。

  • ページごとに内容を正確に表すタイトルを付ける
  • ページの要点を簡潔にまとめた説明文(メタディスクリプション)を書く
  • ページの内容がわかる言葉をURLに含める
  • 似たテーマのページを同じディレクトリにまとめる
  • 公開と同時にGoogle Search Consoleを設定する

Google Search Consoleを設定しておくと、自社サイトがGoogle検索でどのように表示されているかを公開直後から確認できます。検索での見え方を確かめられれば、タイトルや説明文を直すべきページも判断しやすくなります。

個人情報の利用目的とフォームの安全性を整える

問い合わせフォームや資料ダウンロードのフォームで氏名やメールアドレスを受け取ることは、個人情報の取得にあたります。個人情報保護法では、本人から書面(電磁的記録を含む)で直接個人情報を取得するとき、あらかじめ本人に利用目的を明示する必要があります。

Webサイトのフォームで利用目的を示す方法は、送信ボタンを押す前に利用目的が目に入る位置に書くか、1回程度のページ移動で利用目的のページに届くリンクを置く形です。取得した個人データは、漏えいや滅失、毀損を防ぐための安全管理措置の対象です。

フォームやCMSには、外部からの攻撃に使われる弱点(脆弱性)が生じることがあります。SQLインジェクションやクロスサイト・スクリプティングといった代表的な脆弱性への対策を、制作会社がどう行うのかを確かめておきます。CMSの本体と追加機能の更新を誰が担うのかも、公開前に決めておく項目です。

問い合わせの数と質を計測できるようにする

公開後の改善には、どのページから何件の問い合わせや資料請求があったかのデータが欠かせません。計測の設定は、公開後に足すより制作の段階で要件に入れておく方が確実です。

Google アナリティクス4(GA4)では、問い合わせの完了や資料のダウンロードのように、事業にとって重要な行動を「キーイベント」として設定できます。キーイベントを設定しておくと、どの流入元が問い合わせにつながったかを数字で比べられます。

問い合わせの件数が増えても、営業の対象にならない問い合わせばかりでは商談は増えません。問い合わせから商談、受注に進んだ件数を営業部門と共有する方法を決めておけば、どのページが成果につながっているかを判断できます。

BtoBサイトはコーポレートサイトとサービスサイトのどちらで作るかを先に決める

BtoBサイトには、会社全体を紹介するコーポレートサイトと、特定の製品やサービスの紹介に絞ったサービスサイトがあります。コーポレートサイトは会社の信用を伝える役割が大きく、取引先や採用の応募者、株主など幅広い相手が訪れます。サービスサイトは、製品やサービスへの問い合わせや資料請求を集めることに役割を絞ったサイトです。

扱う製品やサービスが少ない会社では、コーポレートサイトの中に製品のページを充実させる形も選べます。複数の事業を持ち、事業ごとに見込み客が違う会社では、製品やサービスごとにサイトを分ける方法も候補に入ります。どちらの形で作るかによってページ構成も制作会社への依頼範囲も変わるため、要件を決める段階で方針をはっきりさせておきましょう。

BtoBサイトのページ構成

比較検討する担当者が知りたい順に情報を並べると、BtoBサイトのページ構成は多くの会社で似た形になります。各ページの役割を決めてから制作に入ると、ページ同士で内容が重なる無駄も防げます。BtoBサイトの基本となるページ構成は、以下のとおりです。

  • トップページ
  • 製品・サービスのページ
  • 導入事例のページ
  • 料金のページ
  • 資料ダウンロードのページ
  • よくある質問のページ
  • お問い合わせのページ
  • 会社概要のページ
  • お役立ち記事のページ

トップページ

トップページは、初めて訪れた担当者にサイト全体を案内するページです。最初の画面で事業内容と対象を伝え、その下に詳しいページへの入口を順に並べます。

トップページに置く主な要素は、次のとおりです。

  • 事業内容と対象を伝えるキャッチコピー
  • 解決できる課題
  • 自社が選ばれる理由
  • 導入事例の抜粋
  • 導入までの流れ
  • 資料請求と問い合わせのボタン

トップページの中ですべてを説明しきる必要はありません。各要素から詳しいページへ進めるリンクを置き、トップページは目次の役割に徹すると、読み手が自分の知りたい情報へ早くたどり着けます。

製品・サービスのページ

製品・サービスのページは、何ができて、どの課題が解決するのかを具体的に説明するページです。機能の一覧を並べるだけでは、担当者が自社の業務に当てはめて考えられません。担当者が抱えている課題と、製品を使ったあとの業務の変化を対にして書きます。

他社との違いや選ばれる理由も、製品・サービスのページに書く内容です。選ばれる理由が多い会社では、独立したページに分けて詳しく説明する形もとれます。

製品・サービスのページを読むのは、現場の担当者だけではありません。承認する上司や経理の担当者も目を通すので、専門用語には短い説明を添えておくと伝わりやすくなります。

導入事例のページ

導入事例のページは、自社の製品やサービスを導入した会社の結果を紹介するページです。読み手が自社と比べやすいよう、どの事例も同じ順序で書きます。

導入事例のページの基本の構成は、以下のとおりです。

  • 導入した会社の業種と規模
  • 導入前に抱えていた課題
  • 製品やサービスを選んだ理由
  • 導入後の変化と数字で示せる結果
  • 導入を担当した人のコメント

事例が増えてきたら、業種別や課題別に絞り込めるようにします。担当者は自社に近い条件の事例を探して読むので、絞り込みがあると目的の事例にすぐ届きます。

料金のページ

料金のページは、費用の目安と料金の決まり方を示すページです。社内の承認を取る担当者は、予算と照らして候補を絞ります。

個別に見積もる商材では、料金を決める要素と、最低価格または代表的な料金の例を載せる方法があります。料金を決める要素とは、利用人数や作業の範囲、契約期間などのことです。

料金のページの近くには、見積もりの依頼ボタンを置きます。金額を確かめた担当者は、自社の条件での見積もりを次に知りたくなるので、料金のページは問い合わせにつながりやすい入口になります。

資料ダウンロードのページ

資料ダウンロードのページは、サービスの紹介資料やお役立ち資料を、連絡先の入力と引き換えに提供するページです。お役立ち資料は、業界の課題や解決方法をまとめた資料で、ホワイトペーパーとも呼ばれます。

資料の中身が見えないと、担当者には連絡先を入力する理由がありません。資料の表紙や目次、資料を読むとわかることの一覧を載せ、ダウンロードの前に中身を想像できるようにします。

資料の種類が複数ある場合に役立つのが、資料の一覧ページです。サービスの紹介資料、導入事例集、料金表のように用途ごとに分けておくと、担当者は検討の段階に合った資料を選べます。

よくある質問のページ

よくある質問のページは、営業担当者が商談のたびに答えている質問を、先にまとめて答えておくページです。質問の例は、契約期間や導入までの期間、サポートの範囲、セキュリティの対策などです。

質問は、営業担当者や問い合わせの窓口に実際に届いた質問から選びます。制作会社の側では、自社の顧客がどこでつまずくのかまではわかりません。

回答は、1つの質問に対して結論から書きます。詳しい説明が必要な質問は、製品・サービスのページや料金のページへのリンクを添えると、同じ内容を何か所にも書かずに済みます。

お問い合わせのページ

お問い合わせのページは、担当者が営業担当者との相談を申し込むためのページです。フォームの冒頭に、問い合わせの種類を選ぶ欄を置くと、受け取った側が担当部署へ振り分けやすくなります。

お問い合わせのページに用意しておきたい要素は、以下のとおりです。

  • 問い合わせの種類を選ぶ欄
  • 入力項目を絞ったフォーム
  • 個人情報の利用目的の表示またはリンク
  • 返信までの目安
  • 送信後に表示する完了ページ

送信後の完了ページを独立したページにしておくと、問い合わせの完了を計測しやすくなります。完了ページには、返信を待つ間に読める導入事例や資料へのリンクを置く方法もあります。

会社概要のページ

会社概要のページは、取引先として信頼できる会社かを確かめるために読まれるページです。製品の情報だけでは、初めて取引する相手に会社の実体が伝わりません。

会社概要のページに載せる基本の情報は、次のとおりです。

  • 会社名と所在地
  • 設立年
  • 資本金
  • 代表者
  • 事業内容
  • 主な取引先(掲載の許可がある場合)

会社概要の情報が古いと、読み手に管理が行き届いていない印象を与えます。役員の交代や移転があったときは、ほかのページより先に更新します。

お役立ち記事のページ

お役立ち記事のページは、業務の課題や解決方法を解説する記事を載せるページで、呼び方はブログやコラムなど会社によってさまざまです。製品名をまだ知らない担当者も、業務の課題を検索してお役立ち記事にたどり着きます。

お役立ち記事の末尾には、記事のテーマに関連する資料のダウンロードボタンを置きます。記事を読んで課題を整理した担当者が、そのまま資料を受け取れる流れを作るためです。

お役立ち記事は、公開後に継続して追加していくページです。更新を続ける体制が組めない場合は、本数を増やすより、製品・サービスのページや導入事例の充実を優先する方が成果につながります。

BtoBサイト制作の進め方

BtoBサイトの制作は、要件定義から公開後の運用まで、大きく5つの工程で進みます。工程ごとに自社が決めることと用意するものを把握しておけば、制作の途中で作業が止まる時間を減らせます。BtoBサイト制作の進め方は、以下の5つの工程です。

  1. 要件定義で目的と目標と必要な機能を決める
  2. サイトマップとワイヤーフレームで設計する
  3. 原稿とデザインを作りシステムに実装する
  4. 公開前に表示と動作を確認して公開する
  5. 公開後に問い合わせの数と質を見て改善する

要件定義で目的と目標と必要な機能を決める

要件定義は、BtoBサイトで何を達成するか、達成するために何が必要かを文書にまとめる工程です。制作会社に相談する前に自社で要件を整理しておくと、提案の中身を自社の基準で判断できます。

要件定義で決めておく項目は、以下のとおりです。

  • サイトの目的と、問い合わせや資料請求の目標件数
  • 対象とする業種・企業規模・担当者の役職
  • 自社の強みと競合との違い
  • 必要なページと機能
  • 社内で更新する範囲と担当者
  • 公開したい時期と予算の上限

要件をまとめた文書は、制作会社に提案と見積もりを依頼するときの提案依頼書(RFP)として使えます。同じ文書を複数の会社に渡せば、条件のそろった提案と見積もりが返ってきます。

サイトマップとワイヤーフレームで設計する

サイトマップは、サイト全体のページの一覧と階層を示した図です。ワイヤーフレームは、各ページに置く要素と配置を線と枠で示した設計図を指します。

設計の段階で発注する側が確認するのは、比較に必要な情報がどのページに載るかと、各ページに次の行動への導線があるかの2点です。デザインが仕上がってから構成を変えると、デザインの作り直しが発生します。ページの構成と要素を固めるのは、ワイヤーフレームの段階です。

リニューアルの場合は、既存のページを新しい構成のどこに移すかも、設計の段階で一覧にします。既存の内容をそのまま移すのではなく、課題を整理したうえで残すページと作り直すページを選び分けます。

原稿とデザインを作りシステムに実装する

設計が固まったら、原稿の作成、デザインの制作、システムへの実装を進めます。製品の説明や導入事例の原稿は、自社の情報がなければ書けません。原稿の作成を制作会社に任せる場合も、取材への協力や資料の提供は発注する側が行います。

原稿の準備が遅れると、制作期間そのものが延びます。社内で原稿を書く担当者と、内容を確認する担当者を早めに決めておくことが大切です。確認する人が決まっていないと、原稿が社内で止まったまま公開の予定日が近づきます。

デザインの土台は、ワイヤーフレームで決めた構成です。実装の工程では、デザインをWebページとして組み上げ、CMSやフォーム、計測の設定を組み込みます。

公開前に表示と動作を確認して公開する

公開前には、すべてのページの表示とフォームの動作を確認します。公開後に不具合が見つかると、問い合わせを取りこぼす期間が生まれるためです。

公開前に確認する項目は、次のとおりです。

  • パソコンとスマートフォンでの表示
  • 問い合わせフォームと資料ダウンロードの送信と自動返信メール
  • 個人情報の利用目的の表示
  • GA4のキーイベントとGoogle Search Consoleの設定
  • ページごとのタイトルと説明文
  • リンク切れと誤字

リニューアルでURLが変わる場合は、古いURLから新しいURLへ自動で転送する設定(リダイレクト)を行います。転送に使うのは、301や308のようなサーバー側の永続的なリダイレクトです。転送の設定がないと、検索結果やほかのサイトのリンクから訪れた人が、存在しないページにたどり着くことになります。

公開後に問い合わせの数と質を見て改善する

公開後は、ページごとの閲覧数、資料請求と問い合わせの件数、商談につながった件数を定期的に確認します。改善に手をつける順番は、読まれているのに問い合わせにつながらないページが先です。

改善の手段には、導入事例の追加、ボタンの文言や位置の見直し、フォームの項目の見直しなどがあります。1度に多くの箇所を変えると、どの変更が効いたのかがわからなくなるため、変える箇所を絞って結果を比べます。

改善の作業を社内で続けるか、制作会社の支援を受けるかは、公開前に決めておきましょう。改善は1回で終わる作業ではないため、同じ指標を続けて確認する担当者を決めておく必要があります。

BtoBサイト制作の依頼先を選ぶポイント

BtoBサイトの制作会社は、デザインの見た目だけでは比べられません。問い合わせを増やせるサイトを作れるかどうかは、設計の進め方と公開後の支援の範囲で差が出ます。BtoBサイト制作の依頼先を選ぶポイントは、次の7つです。

  • 社内で作るか制作会社に依頼するかを決める
  • BtoBサイトの制作実績と公開後の成果を確認する
  • 問い合わせの目標から設計を提案できるかを確認する
  • 原稿作成と導入事例の取材に対応できるかを確認する
  • 社内で更新しやすいCMSを提案できるかを確認する
  • 公開後の改善と保守の範囲を確認する
  • 見積もりに含まれる作業と期間を同じ条件で比べる

社内で作るか制作会社に依頼するかを決める

ノーコード型のツールやCMSを使えば、社内でもBtoBサイトを作れます。外部に支払う制作費を抑えられ、公開後の更新も社内で完結します。

社内で作る場合に必要なのは、設計、原稿、デザイン、計測の設定を担う人と時間です。通常業務と兼任の担当者が1人で進めると、公開の時期が読めなくなります。

社内にWebの担当者がいるか、いつまでに公開したいかで判断が分かれます。設計と計測の設定だけを制作会社に頼み、原稿と更新は社内で担うような分け方も可能です。

BtoBサイトの制作実績と公開後の成果を確認する

制作実績で見るのは、BtoBのサイトを手がけた数と、自社に近い業種の実績があるかの2点です。法人向けの製品は業界ごとに専門用語や購買の流れが違い、業界の知識がある会社ほど原稿や構成の提案が具体的になります。

実績のページでは、デザインの写真だけでなく、公開後に問い合わせがどう変わったかまで示されているかを確認します。見た目が整ったサイトでも、問い合わせが増えたかどうかは写真からはわかりません。

候補の会社が手がけたBtoBサイトを実際に開き、問い合わせのボタンや料金の情報がどう配置されているかを見ておくと、自社のサイトを任せたときの仕上がりを具体的に想像できます。

問い合わせの目標から設計を提案できるかを確認する

最初の打ち合わせでデザインの好みより先にサイトの目的や対象、目標とする件数を聞いてくる会社は、成果から逆算して設計を進めます。BtoBサイトで成果を出すには、誰に何をどう伝えるかを決めてからデザインに入る順序が欠かせません。

提案の段階では、ページ構成と導線の考え方が文書や図で示されるかを確かめます。トップページのデザイン案だけが先に出てくる提案では、比較の材料や受け皿の設計がどこまで考えられているかを判断できません。

原稿作成と導入事例の取材に対応できるかを確認する

原稿の作成や写真の撮影、導入事例の取材は、制作費とは別の料金になる会社があります。社内に原稿を書ける人がいない場合は、原稿作成が見積もりに含まれているかを最初に確認します。

専門性の高い製品では、業界の知識を持つ書き手がいるかも確認の対象です。原稿の正確さは、製品の仕組みを理解している書き手かどうかで変わります。

導入事例の取材を任せる場合は、取引先との日程調整や原稿の確認を、どちらが担うのかを決めておきます。取引先への連絡は発注する側、取材と原稿の作成は制作会社と分けておくと、取引先に届く連絡が二重になりません。

社内で更新しやすいCMSを提案できるかを確認する

CMSの提案では、製品の名前より、自社の担当者が使いこなせるかを重視します。更新の頻度が高いページ(導入事例・お知らせ・お役立ち記事)を、社内の担当者が操作して追加できるかを確かめましょう。

操作マニュアルの提供や操作説明が、制作費に含まれるのか別料金なのかも確認します。公開の直後に操作を教わる機会がないと、更新を制作会社に頼り続けることになります。

公開後の改善と保守の範囲を確認する

公開後の支援は、保守と改善の2つに分かれます。保守はCMSの更新やサーバーの管理、軽微な修正を指します。改善は、アクセスの分析をもとにページを直していく支援です。

保守の契約で確認する項目は、CMSと追加機能の更新、不具合への対応、軽微な修正の範囲と回数です。改善の支援を頼む場合は、毎月どの数字を報告してもらえるのか、改善の提案と作業のどこまでが料金に含まれるのかを確認します。

公開後に手を入れる体制がないと、サイトの情報は公開の時点から少しずつ実態とずれていきます。公開後に誰がサイトを育てるのかは、依頼先を選ぶ段階で決めておく事項です。

見積もりに含まれる作業と期間を同じ条件で比べる

見積もりを比べるときは、同じ要件の文書を各社に渡し、含まれる作業の範囲をそろえます。同じ金額でも、原稿作成や計測の設定が含まれるかどうかで、社内に残る作業の量が変わります。

見積もりで確認しておきたい作業は、以下のとおりです。

  • 戦略の立案と要件の整理
  • サイトマップとワイヤーフレームの作成
  • 原稿の作成と写真の撮影
  • デザインと実装
  • CMSの導入と操作説明
  • GA4とGoogle Search Consoleの設定
  • 公開後の保守と改善の支援

期間の目安も、見積もりと一緒に確かめます。社内の原稿の準備や確認にかかる日数も含めて、公開したい時期に間に合うかを判断します。

BtoBサイト制作の費用と期間の実例

BtoBサイトの制作費は、ページ数や機能、原稿作成や戦略設計を含めるかどうかで変わります。BtoBサイトの制作会社3社の料金と期間の実例は、以下の表のとおりです。いずれも各社が公式サイトで公開している料金(2026年10月時点)です。

会社名 制作費 期間の目安 公開後の費用
A社 サイト制作80万円(税別)から 3カ月から 保守・軽微な修正サポート月額1万円から
B社 通常プラン200万円から、SEO強化プラン300万円から(いずれも税別) 公開まで3〜5カ月(規模による) WordPress保守月4万円から、サイト改善コンサルティング月35万円から(初期費用10万円・いずれも税別)
C社 小規模サイト150万円から、中規模サイト300万円から、大規模サイト680万円から1,000万円以上(税の表記なし) 記載なし 記載なし

3社の最も低い価格帯を比べると、80万円から200万円まで開きがあります。B社のSEO強化プランは、市場調査などのSEO調査と戦略設計から行うプランで、通常プランとの差は100万円です。

表の金額は、いずれも最低価格や目安で、ページ数や機能によって変わります。A社では写真や動画の撮影、原稿作成、多言語対応、システム連携などが、要望に応じて追加になる場合がある費用です。自社の要件での総額は、見積もりで確かめる必要があります。

BtoBサイト制作は比較される前提の要件を決めてから依頼先を選びましょう

BtoBサイトは、取引先の担当者が複数社を比べ、社内で承認を取る流れを支えるためのWebサイトです。料金の目安や導入事例のような判断材料と、検討の段階に合った受け皿がそろって、初めて問い合わせにつながります。

制作会社に相談する前に、自社で決めておく項目は次のとおりです。

  • サイトの目的と、問い合わせや資料請求の目標件数
  • 対象とする業種・企業規模・担当者
  • コーポレートサイトとサービスサイトのどちらで作るか
  • 必要なページと、載せる比較の材料
  • 導入事例を依頼する取引先の候補
  • 社内で更新する範囲と担当者
  • 公開したい時期と予算の上限

要件を文書にまとめておけば、複数の制作会社に同じ条件で提案と見積もりを依頼でき、返ってきた内容を同じ基準で比べられます。依頼先は制作実績に加えて、目標から設計を提案できるか、公開後の改善まで支援できるかで選ぶと、公開後に成果の出るサイトに近づきます。

まずは自社の営業担当者に、商談でよく聞かれる質問と、比較で負けた理由を聞き取るところから始めましょう。

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